抑止解放 3
エデン門前。
カイン「俺も存外、一般人だったようだな」
カインから電脳粒子が立ち昇っている。それに伴い、体も次第に透過していく。
那綱「なんだ、今気付いたのか?」
蓮「残念ながら、僕も感じていたよ。でも、死ぬよりはよかったかもね」
カイン「夢の中か。確かにお似合いかもな」
蓮「その時までは眠っていてくれ」
カイン「……いや、やはり幕を引こう。その時、折角おまえらが創った世界を台無しにするのも本望ではない。言い訳がましいが、本音でもある」
蓮「じゃあせめて僕がやるよ。そうすれば、踏み台ぐらいにはなる」
カイン「そこまで言われたら仕方ない。と、いうのは建前だな。正直、これで少しは救われる」
カインが完全に消える前に止めを刺す。
蓮「こんな感じでいいかな?」
那綱「おう、ナイス優男っぷりだ」
エデン門前、内側。
優「じゃ、そろそろ飛鳥の所にでも行くか」
春「ここにも優男が」
ユイ『大変ね』
優「それなりにな。そっちも頼むぜ」
春「頑張ります」
飛鳥と明の住むマンション。今、二人の部屋の玄関前にいる。
明「うおー、もう駄目だ」
と、扉を勢い良く開けたのは、声の通り明だ。
明「優、俺の屍を越えていけ」
そう言って明は持っていた包丁で自分の喉を掻き切った。
結果は即死。明は死体となって仰向けに倒れる。
優「さすがの俺もびっくり展開だぞ、これ」
飛鳥「『抑止解放で私への束縛が止まらなくなったので、後は優に任せた』みたいな感じです」
優「ちなみに、なんで抑止解放のこと知っているんだ」
飛鳥「そこは利便性です」
優「なるほど。それは仕方ないな」
飛鳥「で、どうします?もう私の面倒を見る必要はないんですよね?」
優「それは釣れないな。友達だろ?」
飛鳥「友達ですか……」
優「性行為がすべてじゃないってことで」
飛鳥「とりあえず今は面倒を見てくれることに満足しておきます」




