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FreeDom  作者: ユユキ
仮想世界
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再会


辿り着いたのは港町。港はもちろんあるが、船の停泊する場所はない。

 優「そういえば、おまえ、かの有名な『鉛姫』か」

 桜「むしろ今頃かよ」

 優「あれ?俺、外出たの初めてだな」

 桜「引き篭もりかよ」

幼少期は気付けばずっと牢獄の中。『蛇』に拾われてからもずっと施設暮らしなので冗談ではなく、マジで外に出たのは初めてだ。ちなみに、『蛇』に関しては縛られていたわけではないが、実験やら訓練やらやっていたらこの通りだ。危ない、危ない。

 シオン「それはよかったですね」

 優「割と引き篭もり推進派だが、さすがに一生はな」

 カシヤス「推進はしているんだな」

 優「そうなると、悲劇というよりは喜劇だな。オチは結局外には出ませんでしたか。危ない、危ない。こういう類はリアルでするものじゃないな」

カシヤスは両脇に桜とシオンを抱きかかえて、船首から港へと飛び降りる。

 桜「あ、やべ、使いぱなしだ」

 ユイ『何か締め付けが足りないと思ったら、固定し忘れたわね』 

桜の右太股のホルダーから銃こと完全AIのユイが零れ落ちる。ユイは電脳印にもキューブにも格納不可能らしい。言うならば、ホルダーが格納場所みたいなものか。それを証明するように、海へと落ちたはずのユイが今はもうホルダーに戻っている。一度電脳粒子に戻り、再度構築しているので海に落ちて濡れても元の状態に戻っている。

 リオ「さて、準備はいいわよ」

 優「いや、無理があるだろ」

 リオ「釣れないわね、港だけに」

リオも飛び降り、俺もそれに続く。そして全員飛び移ったところで、シオンは掌サイズのキューブに船を電脳粒子化し取り込む。これが停泊所のいらない理由だ。電脳印以外の物、電脳建築物はこうして持ち運びするのが主流だ。キューブは掌サイズなので、こういう大型な物以外にも使われる。ちなみに、二基積んであった大型の電脳武器製造機も同じ電脳建築物なので一緒に格納されている。

 リオ「お、探す手間は省けたわね」

リオの視線の先には人だかりのできた宿屋。その屋根の上には、白い翼がやけに目立つ一人の天使がいる。ちなみに、凪曰くあるあるネタらしい。翼は体の一部なので隠すにはそれなりの手段が必要になる。天使も中々苦労するようだ。

 優「あのシンボルは『反神派』か。と、いうことは殺す気満々の人だかりになるが、どうするんだ?」

 リオ「あれはもう、このまま回収した方が早いわね。ちょうど近くにベンさんもいるし」

 シオン「そうですね。ちょうどエンジンももつと思います」

シオンはまだ手に持っていたキューブを転がし新しい面を上にする。一面に一つずつ。計6つ格納可能だ。ちなみに、船の例のように別の物質が付属していたとしても一つの物質と見なされる。そして精製されたのは一台の車。丈夫そうな4駆。港町の外は砂漠だ。続いてリオが電脳印から照明弾を精製し空に打ち上げる。間もなく、宿屋の屋上にいた天使、凪がこちらに物凄い勢いで飛んできた。どのくらいかというと、銃弾ばりの速さはあるかもしれない。

 リオ「よーし、乗れ乗れ」

全員車に乗り込む。運転手はシオンだ。若干、体が届いていないが大丈夫なのか?ちなみに、助手席はリオで後部座席に右から俺、桜、カシヤスだ。そして最後に、ちょうど近くに着地した凪が俺に仰向けにドロップキック(翼の関係上)する形で乗り込む。

 シオン「さっそく直線に入っているのでニトロ使います」

 リオ「よーし、行け行け」

こっちはかなりキツキツだが、車は構わず猛スピードで発進した。


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