理想郷 爆誕 2
坂の上の教会。中で持っていたのは春とカインだ。
桜「よう、久しぶりってキャラでもないか」
ユイ『そうね』
桜「とりあえず、ユイと『転嫁』交換だ」
春は特に異論は唱えず、素直に要求に応じる。
ユイは春の手に触れた途端、大剣の状態に戻った。
桜「おお、まさかこんな仕様だったとは」
シオン「その台詞、改造して渡した時辺りに聞いた気がしますね」
桜「そうだったか?結構昔のことだからな」
シオン「7年ぐらいですか。リオも人格強制プログラムを付けていたとはいえ、よくここまで持ったものです」
優「あいつそんなの付けてたのか」
凪「ちなみに、優以外全員知ってたけどね」
優「マジで」
凪「何気に全員元『蛇』だったりもする」
優「俺も含めてってことか。案外狭いな」
そう言ったそばからもの凄い存在感を携えて何者かが外に舞い降りた。とりあえず、全員外に出る。言う程狭くもなかったようだ。
優「また凄いの来たな」
風助と同じドラゴン。風助より威圧感がある。そしてその背中に仰向けで寝そべる十五歳前後の少女。少女ことルーテは寝そべったまま、こちらも見ずに口を開く。
ルーテ「あー、面倒い。ベラ」
ドラゴンことベラがこちらに口を向けて開く。
優「おいおい、まさか口から何か出すのか?」
凪「どうする?リーダー」
優「いつの間にそんな役職になってたんだ?とりあえず、逃げるか」
と、いうことで春とカインを含めた一同、電脳人の領地の外に出ることになった。その直後変化が起きる。過程を見ることはできなかった。振り返り視認した頃には、元からそうであったかのようにそうなっていた。目の前にあるのは淡い緑の巨大な木。大きさはもはや言いようがない。先に見たドラゴンもかわいく見えるぐらいだ。街の痕跡は一切ない。元からそうであったように、隔壁も含めすべてが消滅している
リオ「はは、さすがに圧巻ね。ああ、これはずすの忘れてた」
次元の穴から出て来たリオは後ろ首を探る。取り外されたのは2cm程の正方形のデータチップ。リオはゴミでも捨てるように横に投げ捨てる。
シオン「私も忘れていました。目キラキラとかありえないですね」
カシヤス「じゃあ、俺も」
優「おまえもかよ」
カシヤス「安心しろ。俺はこのままだ」
優「逆にがっかりだけどな」
リオ「一応、説明してあげるわ。状態は電脳粒子化し、あの木に取り入れられている。意識はあるから死んでいるわけではない。効果は永遠に夢を見るというところかしら。自分が絶対に拒絶されない世界。そういう類の夢ね。宇宙にまで出て答えがこれとは、もはや泣ける話だ。ちなみに、強制ではなく総意ね。ま、言葉通りということよ。進化よりも維持を選んだ下らない猿の末路ね」
リオは桜から『転嫁』を受け取ると、さっさと踵を返し次元の穴へ向う。
リオ「展望としては私達クラス以外めでたく木に取り込まれるでしょうね。人間に限らず生物全て。大きさはこの大陸すべてに肥大化し、木と海だけの世界になる、というところね」
優「それはすごいな」
リオ「そうね。すごく快適な世界だ」
そう言い置いて、リオは次元の穴と共に消えていった。
カシヤス「さて、俺もそろそろ抜けるかな」
優「『蛇』に戻るのか?」
カシヤス「いや、家庭問題だ」
優「大変だな」
カシヤス「感想としては、まさか俺がだな。ヤンデレでかなりわかりづらいが、ボーイミーツガールというやつだ」
優「いい歳こいたおっさんがアニメかぶれか?最高だな」
カシヤス「リオも意外にいけるかもな」
優「それは無理だろ」
カシヤス「そうか、今はそうしておこう。それと、戻ることはないが会うことぐらいはあるだろ」
優「木と海だけだからな」
カシヤス「それは俺も勘弁だな」
優「食べ物は霊子体にでもなればなんとかなるが、アニメは作らないだろうからな。面子的に」
カシヤス「それは意外な実害だ。お互い頑張ろう」
優「で、おまえらの方が付き合い長いのに何かないのか?」
桜「ない」
シオン「そうですね」
凪「じゃ、私も」
ユイ『ついでに私もよ』
優「よし、頑張れ」
カシヤス「そうだな、あっちではギャグ要員にならないように頑張るよ」
カシヤスが立ち去る、それと入れ替わるようにエタ、ロロ、ゼウスが現われた。
優「今日は忙しいな」
ゼウス「失礼だなー、人を厄介者みたいに」
ロロ「本当、不愉快よね。はぁ、はぁ」
ロロの鼻息が荒いのはバテているからではない。興奮しているからだ。エロス的な意味で。
エタ「何、腐らせておくのも、と思うてな。ついでにまた二人追加だ」
ロロに肩車された状態でも威厳がある八歳前後の少女、はさすがに無理があるだろう。萌えポイント1000くらいだろうか、基準は知らないが。ちなみに、興奮の原因はこれだ。
そういうわけで、この場にいる全員そのままエデンに向うことになった。




