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FreeDom  作者: ユユキ
仮想世界
15/138

エタの依頼2連3/12 2


昼休み後の授業中。

 飛鳥「この学校の七不思議の一つ、エース様ですね。七不思議と言っても、エース様は実際に存在します。私も何度か見かけました。そしてこの紙が投票紙で、票数が一定数集まると下駄箱の方にある掲示板に書き出され、可か不可か通達されます。こういう形以外にも、自主的にやったりもしているみたいですね」

 優「黙認なのは今までの流れでだいたいわかるが、こういうことはよくあるのか?」

 飛鳥「こういう内容は今回が初めてだと思います」

 優「これはエース様こと蓮も分岐点だな」

内容は那綱をなんとかしてほしいというものだ。

 那綱「もう道は決まっている。兄様はこれで完全なるエース様になるわけだ」

 優「それじゃ蓮が悲しむぞ」

 那綱「それでいい。私を殺した罪悪感でもう後には退けないからな。そして、私は兄様の心の中で一生生き続けるわけだ。これぞ私の愛。拒むわけないよね、兄様」

 優「悪趣味な女だな」

 那綱「おまえには関係ないだろ。シャシャリ出てくんな」

 優「残念ながら結構関係あるんだよ」

 ヨナ「ちなみに、俺もな」

予期せぬ声が聞こえたので窓の方に目を遣ると、壁に垂直に張り付いているヨナがいた。おそらく重力制御だろう。『蛇』の造ったデータチップはだいたい蘇芳に貰ったが、重力制御関連の物はない。やっぱり蘇芳に出し惜しみされたようだ。

 優「カシやんがたまたまじゃないって突っ込んでたぞ」

 ヨナ「俺なりのサプライズだ。驚いただろ」

 優「今驚いてるよ。じゃ、本題に入るか」

 ヨナ「蓮君が『妄執』持ってるからさ、それくれって話だ」

 優「なんか集め始めてるみたいだな」

 ヨナ「とりあえず、かわいいティナの為ということで。嬉しいだろ?」

 優「ああ、面倒臭いからそれで」

 ヨナ「なに、平和的にいこうという話だ。解決したらいらないだろうから、こっちに流してくれればいい」

 優「一応、那綱のルートでいけば必要なんだけどな」

 ヨナ「そうなったら仕方ない、というやつだ。俺はティナ一筋だからな」

 優「そう言ってるぞ、那綱」

 那綱「知るか、ボケ」

 ヨナ「おー、怖いな世間知らずは。フェイは怖いぞ、マジで」

 優「おまえじゃないのかよ。まあ、俺とは利害一致だな。那綱に死なれたら困るし」

 ヨナ「それは安心だ。脅しじゃないが、取れなきゃ本当にフェイが来るぞ」

 優「それは大変そうだ」

 飛鳥「私が言える立場ではないですが、さすがに先生が哀しい目でこちらを見てますよ」

 優「俺は自由だ」

突っ込みがてら、若干本気で飛鳥に殴られた。調子に乗り過ぎたようだ。


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