エタの依頼2連3/12 1
舞台は再びエデン。
優「おー、帰ったか」
リオ「すっごい馴染んでいるわね」
優「とりあえず、俺以外がな」
凪はいつの間にか買ったソファーでゴロゴロし、シオンと桜はかなりゲーム用にカスタマイズされたパソコンで遊んでいる。そしてまさかのユイまで専用のスタンドでアニメ観賞中だ。
カシヤス「よし、俺も観るか」
優「おまえもかよ」
カシヤスは宣言通りテレビに向う。その足にもはや迷いはない。
リオ「で、依頼内容は?」
優「ああ、今回も学校だがまさかの二つ分らしい」
リオ「へー、頑張ってね」
優「他人事だな。一緒に来ないのか?」
リオ「ご所望なら、やぶさかではないけど。一応、飛鳥に華でも持たせようと思って」
優「なるほど。それはいいかもな」
リオ「ラブコメ的意味だったんだけど」
優「いや、むしろそっちの華の方がいいだろ。それに、俺以外ならそういう展開もありかもな」
翌日。昼休み。かなり意図的な席替えが行なわれ、俺は変わらず一番後ろの左側の窓際、その前の席、旧リオの席に飛鳥、その隣と斜めに今回のターゲット二人。斜めの方は同い歳の男 蓮。隣がその妹の那綱。赤目の電脳人だ。電脳人は先天的にでも生まれる。原因は世界中に散布されている電脳粒子だそうだ。妹というだけあって明らかに年下だが何故かこのクラスにいる。しかも二人とも前は違うクラスだ。もちろん、それに合わせて記憶も改ざん。蘇芳はもうこっち側らしい。改ざんは行なわれていない。そもそも必要ないからかもしれないが、ついでに明も。と、いうようにかなり神様パワーが入った。まあ、神様パワーだから体に害はないと思う。たぶんだけど。
昼休みということで昼食。俺は食べない派だが、健気に飛鳥が作ってきた。ちなみに、ベタベタな重箱に入れて。隣はコンビニの携帯食。こちらと同じように前の席の蓮が椅子を後ろの席に向けて一緒に食べている。蓮と那綱のツーセットは改ざんされる前かららしい。それ故、那綱の性格も相まっていろいろと冷たい目で見られているようだ。単純に兄妹仲睦まじい、とはいかないようだ。
優「飛鳥が調子に乗って作り過ぎたみたいだからおまえらもどうだ?」
飛鳥「調子に乗っては酷くないですか?」
優「俺はどっかの主人公みたいに全部食わないぞ」
飛鳥「もっと酷くなった」
優「一生懸命作ったのはおまえの自己満足だ。俺はそんなものには縛られない。俺が今いる場所は自由がモットーだからな。とはいえ、同情心がまったくないわけではない。と、いうことでどうだ?理由はさっき言った通りだから遠慮はいらない」
飛鳥「まあ、言うとは思いましたけどね。お父様に食べてもらうのも味気ないですし、私からもお願いします」
優「味気ないのかよ」
蓮「すみません。那綱は少食なので」
優「そういえば、いつもおにぎり一個だな。二日しか見てないけど」
那綱「てめぇ、喧嘩か?喧嘩だろ」
優「いや、違うけど。で、蓮はどうなんだ?」
蓮「……」
那綱「うがー」
那綱は俺が持っている重箱の一つを下から突き上げる。が、甘い。一応、強化されてるしな。そのまま重箱を真上に回避させる。
優「甘い、甘い」
那綱「上等だ」
しばらく那綱と戯れる。もちろん、弁当は無事だ。那綱は諦めて荒々しく着席する。
那綱「もう好きにしろ」
蓮は意外だったのか、目を少し見開く。
優「お、その顔はそういうこと言われるのは初めてというところか。ちゃんと会話しないとな、蓮」
飛鳥「うまく押し付けましたね」
優「人聞きが悪いな。一石二鳥だ」
飛鳥「結局入ってるんですね」




