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FreeDom  作者: ユユキ
真・世界
118/138

飛鳥 王への道5

大通りに死臭が漂う。

いつものオチ。

言い訳の余地なく、ただの殺人鬼だ。

 茜「結構思いっ切りがいいな。これは第一印象から訂正しとかないとな」

 飛鳥「そんなご立派な意志はないですよ。仮にあったとしたら、喜んで優と同じ道を歩んだでしょう。所詮、私もこの人達と同じ下衆なようです」

 茜「あー、そういうのいいから」

 ナンナ「そう自分を蔑まないでください、ということですね」

 飛鳥「それ、本当?」

 ナンナ「すみません、嘘です」

 飛鳥「逆に本当だと引くけどね」

 茜「俺はブレないんだよ、一般人」

 飛鳥「それは羨ましい限りですね」

 茜「俺には逆に理解できないな。何も考えてない一般人ならともかく、おまえはもう片足突っ込んでんだろ?やっぱ脳みそ腐ってんのかね、一般人は。はは、使わな過ぎてな」

 ナンナ「ちなみに、脳をフル回転させると血管が破裂するそうです。有名な、実は脳の一部しか使っていないという話の根本的な原因ですね。肉体改造には興味がないようなので、このままずっと使う気はないのでしょう。肉体改造の成果、霊子体については結論だけを言えば出来ます。そもそも脳であって脳でないので、誰も使ったことはないし使えないのですが。悪まで理論上の話です」

 飛鳥「えーと、つまり物理的に無理なので気にするな、ということですね」

 ナンナ「その通りです。進化しない限り、死んでしまいますから」

 茜「まあ、それも大問題だがそもそも精神が追いつかないと話にならないな。こいつら百年以上生きるようにはできていないからな、精神が。今までその分野が発展しなかったのはそれが原因だろ。そして精神の成長が止まり、滅んでいくと。ま、その辺の獣と同じだな。むしろ、猿の割にここまで発展させたことぐらいは褒めてやるべきかもな。で、おまえは猿で終わる気か?」

 飛鳥「猿のまま終わっておけばよかったのかもしれませんね」

 ナンナ「そう思うことが第一歩です。頑張って第二世代にシフトしてください。ちなみに、第二世代というのはいわゆる社会に弾かれている人のことを示します。従来に適応できない第二の精神。狭間を漂うのが精一杯で、その先に行く人は少ないようです。一般人は孤立を嫌いますから。妥協するか、精神崩壊して適当な犯罪に身を染めるかの二択ですね。少し皮肉を言わせてもらえば、無理矢理入ったところでそれが孤独でないことにはならない気もしますが。いつものフォローをさせてもらいますと、まだそれだけの可能性があるということです。第二世代を受け入れられる程、世界が変われば」

 茜「はは、変わるのは無理だろ。一度壊して創り変えないとな。そういう意味では割とおまえのやり方はドンピシャなわけだ。悲劇の一般人気取ってたのに皮肉だな」

 飛鳥「正直恥ずかしいですが、それならその方がいいです」

 茜「そうかよ。じゃ、もう少し付き合ってやるか」

 飛鳥「先も言った通り、期待するだけ無駄ですよ。よくてあなたと同じ立ち位置、と言ったところです」

 ナンナ「暇なので気にしないでください」

 飛鳥「……そうですか、とりあえず他人の意見を聞く気はないんですね」

と、そこに思いがけない来訪者が現れる。

 連「えーと、アカシャがどうのこうのして今ここにいるみたいだね。僕達の意志、というわけではないよ」

 那綱「しかし荒れたな、おい、こんちくしょう」

 連「言えた義理でもないけど、大人しく優に付いて行けばよかったのに。いや、素直にで今からでも遅くないか」

 飛鳥「そちらも変わったようですね」

 連「……これ以上はやめておこう。残念ながら、今は敵同士だ」

 那綱「おうおう、あんまり兄様怒らすなよ。優の所行っとけって、マジで」

 飛鳥「まったく、口を開けば誰もかしこも」

王剣を構え戦闘態勢に入る。

連と那綱が復活したこと以前に、今のこの状況が頭を支配している。

正義と悪。無論、私が悪だ。

だが、悪だからと言って躊躇はしない。

良くも悪くも、そのぐらいの意志はあるようだ。

その意志を砕くかのように、私の王剣を握る右腕が消し飛んだ。

予備動作は空間の歪み、局地的に来たので距離は関係ないようだ。アカシャの視界に入ったものを消す能力に似ている。

なので視界に入らずに後ろを取る。方法は簡単だ。先程コピーしたイヴの能力を使えばいい。

再構成の過程で、ついでに右腕と王剣も錬成する。

そこまでの時間は一瞬と言っていいだろう。そのまま首を切り落とす。

つもりだったが、刃は通らなかった。

簡単に皮膚で弾かれた。防御のイメージである程度の攻撃は軽減できるが、これは異常と言っていいだろう。一応、まだ日は浅いが防御寄りの自分が言うのだからなおのことだ。

と、カウンターで腹部を爆破される。連は後ろを向いたままだ。

とにかく、後方に跳び距離を開ける。

私の目にはコピーの為の必然として分析能力も備わっている。

連の能力は二つ。

絶対的な防御力。

感知式の空間爆破。

感知の範囲は霊子体に備わっているセンサー感覚と同じだが、それでも十メートルはあるので十分だろう。

私のコピー能力の概要は一時的に対象のイメージを強くするというもの。

そのイメージが全てを支配するので、コピーは一つまで。ちなみに、強制的なものなので数時間でイメージが消え使えなくなる。

空間爆破は空間を歪ませるので防御力は関係ない。この場合それをコピーすればいいわけだが、どういうわけかそれは無理なようだ。

よって、私はそのまま踵を返し退却することにした。

 茜「賢明な判断だな。ま、俺ならいけるけどな」

 ナンナ「では、失礼します」


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