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第1話 魔法少女

初投稿です!不慣れですが、是非、読んでやってくださいm(_ _)m

人の心や気持ちを食べてしまう怪物がこの世には居るらしい。

『速報です。10代から30代の男女15名が鬱病や本人にも理解不能な性格変化により病院に搬送されました。山本精神病院の院長の山本さんに来ていただきました。最近、鬱病の方、増えていますよね』

女性アナウンサーが深刻そうな顔をして隣のおじさんに話しかけた。私は焼きたてのトースターにジャムを塗ってかぶりついた。

『そうですね。うちの病院でも多くの方が鬱病で来院されますが、殆どが原因不明で……しかも、最近怪物を見たと言う情報も多いですし……やはり――』

私はテレビを消した。学校に行く時間が、迫っていたから。最近は早くつこうといつもより30分早く家を出ることにしたのだ。カバンを持って靴を履く。私は九十九(つくも) 途羽(とわ)。水色の髪と紫の瞳を持った高校1年生だ。

桜が舞う道を歩いて学校へと向かう。学校へ着き、上履きに履き替えてクラスへ向かう。すると、教室の中から女子達の声が聞こえてきた。その中の1つは、小学生から仲の良い幼なじみの由紀の声だった。ふと、耳をすませた時だった。

「途羽ってさーめんどくさいんだよね。重度のかまってちゃんなんだよね」

「あー!分かる!途羽ってうざいよね。自分が私達と同じカースト上の人間だって思ってるよ!」

「ほんと、ブスなのに、生意気!ほんとは関わりたくないんだよねー」

「あはは!もう無視しちゃったら?」

聞こえてきたのは、……そんな会話だった。確かに由紀はカーストが上の方の子だ。容姿端麗で成績優秀。私とは似ても似つかない。でも、そっか。仲のいい友人だって思っていたのは私だけだったみたい。

気づいたら学校を抜け出していた。私、どうしたらいいかな。いじめは小学生の頃からなかったし、クラスの人とトラブルになった事も無かった。

「悪口言ってるの聞いちゃうのは……少し……辛いなぁ……」

膝から崩れ落ち、歩道に座り込む。とめどなく涙が溢れてきて、床をぬらした。ふと、自分の前から影が近づいてきた。人……かな?…………邪魔になっているみたい。………………………………どかなきゃ

――そう思って顔を上げた時だった。

「……ヒッ!」

……化け物が居た。3つの目がギョロギョロと蠢いていて、口には薄ら笑いを浮かべた真っ黒な人型をしたモノ。

――逃げないといけない。頭がそう直感していたのに、体が恐怖で震えて動いてくれない。助けを呼ぼうにも、口も震えて、掠れた声しか出なかった。

――最近、怪物を見たという話も多いですし……

今朝のテレビの内容が頭に浮かぶ。……これが、怪物?

もうダメかもしれない。そう思った時、化け物が散った。キラキラなエフェクトと共に青い何かが周りに散った。私の前にキラキラでフリフリな服を着た緑の髪の女性が立った。ハーフアップの髪が綺麗に舞った。女性が振り向く。

「大丈夫?怪我は?」

「………………あっ、あ、だい、じょうぶ、です……」

女性は膝まついて、私の腕や顔を確認して怪我無いのを確かめると、ふわりと浮く可愛い装飾がついた杖に乗ると、私に手を振った。

「人は心が沈むと、ああいうのを見ちゃうの。だから、気をつけてね」

女性が飛んでいこうとした時、私は咄嗟に女性の服を掴んだ。女性はびっくりした顔でこちらを見た。私は、精一杯の声で言った。

「……っ!貴女みたいになるには、どうしたらいいですか?!」

そう言うと、女性は顔をくしゃりと綻ばせると、私の頭をくしゃくしゃに撫でた。

「いいね。私、そういう子好きだよ」

ほら、乗りなよ、そう言って女性は私の腕を引っ張って、杖の上に乗せた。

――これが、私、九十九 途羽と魔法少女の御影(みかげ) 神凪(かんなぎ)さんとの出会いだった。

「あああああああああああああああああああ!」

「口閉じてないと舌噛むよ」

杖は、空を飛んでいた。飛び立つ際に、互いに、自己紹介をした。私の名前と高校1年生な事、女性は御影 神凪で魔法少女だと教えてくれた。

「君が会ったのはスティグマ。人の傷心した心から生まれる化け物だ。人の良心や未来への希望等を食べて、人を鬱病等に陥れる化け物。それを浄化するのが私達魔法少女。」

「私……達?」

私は首を傾げた。神凪は笑みを浮かべた。

「魔法少女ってのはね、組織なんだ」

「組織……?」

魔法少女ってそういう感じ……?そんな事を話しているうちに1つのオフィスにたどり着いた。杖から降りて、神凪についていく。エレベーターに乗ってオフィスの3階に上がった。部屋に入ると机に突っ伏した深い青色の髪をした男の子の姿があった。それを見て神凪はため息をつくと、椅子を動かした。男の子はうわわ!と声を上げて体制を直した。

「あっぶな……神凪クン、危ないじゃないか!リーダーには優しくし給え!」

男の子はぷんすかと怒る。そんな男の子を神凪は冷めた目で見つめていた。うーん……なんだか、気まずいな……

「あ、あの……」

ん?と男の子がこちらを向いた。そして、目をキラキラさせてこちらに近づいてきた。

「なになにー?新しい子?神凪クン」

また神凪はため息をついて、片手で頭を抱えた。

「そうです。『貴女みたいになるにはどうしたらいいですか』なんて言ってきたので、連れてきたんです」

神凪はそう言って、近くのソファに腰掛けた。苦労してるんだな。この人。

「キミ、名前は?」

「九十九 途羽です」

ふんふん、なるほどーと言いながら、男の子は机の下から宝箱のような箱を取り出すと、その中をゴソゴソとして、1つの水晶を取り出してきた。

「これは魔力の水晶玉。魔法少女に適正があるか見極めてくれるんだ。さぁ、水晶に手をかざして……」

言われた通りに水晶に手をかざすと水晶から眩い光が飛び散った。光が収まると、男の子は少し、びっくりしたような顔をしていた。

「……なるほど……ね。途羽クン、合格だよ。キミには魔法少女の素質がある」

「ほ、ほんとう……ですか?」

「本当だよ。冗談でこんな事言わないさ。あっ自己紹介を忘れていたね。ボクは(いかり) 朔夜(さくや)。この日本にいる魔法少女、魔法少年をまとめるリーダーさ。因みにボクも魔法少年なんだよ」

パチンと朔夜はウィンクをした。軽い人なんだなぁ……

「神凪クン!途羽クンに魔法少女のあれこれを教えてあげてよ」

「……はぁ、リーダーが教えるんじゃダメなんですか?」

「ボク、ちょっと外せない用事があるんだ」

また神凪はため息をついた。片手をひらひらさせながら、朔夜は部屋から出ていった。やがて、エレベーターが稼働する音が聞こえた。エレベーターに乗って下の階に行ったんだろうな。

「……はぁ、相手疲れるでしょ、うちのリーダー」

ため息をつきながら、神凪はソファから降りてこちらに近づいてくる。

「まぁ……マイペースな人でしたね」

「自分勝手すぎるのよ……」

神凪はやれやれとまたもやため息をついた。

「このオフィスを案内するわ。ついてきてちょうだい」

「はい!」

「ここが2階よ」

「なんだか人がいっぱいいますね」

このオフィスの周りを見ると机とパソコンと向き合う人、人――

「魔法少女や魔法少年としての素質がないと判断された子達よ。それでも力になりたいって自分から残っているの。やっている事といれば、魔法少女、魔法少年がぶっ壊した物とかの代わり用意とかスティグマに心を食べられて鬱病になった人達のアフターケアとか、魔法少女魔法少年の衣装作りとかね」

「えっ!杖で『変身!』とか言ったら衣装が出てくるとかそういうのじゃないんですか!?」

私が、驚きながら言うと神凪は少し笑って答えてくれた。

「確かに戦う前に呪文は唱えるけど、衣装は杖に衣装のデータを込めて使うのよ」

そんなハイテクじゃないわ、と神凪は言ったが……それも十分、ハイテクでは?

「ここが1階よ」

「会社のホールみたいですね」

「表向きだと会社よ」

受付があって、少し豪奢な作りだ。会社の受付って感じ。

「ここには、魔法少女、魔法少年の休憩部屋とかもあるわ。自由に使って大丈夫よ」

「こんな所ね次は、魔法少女について……」

ビー!ビー!突然、大きな音がなった。周りにいた人達が慌てだし、神凪も杖を取り出している。

「あの……!これは……」

そう聞くと、神凪は神妙な面持ちで答えた。

「スティグマの大量発生よ!」

少しづつ投稿していきますので、これからも読んで下ると嬉しいです。

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