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War Ensemble/ウォー・アンサンブル ~戦争合奏曲  作者: 改案堂
第二章 Divine Intervention/神の干渉
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076 bonus05, rapid fire/速射

ーーーーーーーーーー



【AD:2118年, 革命新暦:196年、冬】



何よ全く”お人形の会”なんてファンシーな名前つけて、物騒な相談して…。

でもそうね、情報としては有用だった。

アタシの居た07はどうでもいいけど、ナージャの09にも生存者はいたみたい。

ドラクルとグリゴリの凸凹コンビを唆して、混乱の隙を突いて助けてあげてもいいかな。

その前に現地を確認して、作戦を考えなきゃね。


施設に行く渡り廊下を上から通るって、結構大変。

アタシの力じゃ上り下り大変。

シティアって背丈はアタシと変わらないくせに、力強いのね…

頑張って外棟の方まで行って来たけど、屋上の変電施設は使えそう。

屋外発電機から変電設備までの配線に一部侵入できそうだから、接続部に鳩でも放り込めばショートして設備内は混乱するはず。

ドラクルがイの一番にイニシエーションに志願して『瞳術』なんてアヤシイ技術を習得しようとしてたわね。

結局小動物に簡単な命令を聞かせるのが精一杯みたいだけど、鳥を直線に飛ばせるくらいには役立ってもらおっか。

見つかったときの保険としてもね。



グリゴリは絶望的だけど、ドラクルの察しの悪さにもあきれたわ。

アイツ頭悪い上に要領もイマイチ、おまけにリザ以外の女にゃ目もくれないって…

そんなにアタシ、女性の魅力ないかしら。

ま、まあそれはいいわ。成長すればアタシだって綺麗になるはずだし。

ちゃんと協力を取り付けられたんだから良しとしよう。


決行は、12月末。

毎年なぜか職員たちが浮足立つ日があるの、クリスマスといったかしら。

私達候補生…選抜者にはそういうイベントなかったけどね。

今年も皆浮足立つだろうから、夕方遅くに鳩を電気配線に打ち込んで混乱させちゃお♪

そうすれば警報システムも働かなくできるだろうし、他の元選抜者の子達も外へ逃がしてあげられる。

復旧にも時間がかかるから皆が逃げる時間も稼げるはず。


計画はこんなで大丈夫でしょ。

この日のために生きた鳩も捕まえておいたし、お人形の会で共有されてる図面も覚えた。

真っ暗でもある程度見えるから、停電させれば私の有利に働くはず。

ドラクルとグリゴリは別棟の屋上まで同行させて、アタシも外棟へ移動する準備万端。

よーし、やっちゃえー!!



計画通り外棟は大混乱、変な三角帽被ったり、まっすぐ歩けない職員がアチコチでぶつかったり転んだり、まともに対応できそうなヤツはいない。

時間も狙い通りだったから建物の中は真っ暗!

慌てて右往左往する職員の隙間を縫って、アタシは見えるからさっさと『保留室』に向かって扉を開け、中の子達を外へ開放する。

まずは09!

大きい子たちは動きも遅いから誘導してあげないとね。

階段も無事下りられたし、あとは直線で玄関から外に出るだけよ!

彼女らが逃げるのを見送ってから保留室のフロアへ戻り、片っ端から部屋を開けて回って最後に07と…イヤだけど10のおサル共も。

時々警備のような人たちが騒いでたけど、見つからなきゃどってことないよね

キャハハッ、サルども手当たり次第に女の子に襲い掛かってやんの!

女職員まで巻き添えだわ!あーっはっはw

あっちは13メドベージェフのグループかしら、暴れまわって職員潰しまくってるわwww

アタシ元々ここの施設の職員嫌いなのよねー、いい気味!

巻き添えであたしの同グループ連中もメッコメコだし!


あっ、あっちで火ぃつけた奴がいる!

やっと警備の連中もライト取り出して動き始めたかな?

やっばい、そろそろ脱出を考えなきゃ。



急いで階段を上って、さっき入った扉を出て…

ボインっ

ん?何かに当たった?柔らかい??

あ…マリアベル所長?どうしてこんなところに??


「ハァ…少しおいたが過ぎたな。

 電気設備の不備でこの棟だけ不全が起き、しかも屋上へアクセス出来る扉が全開だったら誰でも気が付くだろう。

 室内灯が切れたからと言って、部屋にはシグナルライトの一つも置いてある。

 この停電で慌てたのは、精々仕事をサボって呑んでいた連中と研究員共程度だ。

 そもそもキミらの行動を、私は把握しているつもりだったんだがな。


 キミは、07のアジンだったか。

 07はスペアも居るし、キミは人格転移の実験行きとしようか。

 何度もこういった騒ぎを起こされては困る。

 本来候補生たちに、こちらの棟へのアクセスを許可した覚えはない。

 まあ、大方把握はしているがな。

 だがこれだけの事をしたんだ、覚悟はしているなアジン?

 ヴォルケイン、こいつを捕まえてこちらの棟の独房に入れておけ」

「はい」




まったく面倒ごとを起こして…仕方のない奴だ。

ボヤ騒ぎも沈静化し、あとは散り散りに逃げた検体どもを確保する作業だけだな。

非番の者には悪いがひと働きしてもらい、真面目に就業中の者は少し楽をさせ、但し業務命令違反の連中は吐くほど仕事をさせ反省させようか。

…いや、最近規律が乱れてきたからな、粛清しようか。

そういえば候補生たちには、生活に即した祭り事やイベントを教えていなかったな。

丁度良い、今回の件をイベントと併せて印象に残してやろうではないか。

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