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War Ensemble/ウォー・アンサンブル ~戦争合奏曲  作者: 改案堂
第二章 Divine Intervention/神の干渉
56/144

056 tr06, the pit and the pendulum/くぼみと振り子

※すみません、引き続き今回も性的表現を含みます。

 苦手な方はスルー推奨です。



ーーーーーーーーーー

【AD:2113年, 革命新暦:191年、春】


「…ごめんなさい、もう平気。ちょっと動揺しただけ」


上の方から、少し怒り顔のユリアがのぞき込む。

「そんな訳ないよ、あんなに取り乱したシーちゃん初めて見たもの。

私達会ってもう1年近く、親友だよ。苦しい時は頼って欲しいよ。

私の時だってスエミさんやトゥリナさんの間に入ってくれたのシーちゃんだし、他のグループの子達もこっそり助けてるのも知ってる。

私は、どんな時でもシーちゃん好きよ」

「…ごめんね、心配かけて。

ドベちゃん帰ってきたらうるさくしちゃうから、ユリアの部屋に行っていい?」

「もちろん!気兼ねしなくていいわ。

シャワーも付いてるから、着替えも持って行きましょう」



「よく見たら傷だらけじゃない、手当てするからそこに座って!」

シャワーを浴び、タオルを巻き、ベッドに座らせてもらった。

「さっきの泥だらけの服といい、もっと自分の事を大切にしてね」

「うん…ねえ、ユリア。

見て。

僕、いや私なのかな、私は欠陥品なのかな。

僕、男性と女性、両方あるんだ。

ドベちゃんも両方あった。


さっき、走って帰って来たでしょ。

見たんだ、ドベちゃんを。

別棟で、何人もの子達と性交に耽ってた。

14の女の子達もたくさん居たけど、アベルさんに相手にして貰って嬉しそうだった。

ドベちゃん前から女の子ぽかったし、アベルさんに憧れてたみたいだけど…恋すると変わるのかな。

なんだか、怖くなって逃げちゃった…」


「…ね、私の裸も見せてあげる。

私達、まだ子供でしょう?

でもね、04の子達はもう男の人を受け入れる準備が出来てるの。

14の子達はわからないけど、グループ毎に役割があるってDDTに聞いたわ。

04はね、きっとそういう風にできている。

03の子はきっと男の人と女の人、両方から愛される様に出来てると思うわ。

ドベちゃんは身体を愛されてたのかな。

シーちゃんは皆から心を愛されてる。

だから、シーちゃんは両方でもどっちでも良いの。だってシーちゃんはシーちゃん、今までと何も変わらない、私は貴方が好きよ」

「う…うう…うえぇぇぇん」



朝、二人で食堂へ行くと、何事もなかったかの様にドベちゃんが居た。

いや、正確には、今まで無かったような柔やかな表情で14グループの子達と食事していた。

14はその集まりの他に少人数の集まりがあって、グループ内で分裂してるように見えた。

昨晩の件は、見間違いじゃ無かったんだろう。


ふと、ドベちゃんと目が合った。

嫌な笑顔で、目を逸らされた。


…なんか、解っちゃった。

僕はドベちゃんと近すぎたんだ。

ずっと一緒だったから、彼女と自分は同じみたいに考えてた。


僕とあの子は違う。


僕が居なくなると、ドベちゃんは辛いと思ってた。

僕はドベちゃんとずっと一緒に居たいから。

けれど、もしかしたらドベちゃんは、僕が居なくなっても苦しいどころか、喜ぶかも知れない。

だって、ドベちゃんは僕のいないところで、僕の知らないことを体験することで、僕より上に行ったと思ったみたいだもの…


ピャーちゃんや他の03の子達と同じ、みんないつか居なくなっちゃう。

僕やドベちゃんも、もしかしたら。


僕は…それでも僕じゃない誰かが居なくなるのは、やっぱり辛いなあ。

ドベちゃんには嫌われちゃったかも知れないけど、それでも僕は彼女のこと好きでい続けたい。

もちろん隣に座ってくれた、ユリアも。



「ドベちゃん、元気そうね。良かった。

14の子達も一緒に居るし、悪いことが起きた訳じゃ無いのかしら」

「ごめんね、大騒ぎして。

僕の勘違いだったかも、アハハ」

「シーちゃん、ダメよ。私は謝られることなんてされてない。

こういうときは『ありがとう』って言ってくれると嬉しいよ」

「…うん、そうだね。昨晩から謝ってばっかりだったかも。

いつもありがとうユリア、大好き」

「やーん、シーちゃん可愛いー!

やっぱり昨日、勢いで押し倒しちゃうべきだったわ!」

「やーだよーだ!

僕こう見えても逃げ足はイチバンだもんねー!こちょこちょー!」

「きゃーくすぐったーい」



「…相変わらずイチャイチャしてるわね、朝から元気な事で」

「そこのダリヤんトコにも、金髪チビ増えたじゃない。

あいつら今日朝帰りでしょ、何やってんだか」

「しかも決まって変な匂いを染みつかせて戻って来るのよね。

あれ、リザからも注意してあげたら?」

「嫌よ、なんでダリヤなんかの為に何かしてあげなきゃ…あ、良いこと思いついた」

「悪いことでしょ?」

「うっさいわね、ちょっと他の子達をけしかけるだけよ」

「ほーら、リザ悪い子ねー」

「何言ってんの、アンタも動くのよ」

「えー面倒い、パス」

「そう、じゃこないだメドベージェフにラブレター手渡ししてたの、皆にバラしていいわね。

 せっかく向こうにも廻ろうと思ったのに」

「げ、なななんで知ってるのよ?!

…ヒミツだからね、ドラクルとかグリゴリに見つかると五月蝿いんだから」

「はいはい、そんじゃ行くわよ」




アベルのやつ、手を出すの早かったな。

しかもソレ用の04でなく、副官候補の14か。

とはいえ候補検体の大半は新型農奴行きだ、好きにするといいさ。

おいたが過ぎれば、食堂行きだがな。

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