表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
War Ensemble/ウォー・アンサンブル ~戦争合奏曲  作者: 改案堂
第二章 Divine Intervention/神の干渉
54/144

054 tr04, time waits for no one/時は何人も待たず

ーーーーーーーーーー

【AD:2112年, 革命新暦:190年、春】


10才の誕生日。

先月、ビャーちゃんは突然お股から血を流して、報せで駆けつけたDDT達に処置室へ連れ去られた。

こっそり後を付けたら、初潮が、とか、失敗だ、とか、色々騒いでたのが聞こえちゃった。

どういう意味だろう、僕ら男の子じゃないの?

確かに最近、ちょっとだけ胸にしこりがあって痛いけど…

でもちゃんと付いてるし…

うーん、なんでだろ。


それより、今日は誕生日パーティの後にお引っ越し!

今晩から他のグループの子達と同じ建物で生活するんだって。

ビャーちゃんは残念だけど連れ去られてから戻れた子は居ないもの、仕方ないよ。

他のグループの子達はいっぱい遊んでくれるかなぁ、楽しみ。

ここはもうドベちゃんと僕しかいない、寂しくなっちゃったからね。

あ、でもデザートは分けてあげないよ。




今日は10才の誕生日です。

5才の誕生日会は、白衣の不思議なおじいさんから「キミはこれからリプニツカヤちゃんじゃ!」と突然言われ、上手く返事出来なくて怖くて泣いてしまい、愛称でユーリャと呼んでもらったっけ。

以来、私の名前はユーリャ。

結構気に入ってるんですよ。


私は04と呼ばれるグループと一緒に生活しています。

小さかった頃はたくさんの女の子達と暮らしてたのに、今はスエミさんとトゥリナータッチさんと私の3人だけ。

二人は仲良しだけど、私は何かと置いてけぼり。

でもいいの、DDTのロメオさんは優しいし、一人で本を読むのも好きよ。

ロメオさんは素敵な男性で、私のことたくさん褒めてくれるの。

今晩から違う場所に住むって聞いたけど、ロメオさんも居るといいな。




「よく集まってくれた同志よ、私はこの施設の責任者マリアベル・アレキサンドロヴナ・ウリヤノフだ。

気軽に所長とでも呼んでくれ。

残念ながら多忙で、常に居るとは限らないがな。


さて諸君、君らは無事10才の誕生日を迎え、この中間訓練所に至ることが出来た。

君らはいづれ更に選抜され、特別な任務に就いてもらう。

それまでに皆存分に切磋琢磨し、祖国の為に尽くして欲しい。

以上だ」




綺麗なお姉さんだ、眉間のしわと真っ赤な唇はおっかないけど。

前に図鑑で見た軍人さんみたいな格好で、大きな胸には溢れそうなくらいたくさんバッヂが付いてた。

ひとつもらえないかな。

あ、所長さんの後ろにおじいちゃん博士とおばあちゃん博士も居た!

ちっちゃく手を振ってみよ、あ、気がついた。

嬉しいな、またアメちゃんくれるかな。


他の軍人さん?もたくさん居たけど、僕ら子どももいっぱいだ。

全部で50人くらい?

大きい子と小さい子は少ないけど、中くらいの子は多いかな。


ここは講堂だから、これから移動して自分たちの部屋に行くんだって。

それぞれのグループは似た背格好だね…おっと、隣の女の子が他の子に足引っ掛けられて転んじゃった。

みんな避けて…足引っ掛けた子なんてクスクス笑ってる、何かやな感じ。

転んだ女の子が可哀相だから助けてあーげよ。

「大丈夫?ぶつけて痛いところはない?」

「あっ、あありがとう…あの、えっと……ううん、大丈夫。

ちょっと立ちくらみしたみたい」

「良かった、僕は03のシティア。

困ったことがあったら、相談にのるよ」

「う、うん…私はユーリャ、04なの」

「そっか、じゃあお隣さんかな?これからよろしくねー」

「は、はい。あっ、みんな行っちゃう、またね!」

「はいよー、おやすみー」

手足も長いしすごくキレイなのに、元気なかったな。

お腹空いてたのかな?



もう、こんな時までいじわるなんだから…。

でもシティアちゃんか、ちっちゃくて可愛くて親切な子が近くにいて嬉しかった。

男の子か女の子か判らない不思議な子だったけど、仲良くなれると嬉しいな。

私、かわいいの大好き。


新しく割り当てられた先は、狭いけれど専用の独り部屋。

今までは大きくて皆と一緒の部屋だったから、ずっと図書室に籠もってたの。

他の人の居ない部屋で試したいこともあったから、ちょうど良かった。

ウフフ。




「ユリアおっはよー、隣いい?」

「は、はいっ。…一昨日はありがとうございます。

 ユーリャですよ」

「ユリアこそ大丈夫だった?部屋で突かれてないかなーって」

「いえ、私たちのグループは個室みたいで、特には…

シティアさんの処は違いましたか?」

「うん、うちはドベちゃん、もう一人と相部屋。

今までと変わんないから、気楽でいーよ」

「グループ毎に違うんでしょうか…それより昨日は大変でしたね」

「ねー、数字で名前付けるもんだから重複してさ」

「04のスエミさんは7、トゥリナータッチさんは13だけど、大丈夫だったみたいです」

「うちのドベちゃん12だけど、こっちも平気。

10グループや14グループは大変だったみたいねー」

「それより、シティアさんこんなにたくさん食べるんですか?

あすこの大きい人並みじゃ…」

「むしろユリアこそこんな少しで大丈夫?

大きくなれないよ、てゆうか座る位置近すぎないかい」

「え、くっついてた方が暖かくて良くありません?」

「そんならくすぐっちゃうぞ!ほれほれーっ」

「きゃーくすぐったいですー」



「…なにもうイチャついてんのあいつら、早すぎない?」

「それよりウチらの14グループ、一番多くない?天下取れちゃう?」

「なに言ってんのアンタ…直ぐにふるい落とされて、生き残るのはどうせ独りだけよ」

「もしかしたら全体で14人になるかもでしょ?

実際もう単独になったグループも幾つかあるみたいだし、そういうの蹴落とせばイケるんじゃない?キャハッ」

「…まあ、好きにしなよ。アタシは参加しない」

「もーリザったら付き合い悪いんだからー。

じゃあアタシ達だけで独占しちゃおっかー!」

「「「おー!」」」

「どこからヤっちゃう?」

「そーねぇ…あいつどう?あの、でっかいハゲの隣の。

なんか弱そうだし」

「いーねぇ、アタシら10人で囲っちゃえば軽いっしょー!」



「あすこの連中、なんか面白そーな相談してるッキャね」

「俺らもいっちょヤっちゃう?」

「ヤっちゃうーッキャ!」

「なんだよそのキャって。エテかよ」

「あのデカ女、気ぃ弱そうじゃね?

サルみてーにキャッキャ言ったらビビんねーかと思ってwww」

「へっ、趣味わりーな。でもま、手頃だな。

あのデカ女いびってやろーぜ!」

「なにお前リーダーぶってんだよ、ボスザルか!」

「あー俺がここの施設全体のボスにのし上がってやんぜ!

そんで所長オトすwww」

「チョーシのってんなーwww

そんならさっさとメシ終わらせて、サクっと行こーぜ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ