052 tr02, incomplete/未完成
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【AD:2102年, 革命新暦:182年】
「きょうはー、このクラスみーんなの2才のおたんじょうびかいでーす!
いーっぱいあそんで、いーっぱいごはんたべて、おひるねして、よいこにしましょーねー」
「「「はーい!」」」
ごはんいっぱいうれしーなー
おさんぽいきたいなー
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アーくんのクラスのおともだち、すくないの。
前はつくえいっぱいにみんないたのに、きょうの5才のおたんじょうびかいはつくえひとつ。
なんかしょちしつ?行くとかえってこないんだ。
でもドベちゃんやピャーちゃんはいるから、またみんなでえんそくいきたいなー。
おべんとおいしかったもんね、えへへ。
おたんじょうびのごはん、おいしかった!
たべたらみんなおひるねのじかん。
アーくん、こっそり出てつまみぐいしにいこっと。
でーでーてーに見つかるとしかられるから、こっそりこっそり。
あれ、ろうかに誰かいる、なにかおはなしかな?
あそこじゃないとチュウボーに行けないから、こっそりきいちゃえ。
「…03グループはめんこいのう、ばあさんや。
小人種は特に愛らしい」
「そう造りましたからね、おじいさん。
01のヴォルケインなんて、名前の通り噴火したかと思いましたよ。
初めてはやっぱり難しいものね」
「言い得て妙な名じゃろ?
それに比べて02はアベルなんて、まんまひねりもないわい」
「そこはマリアベルのリクエストですもの、仕方ありませんよ。
他の子達は名付けしませんの?」
「冗談じゃろ、03から14までそれぞれ何十人、全部で何百人生まれたと思っとるんじゃ。
発現不全で大方弾かれたとは言え、まだまだ多いわい」
「最初の農奴集めで予定人数を大幅超過して収容出来たから、研究員達も張り切って下処理しちゃったんだもの、仕方ないわ。
けれどおかげで、同一グループ内でも多型を振ってデータ収集出来るから善し悪しね」
「じゃが最終的に転送するのは、各グループ1名じゃろ?」
「そうね、成長期を過ぎたら選抜になるかしら」
「じゃったら、ワシの研究成果もその頃に間に合わせねばな」
「あら、おじいさんの処もサンプルが多くてホクホクしてるって聞きましたよ?」
「予定より転移も転生も多く見つかったからの。
ヤツら自分らの常識を声高に主張するくせに、ちぃーと脅せばコロッと協力するから楽だわい。
なんじゃ人権って。人間が平等な訳ないじゃろが」
「(あらあらおじいさん、可愛いお顔が覗いてますよ)」
「(ほんとじゃ、チト相手してやろうかの)
シーッ、どうしたこんな所に?
職員に見つかったら叱られるぞ?」
「(もじもじ)アーくん、ねれなかったの…」
「おー、めんこいのう!
こっちおいで、アメちゃんあげような」
「ホント?!ありがとー!」
「しっ、静かにな。
お前さん、名前はなんと言うんじゃ?」
「僕、一番目だからアジンちゃんだって」
「味気ないのう…そうじゃ、お前さんは今からスリャチェズィータと名乗りなさい。
泣かない子、ってな意味じゃ」
「す、スィチヤータ?」
「ほほほ、やっぱり私のデザインした子達は可愛いわね」
「(しっ、ばあさんや迂闊に漏らすでない)
そうじゃな、云いにくかったら思い切ってもっと縮めてシティアなんてどうじや?」
「うん!いみはアメみたいに甘い、でしょ?」
「ワハハ、子供は自由じゃな!
そう、キミはシティア、甘ーいアメで皆を蕩けさせてしまうんじゃ」
「わかったー!
おじいちゃんハカセとおばあちゃんハカセありがとー!」
「おやおや、来たのと違う方向に走り去ったのう」
「おじいさんたら大サービスね、名前付けないなんて云った傍から」
「いいんじゃよ、デザインの子達はあのくらい逞しくないとな。
なんとなくじゃが、あの子は最後まで残りそうな気もするしの」
「…ああ、やってもうたわ…
結局全棟で名づけするハメになったわい」
「だから言ったでしょう、それに名前を付けても生き残るとは限らないんですよ」
「だって可愛かったんじゃもの、仕方あるまい」
「それはそうね、あの子たちの行く末を見守りましょう
アメなめきるまでヒミツきちにかくれて、ちゃんとチュウボーでおつまみしたよ?オニクオイシイ!
…でーでーてーに見つかってうんとしかられたけど。
あとおじいちゃんハカセにシティアって名前つけてもらったって言ったら、すごくおどろいてた。
なんでだろ?
*補足:でーでーて=DDT(Domestic Donation Trainer) 検体保護者の意、保育士相当で親代わりの職員の名称。




