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War Ensemble/ウォー・アンサンブル ~戦争合奏曲  作者: 改案堂
第一章 War ensemble/ウォー・アンサンブル
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030 bonus05, crazy train/暴走機関車

人との関わりは、思っていたより複雑なようです。



ケインさんと一緒に寝たがった事は、ランディお兄様に注意されてしまいました。

「嫁入り前の若い女性が、無暗に男性とベッドを共にするものではありません」

カーマインお兄様やタミーお姉様達はいつも一緒に寝てくれたのに。

「それは貴女を小さいころから知っている、大切な家族だからです。

 彼はまだ家族ではないでしょう?

 彼の事をもっとよく知って、一緒に過ごす時間をお互い増やしたいと言葉を交わしてから一緒に寝なさい。

 彼のようなタイプは、あまり押すと逃げますよ」

確かに、他の家族程の長い時間は一緒に居ませんが…


しばしのお別れをする時も近いので、納得はできませんがアドバイスを受け入れることにしました。

シティアさんからも、馬車でお話をして頂きました。

「まー焦る事ぁないさ。

 アイツ案外義理堅いみたいだし、云ったことは守るだろ。

 それよか今のままじゃ子供、良くて妹扱いだぜ?

 4年だっけ、帰ってくるまでにゃイイ女になっとけよ?カッカッカ

 それにまだ例の件、取り消しになってないらしいぜ」


そうでした、進学後にお父様から相談されたお話し。

王家との婚姻です。

高等学園に在籍しタミーお姉様やボブお兄様と同学年のため、同じ学校に進学した私に縁談を持ち掛けられました。

…お姉様・お兄様と懇意の方だったので会ってお話をする機会は何度かありました。

お人柄は素晴らしいのですが、あまりピンとくる方でもありません。

むしろ仲良くしているタミーお姉様の方が良いのでは?とは思いましたが、そこは匙加減があるようです。

謹んで辞退したつもりなのですが、先方はまだ諦めていないようで…


「ただな、ルー含めうちらの様子を見たいとフィルが言っててな。

 ザグレヴで外出の際にはちょっと声掛けてくれや。

 他の連中も興味津々だったから、これでダメってなるとパーティがちょっとした騒ぎになるぜ?」

フィリプ・ケーニヒ・オズボーン・フォン・フルヴァツカ、フルヴァツカ王国の国王その人です。

何度かお会いしたことはありますが、優しいおじ様と記憶しています。

「それと判らない形なら、私も認知できませんからね」

「へっ、お前さんも言うようになったなぁ。

 ま、悪いようにはしないさ」



リューリクのお祖父様、お祖母様にお会いしに行った日は遠慮してもらいましたが、市場に行く場所と時間はシティアさんに伝え、パーティには支障の出ないようお願いしました。

ちょっとした騒動にはなりましたが、大きな事件にはならなくてホっとしています。


パーティの翌日は国王陛下に謁見の要請があり、お父様と共に出席しました。

ご子息のケリー様との縁談は取り下げではないものの、いったん保留とご回答を頂きました。

ケリー様もこれから学園に移動するとのことで、付かず離れずの同行です。

急いで移動しなければなりませんが、少なくとも道中の安全は確保できそうです。



心配事も少しずつ減ってゆき、安心して学園生活を送れそうです。



――――――――――



全く、冷や汗かいたぜ。

暴走気味のルーを抑え、フィル坊も説得して、そのうえでドラクルやアベルの動向まで調査継続と来た。

ケインをうまく抱き込んでルーも落ち着いたようだし、フィル坊もわざわざお忍びで市場まで行って子供らをけしかけて反応を見たら溜飲も下りたようだし、あとはユリアに連絡か。



ドラクルはさすがにイストリア潜伏は危険と判断したようで、リュブリナ近郊へ移動してアベルの回復に専念しているようだ。

回復が早いと云っても、脱臼を伴うほどの裂傷・骨折は常人であれば数ヶ月は逗留が必要の筈。

ましてや左右とも数本の指を失くして、まともに自力で生活はできない。

包帯の交換を遠目で確認した限り、指の形状は最初の傷口から伸びていたが…


同期の工作員の中では、アイツとケインの二人がツートップで運動神経は良かった。

同じ指導員にはついていなかったから詳しくは知らないが、他にも相手を暗示にかけやすい瞳やしぐさなど、精神に作用する遺伝型式と技術を身に付けていたはずだ。

以前のケインはアベルと対の扱いで同じ指導員についていたな。

アベルに輪をかけて異常なほどフィジカルは強かった。

デカくて無口だったけど。

あの二人が揃うと元の計画通りに任務達成される可能性はグンと高くなる。

今のところその可能性は高くなさそうだが、どうもアベルを手にかけた事を潜在意識的に拒否してるようで思い出そうとしない。

場合によってはジョーカーになりかねないな、気を付けないと。



さあ、ウィーンで一通り報告と指針決めを済ませて、直ぐにでも監視を継続させるために戻るか。

組木通信や手紙じゃ情報漏洩の恐れがあるし、ドラクル自身はボンクラでも部下は優秀なのもいるからな。

石板も重いし使用制限厳しいし、案外使い勝手悪いんだ。


石板と云えば、こっちの組織に賛同してくれた工作員の連中はどうしてるかね。

一人は石板の通信が届く範囲だけど、もう一人は通信の届かない地域まで行ってるようだ。

緊急連絡もないようだし、向こうは向こうで順調なのかね。

はー、トシとると心配事ばっかりだよ。

旅してた頃が懐かしい、帝国立ち上げの手伝いなんかまーるで割に合わないよ全く。

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