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War Ensemble/ウォー・アンサンブル ~戦争合奏曲  作者: 改案堂
第三章 Diabolous in Musica/音楽に潜む悪魔
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――――――――――



ひいじいちゃん、父さん、母さんへ



娘のアンゲラです。

文字は書けないので、代筆してもらいました(ケイン註:口頭の言葉を添削し、文章にしています)


ごめんなさい、私は狭い集落の生活をこれ以上続けられません。

小さいころからの夢だった『アンゲラの大冒険』よりもっと大きな冒険をして、世界一の女になりたい。

だから、これから広い世界に出ます。


島から離れ山の中でオオカミに襲われそうなところを、ケインさんという不思議な人に助けられました。

ハゲだけど、一緒に旅をしてくれるそうです。

だから、きっと心配いりません。


イェンスを押し付けたひいじいちゃん、大人の事情でシュレーダーと取引したのは別にいいです。

裏でこっそりしないで、ひとことぐらい言って欲しかった。

それだけが、私の心残りです。


いつ帰るか分からないけれど、きっと集落へ行きます。

わがままな娘をお許しください、そして丈夫な体に産んでくれてありがとう、お母さん。


それじゃあ、行ってきます。



アンゲラより



――――――――――



迷子の黒ヤギさんへ


ケインさんはそろそろ夏を迎えるころでしょうか、私は学校の試験も終わり、お友達と皆でお出かけするための準備です。

ちょっと自慢して良いでしょうか?なんと!もう高等学院を卒業しちゃいました!

1学年飛び級の制度を使うつもりが、講師の方々の推薦で卒業できちゃいました。

ヴィクターさん曰く

「ただ授業の成績が良いだけではダメだ。

 そこには独創性や探求心が認められなければならない」

だそうですが、要するにあのお別れ会のメンバーで理論を進めたいんでしょうね。


ですから、9月の新学期からは学究院の研究科学生兼ヴィクターさんの助手として学校へ通う予定です。

ケインさんの提唱した魔術理論を基礎に学会で改革をもたらせる、って他の講師の方々も息巻いていて、ちょっとした混乱状態が続いてます。


まだ学生の身分ですし、準備を口実に今年の夏はちょっと息抜きでみんなと旅行へ行きます。

転生者たちの集落がアッペンニーニ…イタリア半島周辺にあるのは覚えていますか?

そちら出身の江戸さんと一緒に、何人かで転生・転移者の方々と会ったり、たくさんお買い物して来ます!

彼らは独特な文化を維持していて、私の地元イストリアからも近いのに知らない事ばかりで今から楽しみです。



不審者の目撃は相変わらずですが、更に「救世主の会」という新たな宗派が勢力を拡大していると聞きました。

この宗派は派手に宣伝しているものの実態がよく分らず、皆困惑している様です。

こちらも、分かり次第知らせますね。



それと北欧の留学生ですが、アルフ、アルフレティア・メイヤーラッケンさんがバルト帝国、スヴェン、スヴェンスカ・フィッシャさんがスヴェリア王国の出身でした。

アルフさんはスヴェンスカ王国で大きく商いをしているメイヤーラッケン商会のご令嬢で、オズモシス商会と縁が深いみたい。

スヴェンさんはオスロ方面の地方出身って言ってたかな?あまりご自分の事は話したがらないので、よくわかりません。


アルフさんは今年も地元に戻るって言っていたので、上手く時間が合えば会えるかも知れませんね。

ケリーさん経由でオズモシス商会からメイヤーラッケンへ連絡する様、お願いしてみます。


それから今年の夏のコスメは…

………

……


少しだけ元気になった白ヤギさんより



――――――――――



充実した毎日の白やぎさんへ



前回の手紙ではイエテボリのボーフスで座学していた頃かな。

その後北のフィヨルドにある巨人の集落へ行ったけれど、オオカミ退治をタダ働きしただけで村にも入れてもらえなかった。

話だけは聞けたので、もう次へ向かうことにしました。

これから陸路でストックホルムへ行き、海路でサンクトペテルブルクへ移動します。


ルーはもう試験も終わり、イタリアでバカンスを楽しんでる頃だろうか。

友達との旅行は、今くらいの年齢が一番楽しいと思う。

ほんの僅かなことでも一生の思い出になるから、力いっぱい楽しんでおいで。

お友達やお祖父さん、お祖母さんにも宜しく伝えてください。


タロもジロも元気です。

巨人集落の近くでオオカミの群れと同行する機会があり、皆よく混じって楽しんでました。

北の方では魔力を蓄積した大きなオオカミは『スコル』と呼んで、特に畏れ敬っているみたい。

群れのスコルと良い仲になっていたけれど、結局オレの旅に付き合ってくれるみたいで、居残りはしなかった。


そういえば、その巨人の集落近くで家出した巨人の娘さんを拾いました。

『アンゲラの大冒険』みたいに世界を股にかけて大活躍だ!と息巻いていたので、在らぬ方へ飛んでいかない程度には世間を教えないと、ちょっと危なっかしい。

世間知らずのお子ちゃまだけど、根性だけは有るのでしばらくは面倒を見るつもりです。


救世主教団は気になる。

詳しくはシティアに聞いてほしいが、もしかしたらアベルという人物が関係していそうで胸騒ぎがする。


さて、ユリアさんがスヴェリエ王国の関係者と判ったので、ストックホルムへ入ったらそちらへ行きます。

メイヤーラッケン商会も、店舗を探してみて挨拶がてら顔を出そうかな。


暑い日が続くので、ルーも体調を崩さないよう気を付けて下さい。



では、また。



久々に長距離動いて満足な黒ヤギより


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