月にでも行きたい
暑すぎる家をサンダルつっかけて、飛び出た23時過ぎ
吹かしたタバコの先に、もやった三日月があったんだ
俺もあそこまで行けたら 何でも受け入れられるのかな
そんな訳もなくてしゃがみ込んだ先に停まる
高級外車を見て舌打ちをする
火をつけた二本目は力なく道端に落ちて
こんな自分が好きになれなくて
こんな言いまわされた世界が好きになれなくて
また上を向いて火をつけた
何度見ても月が羨ましくて 思いっ切り吹かしてみても
月になんて届く訳なくて 力なく道路見つめて
高級外車でも睨みつけてたら ナンバーが俗っぽくて どうでもよくなった
ただただ熱くなる季節ばかりが 気持ちと綺麗に反比例して
どうにもならないことを受け入れるばかりの生活に飽き飽きして
敷かれたレールばっかり走っていた自分を憎んでも
苦しくなる呼吸と もっと熱くなる体温が 不協和音を奏でても
止まれる訳もなくて 前しか見ることが出来なくて
失ったものを数えるのも どうでもよくなって
今 手元にあるものしか見れなくたって
力が抜けていく私に誰か 強めのアルコールを注文して
あの踊子みたいに 身を任せて 空高く あの月まで
当たり前な恋愛を欲する彼女と、刺激にみちた生活を送りたい彼氏
相反するふたりは、どうでもよくなる夜を、同じ月の下で過ごしていることに気が付きません。