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第十四話 スキルックの鏡



 デガンダが操る荷馬車に乗って、2アザン程で広く大きな門構えの屋敷に到着した。

 デガンダは一旦荷馬車を折り、門衛の前で片膝を着き、デガンダが用向きを伝えている。


「西地区エクレット治療院で薬師をしおりますデガンダでございます。

 元ログル冒険者飛燕格、同席せしはセキュア筆頭、元ログル冒険者大鷲印可にして、治療院院長エクレットが御領主様への請願の為、清廉許可を頂きたく、参じました。

 マルディゴート騎士団長への取次ぎを願いたい」


「元ログル冒険者大鷲印可エクレット用向きは何か?」

 デガンダの横で、右手を左胸に当てて立つエクレットが答える。


「怪我を負い当治療院へと運び込まれた者共が、なにやら2頭の奴隷である事が疑われ、盗難・逃亡・廃棄の者共であろうとも、主人が如何なる御仁であろうか不明であり、一旦御領主様へご返却致さねば成らじと領民の責を果たさんと参上いたしました、アルサトネの御来光等しく、ご詮議の程」


「身辺詮議の心得承知した、申告せよ」

「申告いたすは、エクレット以下セキュア2名、飛燕印可呪い師デガンダ、同じく飛燕印可シュクレ、加えて今回の奴隷を保護し平民1名 東方地区細工職人カンドでございます。

 検分いただくは不浄奴隷2頭でございます」


「これより引き起こされる責への異は、如何なる理由も認めぬが、良いか?」

「はい、承知しております、なにとぞお取次ぎを」

 門衛が後方に控える騎士見習いに手をり、屋敷へと走らせた。


「左翼からガノールの議場へ進み、静謐に待て」

「御配慮、感謝いたします」

エクレットが頭を真っ直ぐに上げ、門衛にニコリと笑いかける横でデガンダが立ち上がり膝を払う。




 すると先程までのやり取りがウソのように、門衛の態度が一遍した。

「ったく姐御、使いの一発でも寄越してくれりゃ、シャルフェドの息吹で済ませたってーのに、いきなり来りゃ驚くぜ」

「ここまで走らせる小坊主共がいなかったんだよ、けど、ゲレンが歩哨で助かったよ、旦那いるんだろ」

「ええ、なぜか兄貴と朝から話し込んでるみたいでしてね、領主んとこからメイドが一人来たんでね、もしかして姐御が来ることと関係あったんかね?」

「んーそっか、だとしたらそうかもね、ベルガランドだけでも居てくれりゃ御の字だと思ってたんだが、エロールの左手はいくらでも欲しいとこだからな」と、エクレットが少し考える素振りだ。


「オジキもシュクレ姐も、変わり無さそうで何よりだ」

「オウ」

「あなたは少し箔が付いたわ」ニッ

「じゃ、入らせて貰おう」


「シュタップッ」とデガンダが鞭を入れ、荷馬車が門を潜り左に進んで行く。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 程なく巨大な角を持つ牛、土の神ガノールの彫像が見えてくる。

 議場門の脇に荷馬車を止め、全員が降り、議場内に向かった。



 ボクは初めて目にする物ばかりだけど、キョロキョロすると、要らない詮議を受けそうな予感がして、目の端に留めるばかりで、俯きながら入っていった。


 中は玉砂利が敷かれた屋外議場だった、エクレット達3人を前にボクと姉妹は2歩程後ろに控え立ったまま待っている。

 ”静謐に待て”と言われるまでも無く、言葉も出せずにいるよ。

 身動きもできず、さっきから汗が止まらない。



3アザン程待っていると、前方の扉が開き、剣と杓丈を持った2人の騎士と、青い腰丈程のマントの騎士と、膝上丈辺りまでの赤いマントを着た立派な騎士が2人入ってきた。

 上級騎士とか言う方々なのだろうか。

 扉脇に槍を抱えた騎士が2人立ち、こちらを見ている。




「ログルの元冒険者、大鷲のエクレット、領主への誓願ありと聞いておるが、相違ないか?」


 エクレットが右手を左胸にあて、少し腰をかがめて、口上を述べる、その間ボクは終止顔を伏せて待つ。


「はい、この度、正体不明の2頭の奴隷と思えし雌型が当治療院へ迷いし也。

 盗難・逃亡・廃棄の者共であれ、動けし者共なれば、財成らんとするやも知れず、御領主様へ届出いたすこと領民の責と心得、ご詮議の必や在らんとまかり越しました次第でございます」

「出しませい」


 シュクレとデガンダが姉妹二人を、騎士の前に連れ出した。


「この2頭は如何に」

「ハッ、ここに控し平民カンドが、ブレバイラス森林の西端にて拾い出して来た様子」

「平民カンド、申しませい」



 名前を呼ばれても、足が動かない、頭がグワングワンしている、騎士様の睨みが恐ろしくて、竦んでしまい声も出ない。


 ズダン!大きな音が響き渡り、ヒッと首を竦めてしまう。

「申しませい」再度促されても、息ができない。



ハフハフハフと息を吸い吸い、やっとの思いで声をだした。


「カカカカカカカド、カド、カンドでございます・・・・・・・

 そそそっそそこ、そこ、そこのぉ、女の子達が、森、森、森の中、中、中でエッエッッエッギラ、エギラの蔦での、蔦の、リリリリッリグルダダダダッチ、ダッチのつつつ、蔦籠にいれ、いれ、入れられたまま、気を失ってるるるるのを・・・・・・見つけまして・・・ハァハァハァ・・・


 ウグ・・・血が流れて、怪我をしているようでした、ケモケモケモモ獣が寄ってくるかもしれないと、その子達をかご、籠かかから出して、一目散に立ち去りました。


 ハフハフハフ・・・・・・どうしていいものやら分からず、ダチュラの近くに、ちちちちちりょ、医者がいると聞いていたので、つれて行きました」


「連れ出した経緯では、要領を得ん」

「何分騎士様との縁浅き平民なれば、お耳苦しき事甚だしきことにて、ご多忙御身の御手を煩わせること本意にあらず、己にて代弁致す不調法お許し頂き等存じます」

「許す」


「ご配慮感謝いたします、この者平民カンドはログル東区にて細工物を手がける者で、隣村へ仕入れに向かう途中、道程を縮める算段を図り、ブレバイラスの森林の西端を横切ろうと森に分け入ったとのこと。

 時同じくして、奴隷を入れた籠の運び手もまた、森林を進んでいた様子、途中ににて、籠の運び手の追っ手と思わしき者共が迫り、争いし物音を聞くに及びカンドは、争いに加担する気も無く身を隠しておったとのこと。

 獣の咆哮と大きな金属音が幾たびも鳴り静かになったころには、血溜りと蔦籠しかなく、死体もそれ以外の破損素材も武具類も無かったとのこと、推測を交えずに知りえた事柄のご説明は以上でございます」


「森林内のどの辺りか」

「聞き及びます状況からの推察となりますが、トートスの巨岩付近と思われます。

 何分、平民には森林地帯の名も知らぬものが多く、移動してきた方向と距離からの推察でございます」

「カンドよ、申せ」

「トートスのチョガン、巨岩かどうか、分かりません、け、けど、大きな岩のある広場になっている辺りです、そこには不思議と凶暴な、ケケケ、ケモ、獣が寄ってこない場所なのです、も、森を抜ける時の休み処にしています」

「うむ・・・・・・」


「衛兵に届けなんだは、其の方に疾しき事がありと見るが」と、杓丈を持った騎士の杓丈をボクに向けられ、膝から崩れ落ちた。


「考え浅く、怪我人しか目に入って居らなかった様子にて」

「賊は見当が付いて居るのか?」

「見当難く、事実のみにてご報告いたせば、リグルダッチの蔦籠と獣のような咆哮、なによりこの奴隷達には、ゼルサスの聖護呪が施されております。

 故に一領民が応ずるに非ずと愚考いたし、聖なる効験を持ち、検分の後、裁定を下さる道を示して頂き、ご助力賜わりたく」


「領主へ仇成す悪しき虜囚との疑惑がある。

 バルチェの貧民なれば尚のこと、たかが奴隷賎獣、請願詮議など領主の御手を煩わせるに検分に値せず。

 領民の責を果たさんとする心構え、殊勝なれど、この場で断首す、心得よ。

 出でませい!」

 議場の後ろから若い騎士見習いだろうか、4人の騎士が駆け寄り、姉妹の左右から右手右肩、左手左肩を拘束したまま、青いマントの騎士様の前に押し出し、跪かせると、直ちに処刑を行うかのようだ。




 何故だ!何が間違った!何故殺されるなきゃならないんだ!待てよ、止めてくれよ。


 騎士の決定に口出しすることなんてできないけど、止めてくれよ。

 ボクは事の成り行きに仰天し、無力な手を握り締めるているだけだ、顔を上げて、あの子達を見る、あの子達にこれから行われ事を気付かせてあげなきゃ。


 決死の覚悟で、あの子達を見ると、姉妹は静かに押え付けられて居ながらに、顔だけを静かな表情上を向き、正面の騎士達を見つめて居る。


 とても静かな表情をしている、泣きもせず怯えもせず、呻きもせずに、どうしてそんなに強いんだ、この子達は。



 剣の騎士が剣を振り上げる、杓丈の騎士の丈の先端にナイフが取り付けられていて、大きく振りかぶっている。

 赤マントの騎士が、姉妹の顔を見つめていると、ハッとしたように両腕を水平に開き。

「待て」と声を掛ける、「納剣」と続けて指示を出した。



「この賎奴共は、異族交雑種なるか!なんたる仕儀、訴えには無いぞ、領主より預かりし騎士領館を穢れと混乱で蔑むのか!」

「己の推察を交えずと申し出ております、御英明なる御領主様の御裁定に委ね頂きたいとの目的を申し述べております、その光明を頂く検分に委ねに参りました。

 何一つ疚しき事無し」



「ムム、申し出に虚偽無しを認む・・・・・・・・・。

 本件ガリディオス条約、種族間共済機構、ムルファス保護条約、並びに王国司法管轄権に則り、領主騎士団にて裁定するに非ずを宣言す」と、青マントの騎士様がおっしゃり、処刑は回避されたようだけど、続けて青いマントの騎士が右手を掲げて「鏡を持て」と言った。


 姉妹を押え付けていた4人の騎士が姉妹を立ち上がらせ、そのまま館の奥に駆け行った。




 マントを着たお二人の騎士様が互いに肯き合い。

「理は承知した、此度の請願はエクレットの申し出に因る物と、スキルックの鏡にて真実を焙る、良いな」


 暫くして、奥から大きな丸い金属の鏡が運び込まれてきた。

「前へ」と剣の騎士が声を掛けると、エクレットが鏡の前に進み出ていくと、濃い青い炎が映る。

続いて僕が進み出ると、蒼い炎が映る、続いてシュクレはエクレット同様の濃い青い炎だった。


 デガンダは少し躊躇う様子でゆっくりと進みでて、橙色の炎が映る、すーと空気が冷めるような気がする。

 剣の騎士がひらりと動いたのか目の前に居ない、赤いマントの騎士が左手を上げた一瞬のうちに何かが起こったのか、デガンダが息を飲む音がやけに大きく聞こえた。


 エクレットの柳眉が逆立ち眉間に大きな皺が刻まれている、シュクレが大きく目を開いていることから、ボク以外皆、何かを見たようだ。



「よい、流せこの後、審議致す」

 誰からの声か分からないけど、何があったのか分からないけど、今は何事もなく良いようだ。



 エクレットが透かさず、姉妹を鏡の前に立たせると、そこには2本の眩しい白い炎が見える、眩しい白い炎って炉の前でも見たことが無い色だ、強烈な高温であることを示す白い炎。


 騎士達もエクレット達も呆気に取られる程の炎が映し出され、皆言葉を失って鏡を見つめている。


 しばらくして咳払いをした青マントの騎士が「破罪の門は開かれた、フォルド子爵領西方騎士団騎士長ベルガランドの名において領館への許可状を下げ渡す。

 害無き賎奴と決了致した、印可を授ける、馬車の天蓋に掲げよ」


 続けて赤いマントの騎士が右手を水平に上げ。

「騎士団長マルディゴートがその仕儀見届けた、先触れを走らせる故、直ちに参るが良い」



「ご詮議の程痛み入ります、エシュレットの加護有らん事を」そう言ってエクレットが片膝を着きミレーセの印を切る。




「まだだ、飛燕印可呪い師デガンダ、其方の盗賊容疑晴れて居らぬ」

「釈明の機会をお与え下さいますよう伏して願います」

「申せ」


「薬問屋サイモンとの、薬草薬価の支払いに於いて行き違いがございました。

 支払い済み薬草薬価が踏み倒しとの被害届が、受理されてしまいましたが、衛視ジョアスにて、店の台帳が確認され、支払い済みであることが認められました。

 届出に至った経緯につきましては、双方偽証無しとの判断、審議官の到着を待ち、検視官が盗難届け無効を処理するまで盗賊容疑が消えて居らぬ様子です」


「ふむ、盗賊届けが出て双方偽証無しとは、奇怪ではあるが、衛視観察では已む無し、審議官検分と検視官の処理待ちとあらば、追って報告を受ける。

 この件、非は無しと誓えるか?」


「もちろんでございます、代金は台帳記載した番頭に手渡して居ります」

「炎輪を持て」

 控えていた騎士見習いが即座に、頭くらいの大きさの炎の塊が浮かんだ、鉄皿の様な物を持ってきて、地面に置いた。


「マグメラの炎輪にて真偽を問う、デガンダ前へ」

 

デガンダが炎の塊の前に歩み寄り、そのまま炎に体当たりしていく。


「!」ボクは息を呑んで見守った。


 炎は燃えたままデガンダの体を素通りしていく、デガンダも焼かれたような様子も無い。


「嫌疑は晴れた、領館への同行を許す」

 横にあったスキルックの鏡には、デガンダの炎は黄緑色に変化していた。


 ドンドンドンとマルディゴートが踵を鳴らす。

「ガノール議場での審議全て終了した」


 許可状が出され、緊迫した様子が一変しボクはふーっと大きく息をついた、すごく緊張した時間だった。





「あったくエクレット嬢、使いの一つでも出さねーか、まったく」

「ゲレンにも言われたけどね、此処まで走らせられる小坊主が居なかったんだよ、朝バタバタしちまってね、モージェスも動いてる様だし」

「こっちにも報告は来てんだが、要領が得んでな、ま、そいつ等見て得心が行った」

「ベルガランド様にマルディゴート様お二人がお立会い下さるなら、気付いてくれると踏んでたんで、マグメラの炎輪で印可貰う積もりだったのよ、スキルックの鏡が来るとはね」


ドバッシャ!!


 振り向くとシュクレが思いっきりデガンダを蹴飛ばしてた。

「あんた何やっってんの!!!」両目一杯に涙が浮かんでいる。

「そうだぜデガンダ、その首すっ飛ばすとこだったぞ、ガノールの議場で橙色身証出すなんざ、団長に庇って貰うつもりだったか?

 信賞必罰のガノール議場でだ、団長権限でも制止できたかどうか分からんのだぞ!

 バニュダンに感謝するんだな」そう言って剣の騎士が凄むんでいる。


「すまねぇジェラルド、ベルガランド様、団長にも迷惑掛けた、すんません」


ゴツッ エクレットの拳骨が腹を打った。


「待て待て待て、詮議は受けただろうが。

 罪は犯してねぇ、ホントだ、行き違いだ。

 もっかい言うとだな、サイモンとこの店に薬草の金を払ったんだが、その後治療院に小僧が直に取立てに来たんだ、金は払ったから、帰れって言って帰したんだが、不満顔で帰っていったよ、そしたら小僧が取り立て出来なかったことを、踏み倒されたとサイモンに言いやがった。


 サイモンが小僧の言うことを真に受けて、踏み倒しされたと言わずに、パクられたって衛視に届けやがったんだ。

 衛視のジョスアが店の被害を台帳確認したら、行き違いだって確認取れたんだが、盗難届で受理されちまったから、盗難の取り消しができてねぇんだ。

 小僧の取立てができなくて踏み倒をされたって証言は、その場では偽証には当たらずとされ、小僧から金を受け取ってねぇサイモンが盗難と、届出だしたってぇのも、その場じゃ偽証には当たらず行き違いだとなってな、審議官がこねぇし。


 店の台帳を持ち出せねぇから、検視官が盗難届け無効を処理するまで盗賊容疑が消えてねぇんだ」




「あんた悪く無いじゃん、スノック(馬鹿)じゃない、被害者じゃん、命取られかけたのよ!」

 ドス、ガス、ドスとシュクレは殴りつける。


「今朝、検視官が無効にしてる筈だったんだ、だから大丈夫かと・・・」

「・・・イヤ虚偽だろう、店に裏取りすりゃぁ済む事を怠り、被害届けだすなんざ、真っ黒じゃなぇか、サイモンと小僧を呼び出して、審議官と検視官も呼び出す必要あるな、わかった、この件は俺が直々に審議してやるよ、それとよ、取立てに来たってことは、期日は過ぎてたのか?」


「ベルガランド様、期日内だった最終日に支払った、過ぎてたらジョスアに引っ立てられてたよ」

「俺も立ち会うぞ」

「マルディゴート団長まで」



「そんだけ、これは大事なんだぞ、俺も首落とすとこだったんだ。

 お役目とはいえ旧友の首落として、後で、間違いでしたって、ああん!!」

 呆れた様子でジェラルドが言い募る。


「エリー!」そう叫んでシュクレはエリスに抱きついた。

「泣かさないでよ、アタシのよ!」

「すまねぇ」




「それじゃ、エクレット嬢急ぎ在れ、荷馬車は此処に置いて行かれるがより、馬車を手配しよう」

「荷馬車じゃ、御門は潜れん、馬車に”破罪の門印可”を掲げて、速やかに参られよ」

「平民カンド、許可状はエクレット嬢の名で出すしか領館には近づけんが、訴えは汝じゃ、費用請求は其方だが良いな」

「はい、もちろんでございます」

「では、馬車は騎士団の物を貸し出す、金貨8枚だ。

 荷馬車は裏の厩舎で預かる、本日中に戻れば大貨3枚ですむ 日を跨げば一夜で金貨1枚追加だ。

 奴隷共はこちらから、領館に移送しておく、あちらでも詮議されるだろう、心配せずとも、拷問はされんよ。

 奴隷を拷問した処で何も得られん、犯罪を犯しておったら、こちらで斬首してしまいだ。

 奴隷移送費は、お役目の内で処理する、其方等は、請願受付の西門へ向かうが良い」






第十四話 スキルックの鏡


さて次回は

子守かねて、サーニャをマリュンチュ樽に入れて背中に担ぎ、

マリュンチュ果実を収穫していく、ブルダック爺さん

酒精の強い果実酒ができるマリュンチュ果実をヤッサホッサと収穫していく

サーニャが樽の中でコロンコロ揺られながら、お昼寝中

ユッサユッサと揺らされて、サーニャに潰されたマリュンチュ果実が

次第に醗酵していくマリンチュ果汁



次回「第十五話 スラグのグラ賽」


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