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異世界行ったら……  作者: 片馳 琉花
第3章 黒の大陸 編
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37.出発!

翌朝早朝まだ陽も登りきらぬ薄暗い中、騎士団の宿舎へ向かうと、そこにはテセウスさんを始め騎士団のみんな、薬師の人達が見送りに来てくれていた。


「本来であれば王都全体で見送ってやりたいところなんだが、この人数で我慢してくれ」


代表してアレックス団長とテセウスさんが前に出てくる。


「必要なものはマジックバッグに詰めて馬と共に厩舎に用意してある。黒の大陸までの旅のルートだが、君たちはとりあえず一旦港町へ向かってくれ。そこに黒の大陸に渡る船が用意してある」

「船?!」


テセウスさんの説明に、そうかそういえば海を渡るんだったと肝心なことを思い出す。

船って……このメンバーで誰か操縦できるのかな?

俺のその視線が意味する意図を汲み取ったのか、テセウスさんが説明を続けた。


「黒の大陸に上陸は出来なくても近くまではある程度海の知識があるものなら行けるからね。船と共に操縦士も待機している。ただやはり一定の距離まで行くと弾かれてしまうからそこからは君たちだけで小型船に移って黒の大陸に上陸してくれ。恐らくそんなに距離はないはずだから」

「港町に着いたらどうやってその船を見つければいいんですか?」


ロバートがそう訪ねると、


「おそらく宿で一泊することになるだろうから宿に行き、『テセウスの遣い』と伝えれば操縦士に伝わるはずだ。そのまま宿で待機していれば会えると思うよ」


と、少しニヤリと不敵な笑みを浮かべていた。

不敵と言うより……イタズラを思いついた顔?

多分何かを企んでいるんだろうけど、きっと悪いことではないだろうなと今までの対応で学んだので、とりあえず何が起こるのかはか楽しみに取っておくことにする。


──シノブ、あれを。


久々に頭に響く闇の鎧の魔石(二ガレオス)の声に弾かれるように、にーちゃんが「あ!そうだ!」とテセウスさんに黒い石を渡す。


「これ、少しづつ僕が闇の魔力を馴染ませた魔石です。これ、身につけててください。向こうで何かあった時、一度だけ声が飛ばせるそうです」

「声が飛ばせる?!」

「はい。もっと僕の魔力があれば良かったんですけど一回が限界みたいで……」


あぁ、この闇の鎧の魔石(二ガレオス)との通信みたいな声か。これが一度だけでも黒の大陸から王都に届くって、にーちゃん相当魔力つぎ込んだんじゃ……


「無事、瘴気を中和したら報告します!待っていてください!」


黒い石を握りしめ、魔石を通して声が届くという衝撃に固まっているテセウスさんに向かい、俺たちは敬礼をした。


「俺たちは、何があっても無事ここに戻ってくることを誓います!」


事前にアレックス団長から聞いていた通り、出発の誓いを四人で声を合わせて誓う。

騎士団の人達は、遠征に行く時こうやって声を出して宣誓してから出発するらしい。

俺たちもそれに倣うことにした。


「無事に還れ!!」


呼応するように、団員たちがそう返事をする。


にーちゃんとエレンの元に団員や薬師の人達が集まり、各々声をかけに行っていた。俺とロバートの元にもヘンリー先生が歩み寄り声をかけてくれる。


「ロバート、ハヤテくん。無事に帰ってきてくれよ。私はここで森の主(スフェーン)を眠らせる薬を改良しておくから。全てが無事に終わったら、緑珠のみんなと祝杯をあげよう」

「せんせー!行ってくるね!」

「薬の件、よろしくお願いします!」

「任せて!師匠(せんせい)と一緒に研究して成果を出すよ」


三人で話しているとテセウスさんも会話に加わる。


「ヘンリーと共に待っているから、黒珠の欠片の件、頼んだよ」

「はい、必ず持ち帰ります!」


黒珠の欠片がないと、黒の大陸の瘴気は収まっても緑珠の宝玉の方の森の主(スフェーン)の暴走は止められないもんな。


しばらくみんなで談笑し、辺りを朝焼けが照らし始めた頃俺たちはみんなに見送られながら厩舎に向かい、各々の馬へと跨った。

……いや、俺は森林竜(シルワドラコ)なんだけど……


「門番にケインがいるはずだ。アイツにも声をかけていってやってくれ」

「わかりました」


バリー副団長にそう声をかけられ、俺は頷く。

そして俺たちは王都を旅立った。


「まずは検問所のケインのとこに向かうか」


そういうエレンの目元を見て、俺はふと気づく。


「エレン、もしかして寝てない?」

「え?!」


明らかな動揺を出しながらエレンは言葉に詰まっている。


「す、すまない。出発前夜だということはわかっていたんだが、どうしても昨日のうちにやらなければならないことがあってな……いやでも心配しないでくれ!一日くらいなんともないさ」


曰く、薬師の仕事をしていれば『二徹三徹日常茶飯事』らしい。

薬師、怖ぇ……


「でも長旅になるかもだし、これからは体調に気をつけてね」


にーちゃんがそう諭すと、エレンは素直に頷く。

その様子を見ながらロバートが笑っているのを俺は見てしまった。

それをこっそりエレンが気づいているのも。

……ロバート、また後でたんこぶ増えるな……






なろうサイトメンテナンスの攻撃!


……上書き間に合わず、最後の方少し消えてしまいリカバリー試みましたが間に合いませんでしたー!

少し中途半端なところで終わってて申し訳ないです……

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