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六話 神都に行く途中でした

かなり早いスピードで走っている者がいた。

音もなく、ただただ風だけが吹いているかのように走る者。


俺だ。


今、神都に向かっている。初めて神都に行くから、どういう所なのか非常に気になる。


でもまだまだ神都は見えない。


神都は父さんも言っていたけど神都アルバレルトと言う。長いから神都って短く呼ぶ人もいる。


神都には強力な冒険者、能力者、騎士、使徒。そして神都最強にして至高の存在。


──神。


世界の創造主にして、神都を造り上げた存在。


神はこの世界に数名いる。


まず一人は神都アルバレルトを造り上げた神、アルバレルト。


俺は名前しか知らないし、性別までは知らない。どんな神なのかも知らない。


あと一人の神しか俺は知らない。名はアリスと言うらしい。


名前からして女性の神だろうか。能力者の原点なる神。能力は不明だが、強力な能力らしい。



俺は静かに走りながら周りを見渡すも、木しかない。

広い所に出たと思えば、滝や川、山ばかり。本当に田舎だなと思った。


「なんか無いかな...」


俺は少し走るペースをあげ、何か面白い展開が無いかなって思いながら走った。


しかし何も起きない。ただ気持ちのいい風が吹いているだけ。


そろそろ喉が乾いてきたので、俺は止まり、バッグから水筒を取り出す。


この水筒は村長から貰った。かなり飲みやすいし気に入っている。


少し休憩をした後に少し昼寝でもしようと考えた、その時だった。


空から何かが飛んでくるのが見えた。


『グラァァァ!!!!!』


バァァァーン!!!!


空から飛んできた〝鳥〟はそのまま地面に落下した。


その鳥は紫な身体をしていた。目も赤い。牙も出ていた。恐らくだが怪人だと思う。


鳥怪人は地面から起き上がり、〝二本足〟で立った。


『人間。良いとこに居たな。今俺はな、ムシャクシャしてんだ。だから、相手になれや』


「あ?」


鳥怪人は俺に話しかけてきたと思えば、キレていると俺に言った。


『だからよ、俺のこのムシャクシャした気持ちを発散させる為に相手になれっていってんだよ?あの野郎。久々に山頂に帰ったと思ったら死んでやがった...!!俺の餌がよ...!!!』


「山頂....?.....あっ」


こいつがムシャクシャしてんの.....俺のせいかもしれない。


山頂に久々に帰ったとか言ってたし、俺もつい先月辺り、山頂に行って怪人と戦った記憶がある。


....なるほど。要は俺が殺した〝餌〟が死んでいたからこうやって人間襲ってんのか。


っ...!!!


村の人達は大丈夫だろうか.....


「おい鳥怪人。お前、村に行ってないだろうな?」


『あ゛あ゛ァ?!村だァ!?そんなん知らねーよ!!とりあえず、くたばんなよな!!』


「大丈夫だったか...」


俺は村の人達が襲われていない事に安心している中、鳥怪人は俺の周りを飛びながら何かを飛ばしてくる。


『なっ!?俺の〝毒針〟が効いていないだと!?』


「毒針?」


さっきから飛んできたのは毒針.....の割には痛くもないし何も感じない。


それだけ俺は強くなったと言うことだろうか。それとも毒針が弱すぎるとか。


どっちにしろ、俺は戦闘態勢に入る。


ダメだな。まだまだ戦闘経験が浅い俺は敵の前だと言うのに油断というか安心してしまった。もし強敵だったらタダじゃすまなかった。まだその癖が治ってない。もっと経験を積まないと。


「いくぞ鳥怪人。精々、死なないようにな!」


『はっ。雑魚がァ!!死ねやぁ!!』


バゴォーン!!


地面がえぐれるほど激しいぶつかりが起きていた。


鳥怪人は戦ってきた他の怪人とは違い、頭のいい戦い方をしてくる。しかし俺も相手の先を読み、攻撃をしていくが、躱される。


鳥怪人は毒針を飛ばす。


その毒針は俺のバックに刺さり、破けた。


「お前、このバッグ母さんに編んでもらったんだぞ...?」


俺はバッグを抑えながら鳥怪人を睨みつけた。


しかし鳥怪人は大空に羽ばたき、毒針を飛ばしながら物凄い速さで鳥怪人は俺との距離を詰めてきた。


鋭い一撃が俺を襲う。


そして俺は遠くへ飛ばされてしまう。


『はぁ...はぁ...はぁ...なかなかやるじゃねーか人間。だがな、まだまだ終わねぇよな──』


俺は鳥怪人より上回る速さで鳥怪人との距離を一瞬にして数センチほどの距離に近づき、そのまま強力な一撃を放つ!


ビシヤァァァアン!!!


鳥怪人の身体は吹き飛び、身体のあちこちがバラバラになっていた。それでも尚、動いていたが、時期に動かなくなった。


「バッグ破きやがってこの野郎....はぁ。...埋めるか」


俺はバラバラになった鳥怪人を地面に埋める。


もしここに通った人がいたらびっくりするだろうからな。


後は«復元»でえぐれた地面を直していく。

バッグも破れていた所を直した。



「ここで昼寝する気になれないな...歩いて行くか」


俺は流石に死体が埋められてる場所で寝れるような人間じゃない。


その場から歩いて離れる。


まだまだ神都までは長い。気長に行こうかな...

いや、それだと入学式始まっちゃうか。


とりあえず今は昼寝をして休もう。


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