五話 村を出ました
書いている途中にブラウザクラッシュして、完成しそうだった文章が全部消されました。二日間やる気出ませんでしたすみません...
てことで、学園編スタートゥ!
俺はあれからも能力«復元»と心を通じ合いながら、力加減の鍛錬をしてきた。
能力«復元»と話し合うのは日常となっていた。どこに行こう?と話しかけると応えるように頭の中に場所が浮かんでくる。
両親とはあれからと言うものの、仲良く暮らしている。
でも学園にはまだ行っていない。理由はまだ両親とは別れたくは無いから。でもそろそろ学園に入学してみようと思っている。そろそろ入学式が始まる時期だ。だからここから出なくては行けない。
学園に入学出来る確率は100%。なんせ能力者達が集まる学園として建てられたのだ。能力者なら誰でも入れる。が、過去に犯罪歴がある能力者は入学できない。問題がここだ。
犯罪歴は特殊な道具で測る。もしここで世界を破滅させてしまった時の、殺してしまった人達の数が計算されてしまうかも知れない。でも«復元»のおかげで誰も死んでいない。だから願うことばかり。
俺は両親に言うことにした。
「二人とも。俺そろそろ学園に通う為に神都に行こうと思う」
「ようやくその時が来たか....」
「悲しくなるわね....」
二人は寂しそうな顔を見せる。
「でも、入学費は無料だったよな」
「うん」
「便利ね。学園って」
「でも授業内容とか難しそうだけどね...後は生活費がどうしても....」
「そこは安心しろ。お前が学園を卒業出来るまで俺達が払ってやる」
「ありがとう父さん、母さん」
「ははっ!で、いつ頃出るんだ?」
「今日かな」
「「今日!?」」
二人は今日出るとは思ってもなかったらしく、驚きを隠せなかったのかもしれない。
「っ...まあ、そういうこともあるか。ちょっと待ってろ。神都までのお金を出すから」
「そんなのいいよ。俺、この日のためにお金貯めたわけだし」
「いや、ここは父さん達に払わせろ。俺達の息子の晴れ舞台となる場所に行くんだ。だから、な?」
「父さん...」
本当にこの二人には助けて貰ってばっかりだな...
「ありがとう。荷物はもう準備してあるんだ。後は出るだけ」
「早いな。それだけ楽しみなのか。よしっ!母さん、財布取ってくれ」
「分かりました」
母さんは立ち上がり、タンスの中から父さんの財布を取り出す。財布は普通で、革で出来ている。
そしてもう一つの財布を取り出す。それは母さんの財布だった。
母さんは財布を父さんに渡す。
父さんは財布の中からお金を出す。大量の銀貨だった。
「ほら。これで生活の足しにはなるだろ?」
「こ、こんなに貰えないよ!」
「良いから」
そう言って大量の銀貨を俺の手元に渡された。
銀貨は価値が高い。
お金の価値は
大金貨→金貨→大銀貨→銀貨→大銅貨→銅貨→小銅貨
と大金貨から銀貨までは価値が高く、大銅貨から小銅貨は一般的に使われている。
小銅貨十枚で銅貨。銀貨十枚で大銀貨。大銀貨十枚で金貨となる。
でもどうしてこんな大量の銀貨を父さんは持っていたんだろうか....
「なんでこんな大量の銀貨を?」
「ん?それはな──俺達が育てた野菜が、この村に来た商人に売ったらかなり売れてな。それでこの金はお前がいつか使う時が来たら渡してやろうと思ってずっと持ってたんだ」
野菜...売れたんだ。それにいつ商人なんて来たんだ....
「レイト。私からも受け取って。母さん、応援してるからね。ちゃんと学園で楽しくやれることを祈ってるわ」
そう言って母さんは更に俺の手元にお金を乗せる。
母さんからも銀貨を貰い、手元は銀貨で埋まってしまう。
でも、母さんの思いは俺に届いた。いや──もうとっくに届いていた。今までの生活は本当に楽しかった。
「今度は立派になったらまた、この村に。この家に戻ってくるよ」
「ああ。それまでずっと待ってるぞ」
「頑張るのよ。レイト」
そう言って父さんと母さんにハグをされる。
「忘れ物はない?服装も大丈夫ね。後、入学式頑張るのよ?」
「大丈夫だって。本当に心配性なんだから」
「だって...」
「大丈夫だ母さん。レイトは俺達の息子なんだ」
「...そうね」
「それじゃ、レイト。改めて──行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃい」
「───行ってきます!」
俺は家を出る。村の人達にも挨拶をし、泣いて見送ってくれた人もいた。
本当に村の人はいい人ばかりだ。そんな村が世界一大好きだ。
俺は神都アルバレルトに向け、ゆっくり歩きながらフツ村を離れた。
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