二話 世界が破滅しました
俺は世界を破滅させてしまった。
そのせいで世界に存在した人間含めた生物達が死んでしまう。俺はこの日、大犯罪を犯してしまった.....
世界を破滅させ、何億人という人達も殺して俺の家族すらも殺してしまった。罪悪感が湧いてくる。どんだんどん罪悪感に押しつぶされそうになる。でも、メンタル強化をしていたおかげか、まだ意識は保てている。
俺は冷静に考えた。その状況をどうにかしようと。
そこで俺はすぐ思いつく。
«復元»
これを使うことでもしかしたら世界を、人を、生物も元通りになるかもしれない。俺は«復元»を使う。
すると見る見るうちに元通りになっていく。人の気配も感じ、動物の気配も感じる。しかし──同時に怪人の気配も感じてしまった。怪人だけ復元させなければ良かったと後悔をしている。でも今からでも怪人を消せる。でもそれだと何かがダメな気がする。だからあえてやらなかった。
大犯罪を犯してしまったのは紛れもない事実。殺してしまった事実からは逃れられない。
でも俺はただ地面を強く蹴っただけなのに世界が破滅してしまう程まで蹴りの威力がある事にビックリしていた。あの空間に居た頃はそんな事は無かった。いや、あったはあった。でも、直ぐに治っていく空間。俺は気にはしていなかった。
でもこうして元の世界に戻ってきたは良いものの....
──俺は少し所か、物凄く強くなってしまった。
それも強く蹴っただけで世界が破滅してしまう程に。一応力加減なども修行をしていた。でもここまでとは思って居なかったから、俺は力加減などを意識しながらこれから生活していかないと必ずやらかす気がする。
.....これは改めて力加減の鍛錬をするべきだと考える。
これで怪人と戦ったりしたら地形がどうなるか.....
とりあえず力加減の方をまず学園より優先させる。無意識に力加減が出来るようになるまでは。
.....あの空間でまた修行したいな....
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【神都】
レイトが世界を破滅させてしまう直前の神都の様子。
今日、神都は祭りで盛り上がっていた。あちらこちらに屋台があり、劇を楽しむ者たちもいる。
「今ならチョコバナナ銅貨2枚だよ〜!!」
「こっちは美味しい焼きそばが銅貨2枚だよ!」
美味しそうな匂いと共に祭りは賑わっていた。
「なあエリザ〜。本当にこんな所に怪人なんて出るの〜?」
「出るわ。こう言った祭りごとに能力者達も数多くいる。来ないわけないわ。とりあえず探すわよ」
「えぇ〜。ボクお腹空いたんだけど〜」
二人の男女は謁見の間で会議に参加していた人物だ。
少年の名は、ユック。14歳の男の子。マイペースでのんびりしている性格。でもやる時はやる少年だ。少年は何者かというと──〝使徒〟だ。
使徒とは、神に選ばれた人間の事を言う。少年ユックは神に選ばれた人物だ。
ユックは元は孤児院育ちだったが、使徒と分かった時、孤児院の子供達も検査がされる様になった。
しかし孤児院育ちの中で使徒はユックしか居なかった物の、能力者が数名居た。
その能力者達も今も尚、強くなる為に学園に通っていたりする。
ユックは才能に溢れていた。学べば学ぶほど強くなり、やがて国の人々に期待される存在になっていった。
そしてサラサラしている葵髪に瑞色の瞳。小顔でスラリとした体型の女性の名は、エリザ・エルベート。15歳の女の子。彼女は貴族令嬢でありながら、神に選ばれた〝使徒〟。使徒の中で最強クラスの実力を持っている。
使徒に選ばれた人物は生まれた時に神の加護が与えられる。加護にはそれぞれの神が使徒達に与えている。加護は、自身の生命力、体力など身体を強化してくれる代物となっている。
使徒の中にも能力者はいる。その者は強く、現最強の使徒──〝アルバレート・クラウン〟や他にも多く存在する。
しかしエリザは能力も無しに使徒の中の最強クラスへとのし上がった。紛れもなく天才だった。
だが、エリザはここまで物凄い努力を積み重ねてきた。その努力は最強クラスの化け物になるまでエリザを強くしてみせた。しかし才能がなかったわけじゃない。エリザは飲み込みも早く、記憶力も良い。だからすぐに強くなったと実感できるようになった。
そんな二人は怪人が人を襲う前に怪人を見つけ、倒す為、今は、怪人を探していた。
そして数十分探しても怪人の姿は見当たらない。
「ダメね。こっちは居なかったわ」
「こっちもいない〜」
「って....何食べてるのよ」
「何って、チョコバナナだけど?」
いつの間にかユックはチョコバナナを食べていた。口元にはチョコがいっぱいついている。
後、二人の他にも使徒や能力者、〝冒険者〟達も怪人を探している。被害を出さない為、大掛かりで探している。
そして遂に時は来た。
地面が揺れる。
「ん?地震?」
「揺れが大きくなってるわね」
揺れは少しずつ大きくなって来ている。揺れは更に大きくなって来ている。
「何これ.....普通の地震じゃないわ!」
「「きゃーーーー!!!!」」
みな、恐怖していた。揺れがこれ以上に無いぐらいの大きさでどんどん揺れが増していく。
そしてエリザは地面を見る。地面は次々と地割れをしていた。
「っ!?」
エリザは悟った。これが世界の終わりなのだと。
時期に地割れは大きくなり、地面が崩れ、浮遊感と共に落ちていく。底が見えない奈落までずっとずっと....そして意識は──遠のいて行った。
しかし目が覚めると、そこは元通りの地形、そして住宅街が何事も無かったかのように、元通りになっていた。でも未だに気を失っている人達もいた。あれは何だったのか。誰も知る由もなかった....
この出来事は世界を驚かせた。これは神の天罰など、神の降臨だとか、夢だとか.....世界は大騒ぎしていた。
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そしてあの事件から一年。
俺は力加減の修行を終えた。まだ完全に力加減が出来る訳では無い。でも、一年前の俺と比べると、明らかに力加減の仕方も何もかもが変わっているだろう。
俺は早速村の近くに居た怪人の元へ向かう。
怪人の住処は近く、洞窟に住んでいることが分かった。俺は一度この洞窟で怪人と戦って倒したが、また別の怪人が住んでいる。
俺は洞窟の中に入る。狭くもなく広くもない。普通の洞窟だ。血の匂いがする。これは恐らく俺が倒した怪人の血の匂いか、それとも人間の血か.....
とりあえず俺はかい人の元へ向かう。
すると大きい血に染った化け物が座っていた。
『お前、人間か。久しぶりの人間。喰う』
「喰えるもんなら、喰ってみろよ」
この化け物こそ怪人。俺も初めて見た時は気持ち悪いと思った。でも、こういう奴らが村を襲う。俺は剣を握り、怪人の元へ歩いていく。
『お前、絶対に、殺す』
「いい練習相手だ」
こうして一年間力加減の修行の成果を今、試す!
もっと上手に書きたい。




