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第四話 ルナリェナvs疾風の氷皇

地球広海、右翼側。

ルナリェナ達の攻撃に、疾風の氷皇の綺麗な顔は歪んでいた。それでもルーナクレシエンテは攻撃の手をゆるめることは無い。


牡丹一華(アネモネ)の小風」


ルナリェナを中心にして風が意思を持ったように震えた。その風はあっという間に駆け抜け、上空にかたまっていた皇都軍(てき)を吹き飛ばした。

風で吹き飛ばした、今まで射ぬいた敵の…悲痛の願い(こえ)がきこえる。でも、だって彼らは“敵”なのだから、その願いなんて叶える必要なんてきっと無いはずだ。


「“いたい”なんて、“死にたくない”なんて…そんなの、誰だって一緒なのにッ…あなた達がそんなことを願わないで!!」


ルナリェナはさらに前に出ると、“怒り”を風に込めて今まで以上の威力の大風を振るった。

いつの間にか、髪と目の色が元の色に戻る。自分の風に吹き上げられる髪は金色だ。ライトブルーの瞳には茶色だった時よりも怒りの色が映っている。


牡丹一華(アネモネ)の怒り風…!」


小風より遥かに威力が強く、攻撃範囲も広い術式だ。敵を根こそぎ吹き飛ばす。

敵の“願い”なんて、暴風の音で聞こえない。聞きたくなんてない。


風使い(ウィンド・マスター)


やっと前に出てきたらしい疾風の氷皇がルナリェナに対抗するように風を操り、ルナリェナの風を妨害しながら距離をとって正面に向き合った。

お互いの操る風が衝突して術式と魔法の効果をものすごい強風と轟音をたてて打ち消しあっている。


「このままじゃ、おれが魔力切れで押し負ける…」


月の光の加護がある夜では、圧倒的に月の一族の姫に有利だ。疾風の氷皇はこの状況をどうにかする手を必死に考えていた。

ルナリェナは負けを認めるように焦る疾風の氷皇を見ていとると、なんだか少しだけ心が痛いような気がした…が、それを振り払うようにさらに術式に霊力を込めた。


「私達が勝つの」


ルナリェナは大弓を構え直して疾風の氷皇に狙いを定めていつもよりも大きな、銀色に包まれた水色の光り輝く矢を召喚した。これで仕留めるつもりでいる。

それに対して疾風の氷皇は焦りの色を隠せずに、防御用の魔力を体の周りに必死に集めた。これで防ぎきれたとしても、次の手がまったく思いつかない。


太陽神(ソル・ディオス)、どうかおれを守ってくれ…!」


夜戦で太陽神の加護が無い戦いでは、自分はこんなにも弱いのか…このままでは皇都騎士団の第陸部隊の隊長としても、皇子としても情けないし、父上にも兄にも顔向けできない。

それに反対側で戦っている雅己には笑われるだけだろう。


「せめて大魔法並みの威力で上級魔法が使えれば…」


先ほど風で競り合った時に魔力の大半を使ってしまったし、大魔法は太陽神の加護がある昼間にしか使えない。

目の前の月の一族の姫から放たれようとしている大きな矢を見詰めながら、疾風の氷皇は自分の前に大きな氷の盾魔法を展開した。この中隊で一番強いのは自分だ。おれがこの攻撃を避ければ、この中隊は壊滅する可能性が高い。


ーーーだから、今のおれに逃げるなんて選択肢は無い。


「強化魔法・氷水!」


疾風の氷皇は片手剣を構え、残り少ない魔力で刀身に強化魔法をかけた。少しでも、月の一族の姫の攻撃を削り取りたい。


「集中放出術・銀満月の大矢(シルバームーンアロー)!」


ルナリェナは、疾風の氷皇が率いる中隊に勝つために術式を発動した。

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