4話 初めての出会い
今回のあとがきに武器のステータスを載せてます
今まで出てきませんでしたが武器には5段階の評価があります。
━━━ブエサ大森林━━━
森の木に寄りかかるひとつの影、目に隈を作り、朝日を眩しそうに眺めている。
「…眠いぃ」
呟きは誰にも届かずに日が差す森へと溶けていった。
(せめて毛布でも持ってくればよかったな)
そうねぇ
(意識ある?)
あるぅ
(…湖で顔洗ってこい)
ふぁいー
湖の水はひんやりしている。
目を覚ますには十分だ。
顔を洗い、朝食に持ってきた干し肉を口に入れる。
「しょっぱい…」
口に残る塩辛さを湖の水で洗い流す。
目が覚めたところで向こう岸で水汲みをしている緑色をしたちっこい何かと目が合った。
「…ギガガ」
ちっこい何かはやべぇ的なニュアンスで呟いた。
あれって…ゴブリン?
(ああ、ゴブリンだな)
ゴブリンは急いだ様子で走って行った。
追うのか?
(追うだろ、目的はあいつらだからな)
うへぇ、分かりましたよっ
走ってゴブリンを追う、
ゴブリンは小さな洞窟に入っていった。
(止まれ、ここは不味い)
ん?どうしてだ?
(暗闇で挟み撃ちにされる可能性がある)
そうなの?
(ああ、ゴブリンは意外と知性が高い)
じゃあどうすればいい?
(近くに村があるはずだからそっちから攻める)
りょーかい
近くを見渡し、村を探す、
だが、見当たらない。
…無いじゃん
(この辺りには無いのか?)
なあ、あの洞窟が村になってるとか無いよな?
(無いな、それだけは無い)
何で?
(ゴブリンは普通の食事に加え日光が必要なんだ)
ふーん?
(まあ、詳しくは分からないけど日光が無いと死んじまうんだとよ)
へー
「ッ!!」
雪乃が真横に飛ぶ、今までたっていた場所には巨大な斧が振り下ろされていた。
避けれなかったら真っ二つだっただろう。
「ガ?、ヨケラレタ」
そう呟いたのはさっき見た大きさではなく190cmはあろう緑の巨体だった。
(やばいな、キングゴブリンだ)
こいつ、ゴブリンなの!?
(ああ、ゴブリンの中から数十年に1匹生まれるかどうかの変異種だ)
変異種?
(説明は後だ、取り敢えず逃げるぞ)
多分無理、囲まれてる
「ガッ」
キングゴブリンは巨大な斧を横に振り回してきた、全てをギリギリで回避し、ハイリルを取り出す。
(おいっ、何してるんだよ!?)
逃げれないならやるしか無い…
だろ?
斧を避けながらハイリルを抜き正眼に構え、目をつぶる。
シュテルンから授かった加護を構成している内の一つ『思考速度上昇』は常時発動しているが、普段は等倍、それを三十倍に引き上げる。
そして、『攻撃予測』を発動させた。
予測線は2本胴体と首、あえて首付近に隙を作る。
「スゥー」
誘われたように斧の刃が首筋に向かって吸い込まれる。
「ハッ!」
首に刃が当たる前に青の刃がキングゴブリンの腕を落とし体を逆袈裟に切り裂いた。
「月影流、三日月之太刀」
キングゴブリンの身体が糸の切れた操り人形の様に力なく倒れ、
体が地面に付いたのを皮切りにゴブリン達が雪乃に群がってきた
殲滅するのには2時間ほどかかった。
雪乃は返り血で汚れている。
「ハァー、疲れたー」
血を拭いながらそう呟く。
群れは1000匹以上の規模だったが、襲いかかってきたのは約半数、残りは逃走。
逃走した方からゴブリンの悲鳴が聞こえ、音の方角を見ると火柱が上がった。
そしてこちらにゆっくり向かってくる膨大な魔力。
ゴブリンがこちらに見向きもせず走って行った。
「は?」
予想外の出来事に間の抜けた声が出る。
木々をかき分け現れたのは年端のいかない紅髪の少女、だが明らかに普通じゃない、桁外れの魔力、そして背中には四枚の羽が生えてる、何より服を身に着けていない。
「んー、やはり外は気持がいいな」
軽く背伸びをし、こちらに気が付き声をかけてきた。
「お主中々に珍しいな、我を封印した勇者に魂の波動がが似ておる」
少女は顔を覗き込みながらに言った。
雪乃は動けなかった、恐怖?いや違う、見蕩れているのだ。
無理も無い、文句の付けようの無い美少女、それが一糸まとわぬ姿でこちらの顔を覗き込んでいるのだ。
「聞いておるのか?」
少女は不機嫌にそう言う、眉間にシワを寄せ手を組んでいる。
我に帰った雪乃は急いで返事を考える、
「あの…どちら様でしょうか?」
「む?そうか、名を名乗っていなかったな!」
少女は機嫌を直し笑いながら言い放った
「我は偉大なる火炎龍ノヴァの血を引く『龍人』フェルナ・ノヴァじゃ!」
「龍人?」
「そうじゃ、それより、お主の名はなんと言う?」
「俺は十六夜雪乃です」
「イザヨイユキノ?ふむ、あまりこちらでは聞かんな、さてはお主転生者か?」
「はい、そうです、なんで分かったんですか?」
「先程言ったろう、お主の魂の波動が勇者に似ておると」
「?勇者も転生者なんですか?」
「ああ、もっとも、奴の場合は異常だったがな、何せ神の加護が12個も着いておったしの」
「そうなんですか、それより一ついいですか?」
「構わんが、何故お主はこちらを見ない?」
「それは…貴方が服を来てないからですよ!」
「…プッハハハ、何じゃ、お主照れておったのか、愛い奴じゃな~、構わんぞ、見ても、見られて困る身体でも無いからな」
少女はけたけたと笑い、手を広げ見せ付けてきた。
紅く伸びた髪が風に揺られ、今まで隠していた小ぶりな胸をさらけ出した。
「え!!ちょ、変わってカルミナ!」
”主導権の変更を確認”
髪色が黒から銀に変わり、目の色も黒から青へ。
「…あまり、からかわないでやってください」
「お主、誰じゃ?」
余りの豹変に流石のフェルナも目をパチクリさせている。
「俺はカルミナ・シュベル・セザーノです、ユキノに体を貸してる者です」
「ほう、なるほど、珍しい、共存か…」
「?共存?何の事です?」
「いやなに、勇者に体を貸すということは、魂を失う事が多いから不思議に思っただけだ」
「そんな、危険な行為だったんですね…」
「む、聞いておらんのか?」
「…はい、『力が欲しいなら体を貸しなさい、ですが断ることも可能ですよ』としか」
「そうか、それを言ったのはシュテルンじゃな?」
「?そうですけど何かあるんですか?」
「…なんでもないわ、それよりお主らに興味が湧いた、ついて行くが構わないな?」
「俺は構わないですけど…」
「何じゃ?問題でもあるのか?」
「ちゃんと服来てください」
「む、お主もか、細かいのお」
「いや、常識です」
「分かった分かった、ちょっと待っておれ」
フェルナが地面に魔法陣を書きながらそう言った。
「えーと、たしか、こうじゃったな」
魔法陣に魔力を流し、何かを呟く、
すると魔法陣が光を放つ、
光が収まると、赤のゴシックドレスに身を包み、髪を横に纏めたフェルナが出てきた。
「これで満足か?」
武器ステータス
名 聖杖ハイリル
素材 青の魔石,聖木(天聖叢樹),ミスリル合金(ミスリル75%金15%魔鉄鋼10%)
位Ⅲ




