15話 学校生活の始まり
今回いつもより文字が少しだけ少ないです。
「すいません、いきなり転入させて」
気品溢れる女性、メリアがそう言い、頭を下げようとする、が学長に止められる、
「やめてください!別に転入自体珍しい事では無いでしょう、それに”実力があれば年齢種族関係無し”そう定めたのは初代国王です、彼らの実力はそんな程度なのですか?」
「そうでしたね、魔道大理石の防壁を破れる者に実力不足はありませんね」
「………あれを?」
「ええ、私の庭の塀をボロボロにしましたね」
「王宮の防壁を壊したのですか、それは、魔法でですか?」
「恐らく」
「…そうですか、話は変わりますが、地下はどうしますか?、一度開けてしまえば大変な事になるのですが……」
「時期が来れば開けます、それだけの力を携えられれば、ですが」
━━━王立魔道騎士育成学院 フェレノア━━━
そこで2人の男女が話している、
「ねえ知ってる?、この学院に新しく勇者様とフェルナ様が転入するらしいわ、御伽噺でしか知らないのだけれどどんな人なのかしらね?」
「そうだね、俺は、それはそれは綺麗な人だと思うよ」
「勇者様はカッコイイのかしらね?」
「多分ね」
2人はフェレノアの学生、女がメリザ、男がフレナドール、特Sクラスで上から数えた方が早いほど優秀な者達だ。
2人は一際大きい校舎から、校庭に向かい歩いている。
この日は全校集会があり、何と、国王が直々に挨拶に来るらしい。
校庭に到着し、クラス事に並ぶ。
集会が始まり、生徒は静かに終わりを待つ。
学長が壇上に上がり、緊張した面持ちで、声反響魔道具を持ち、
「今日はこの学院にとって、今後の歴史に残るであろう、国王様自ら挨拶に来てくださった、いつもの様にしてください、との事だ」
学長が国王に魔道具を渡し、壇上から降りる。
「初めまして、紹介に預かりました、国王、メリア・インス・ノルデアンです、今日は三人の転入生を紹介します、一人目は知らない人はいないでしょう、フェルナ・ノヴァ様です、この国の初代国王の娘様です。
二人目はディアボロと言います、今後恐らく私の側近になる人物です。
三人目は勇者の因子を持つ、ユキノ イザヨイです。
彼等にはここで常識を学んで貰います、そして貴方達には彼等を見て、触れ合い、自分の限界を学び、超えていただきたいのです。
そして、忘れてはいけません、この国だけでは無く他の国もですが魔王の脅威がある事を、一年は安全ですがその後直ぐに攻めてくるかも知れません、兵士となり、魔王軍と戦うかも知れません、ですが貴方達はこの国にとっての財産です、勝手に死ぬ事は許しません、勝てないと知り尚も戦おう等とは思わないでください。では」
メリアが言葉を終え魔道具を学長に渡し、激しい拍手が巻き起こる中、壇上から降りる。
その後はいつもと変わらない集会が行われた。
集会が終わり雪乃とフェルナ、ディアボロは学長に案内されていた、
「こちらが、準Aクラスから上のクラスが使う、棟になります、全部で6階建てとなっており上に行くほど上級クラスになります、皆様は特Sクラスですので、6階です」
「分かった」
フェルナは堂々たる立ち振る舞いでついて行く、雪乃とディアボロは落ち着かない様子でキョロキョロとしている。
「ディアボロ様はこちらの拳士科ですね」
「分かった」
ディアボロが扉を開け、教室へ入っていった。
一番奥の教室へ進み、
「お二人はこちらの魔法剣士科です」
「あいわかった」
教室は広く五人だけでもスペースがあまりそうだ、そこに雪乃とフェルナが追加されてもまだあまりがある、机は恐らく高級な石材を使っているのだろう、上品な光沢がある、前方には黒板があり、
中には一人の男性教師、五人の生徒がいる。
「初めまして、私は教師のアデマン・グレイリー、よろしくね、名前と種族、年齢をお願い」
男性教師は中性的な顔立をしているのだが、体はそこそこに筋肉がついている。
「我はフェルナ・ノヴァだ、旧名はフェルナ・アインス・ノルデンだ、種族は龍人だ、年齢は二千を超えてから数えていない、一年間だがよろしく頼む」
「俺は十六夜雪乃だ、種族は転生者だ、年齢は19、よろしく」
雪乃とフェルナが、自己紹介を終え、残りは生徒達になる。
「首席のフレナドールから順番に」
「首席のフレナドール・グレイドだ、種族は人間だ、年齢は17、よろしく」
180近い身長に筋肉のついた、まさに剣士と言える理想的な体だ、顔も目鼻立ちがしっかりしており、髪型と相まってター○ネーターのシュ○ちゃんのようだ。
「次は私ね、私はメリザ・ツバイ、種族はエルフ、どちらかと言えば魔法の方が得意、年齢は79よ」
150位の身長に金色の髪を後ろで二つに結、ツインテールにしている、目は透き通るような美しい蒼、美人というより美少女と言う方が表現としては正しいだろう。
「三席、ヒムニ・エリザベート、種族は獣人、正確に言うと、生き残りの少ない犬人種、魔法より剣の方が得意、歳は…ヒミツ」
白と茶色の長いくせっ毛な髪、頭部には犬耳が着いており、一言話す度にピコピコと動く、スラリとしているが鍛えられ引き締まった四肢が動く度に尻尾とたわわな胸部が揺れる。
「四席のソーンズ・コアネラです、種族は火属性の子半精霊、フェルナ様、お逢い出来て光栄です。私だけでなく、他の精も喜んでおります」
フェルナに跪いたのは肌がほんのり赤みがかった身長170位の男━━精霊に性別はあまり関係ないが━━筋肉はあまりついていないように見える、髪は赤と銀が混じっている。
「最後は僕だね、スレイ・テヌイネだよ!、種族は獣人、細かく言うと…猫人種!、歳は15!、え〜と、そうだ、剣の方が得意だよ!宜しくね!、言い忘れてたけど性別は男だよ」
身長160位に中性的、いや女性的な顔立ちのせいで性別が分からないが男だった、制服は女性物だが…、恐らく意図してやっているのだと思う。
髪色は黒で、目は青、猫耳に細い尻尾が喋る度に動く。
これで全員の自己紹介が終わった。
フェレノア学制服
紺の生地に赤と金の線が入っている。
マントはだいたい膝下位までの長さ。
男子
形はスーツに近い、ワイシャツは白ならばなんでも良い、ネクタイの着用は自由。
女子
形はセーラー服が近い、スカート丈は自由、リボンの着用も自由。




