第8話「ギルド」
「こんにちは。失礼します」
“ギルド・キフカ支部”と書かれた建物の扉を、恐る恐る開いた。
扉を開けたと同時に、ヒュンッと何かが顔の横を通りすぎた。何かと思い、振り向くとそこには短剣が1本、壁に刺さっていた。
「ふざけんじゃねーぞ! てめえの方が先に手出してきたんだろ? なあ、土下座して謝れよ!」
「土下座だぁ? ふざけんなよ! 俺のパーティメンバーに手出そうとしたのは、お前の方だろ!」
2人の男が、取っ組み合いの喧嘩をしている。男たちの顔は赤く、結構飲んでいるようだ。
その男たちを横目に、俺は受付に向かった。
「すみません。こちらで、賊の引き渡し等ができると聞いたのですが」
「はい、どのような賊でしょうか?」
受け答えしてくれたのは、18歳くらいの女の子だ。
「たしか、閃光の槍盗賊団って言ってたっけ。その団長を連れてきてるんだけど、引き渡し可能ですか?」
「はい、閃光の槍盗賊団ですね。団長はフラッシュで、40名程度の盗賊団ですね。捕まえてきたのは、団長だけですか?」
「そうですね。もしかして、まずかったでしょうか」
俺は、更なる厄介事が増えそうで心配になり、一応質問した。
受付嬢は、もしかしてと俺の名前と職業を聞き、部屋の奥に消えた。しばらくして、紙を持って受付に戻ってきた。
「ミツヤ様は、ギルドへは登録されていませんね。では、こちらの紙に必要事項がありますので記入をお願いします。同時に説明もさせていただきますね」
そう言って、受付嬢の女の子はギルドの仕組みについて説明し始めた。
「ギルドは、国が管理する会社のようなもので、都市、町、村などにそれぞれ1つは支部を設立しています。システム的には、仕事をクエストとして発注して、それを冒険者が受注して達成する。その見返りとして、クエストに見合った報酬が支払われることになっています。クエストの内容は、国が定めた基準でFランクからZランクまであり、Sランク、SSランク、SSSランク、Zランクの4つのランクは、災害級、天災級と呼ばれるレベルです。初めの頃は、F~Dランクのクエストを中心に受けていくことをお勧めします」
受付嬢は、俺が書いた紙を見て登録手続きを行っている。
「天霧光哉、転生者、製作者。ランクF冒険者。登録完了っと」
転生者だからって全く驚かないんだ・・・・・・
「ミツヤ様、登録が終了しました。盗賊団の件でしたね、たしか、近くの町が襲われて壊滅したからBランク相当のクエストになってたはず・・・・・・」
受付嬢の女の子は、クエストの束をぺらぺらと見返している。やっと見つけたのか、俺の前に1枚の紙を出してきた。
「これですね。内容は、閃光の槍盗賊団を壊滅させること。また、団長の捕縛と団員20名の捕縛が絶対条件となる。ランクBで報酬金額は10万ガリアとなっています。今回ミツヤ様が達成しているのは、団長の捕縛だけですので報酬は出ません。どうされますか?」
どうするも、こうするも何もできないように感じるのだが・・・・・・
「とりあえず、この団長だけ預かってもらうことってできる? できるんだったら、他の団員も捕まえてくるからさ」
「わかりました。一旦、こちらで預かっておきます。ところで、全く起きませんが生きていますか?この盗賊団団長は」
「生きているはずです。睡眠魔法「スリープ」をかけているから、起きないようになっているだけだよ」
恐いから、念のため再度スリープをかけておく。
「では、こちらの書類にサインをしてください。このクエストの期限は、1週間後までとなっていますのでご注意ください。でも、本当に大丈夫でしょうか。一応このクエストは、Bランクですが」
わかりました、大丈夫ですよ
と、書類にサインしようとしたその瞬間・・・・・・
バンッ!
ギルドの扉が勢いよく開いた。
「大変だ! 盗賊団だ! 閃光の槍盗賊団が攻めてきたぞ!」
はい?
次回は、主人公のチート能力がメインになりそうです。
・更新について
不定期になりそうです。申し訳ありません。




