第11話「捕食王グウェイド」
・訂正箇所(第2話)
「魔力」→「魔法力」
新たなる種族、ドラゴニュート・ゴーレムのジークは、俺の想像していたものより倍強力だった。
とにかく暴れまくるのだ。一応敵見方の区別ができるように調整はしてあるが、それでも見境なく暴れている。手に生えている4本のナイフのような爪で敵の召喚獣を襲っている。通常のゴーレムより細いため、移動速度が速い。標的を沈めると、近くにいるゴーレムに乗り移る。二つ名なんてものが付けられるのなら、『深青の稲妻』なんていいかもしれないな。
そんなことを考えているとジークが最後の召喚獣を倒し、雄たけびを上げていた。
味方の冒険者たちが歓声を上げた。ひとまず召喚獣は倒したのだ。
地面には、召喚士が倒れているのが分かる。メーティス曰く、召喚には大量の魔力が必要になってくる。召喚獣は活動中も召喚者の魔力を食らい続けるから、あれはただの魔力切れだという。
あとで暴れてもらっては困るので召喚士の方々は拘束させてもらおう。
しかし、町の中は静かだな。勝ったのだろうか・・・
見に行こうと門の近くまで足を運んだ時、町の中から甲高い悲鳴が聞こえた。何事かと思い、慌てて駆けつけるとありえない光景が目に入ってきた。
なんと閃光の槍盗賊団の副団長であるグウェイドが、団長であるフラッシュの腕を引きちぎり捕食しようとしていたのだ。
「近寄ってくるんじゃないわよ! この女も食べちゃうわよ!」
そう言い、グウェイドは悲鳴を上げた女性に近づき、肩に歯を近づけた。女性は恐ろしさのあまり、失禁してしまって白目を剥いている。完全に気を失っている。
冒険者も駆けつけてきたが、女性を人質にとられており迂闊に手を出せないでいる。俺なら、倒せるかもしれない。しかし、危険が多い。まず、あいつは喰ってやると言っていたがそんなスキルや能力はあるのだろうか。ここはメーティスに聞いてみよう。
「解:私はスキル『鑑定眼』を持っていないので詳しくは分かりませんが、おそらくあれは捕食系のスキルか何かでしょう。捕食した相手の能力を奪い、自身のモノにしてしまうレアなスキルです」
メーティスに分からないなら、俺にも分からない。これは素直に聞くしかないな。
「おい! グウェイド! 貴様は何者だ?」
「ふふふ。普通は言わないのですが、今日は実に機嫌がいい! 特別に教えてあげます。私はですね、固有能力持ちなのですよ! それも世界に1桁しか存在しない捕食系固有能力の最上位『捕食王』を持っているのです!」
「固有能力ってそんなに珍しいのか? それに団長喰ってどうするんだ!」
「無知なのか、馬鹿なのかどっちなんでしょう? 固有能力持ちは10万人に1人の確率で産まれる。そして、唐突に目覚めるの! 団長を食べてるのは私の趣味よ」
グウェイドは丁寧に説明しながら、器用に腕を貪り食っている。
「この団長、使えないのよね・・・・・・
あ、新しい固有能力が発現したわ! なになに、『仲間殺し』だって! これ団長喰ったからでしょ、絶対! これで2つ持ちか」
2つ持ち。固有能力を2つ顕現したってことだろう。あんなに喜んでいるが、何かメリットでもあるのだろうか・・・・・・
「解:固有能力の数で基礎能力値に補正がかかるようです。例えば、ミツヤ様も2つ持ちなので魔法力に+50の補正がかかっています。だいたい5レベル分です。魔法力に補正がかかっているのは、おそらく固有能力が所属する系統によるものでしょう。『創造主』も『知識王』も天属系統に属しているからだと考えられます」
「何をぶつぶつ独り言を言っているのかしら! そろそろ行かせてもらうわよ。見てたけどなかなか面白い能力を持っているようだから、その能力いただくわ!」
グウェイドは一瞬で目の前に移動してきた。
お久しぶりです。更新できなくてすみません。ネタが尽きてしまい、設定を考え直していました。
前回も言ったと思いますが、不定期に更新していくつもりです。土曜、日曜のあたりに更新できるように頑張っていくつもりです。