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私たち、引っ越しました

家を出発して2時間。

もう深夜だ。

車は計6台。

定禅寺家の使用人が派遣されて来て、手伝ってくれている。


「ここが我が家じゃ」

私の目の前には高さ2メートル強の門があった。

定禅寺の話ではこの先に東京ドーム3個分の敷地が広がっているらしい。

ピンと来ねぇ……。


『おかえりなさいませ。保様!!』

門が開いたかと思えばずらりと並んだメイドや執事らしき人たちが出迎えてくれた。

「若葉様ご一家ですね?話は伺っております。あちらに新居を建てさせていただきました。そのままお車でお進みください」

と、私たちを誘導してくれたのは若いメイドさんだった。

歳は私と同じくらいか少し上くらいだろうか。


「ここが皆様の新居でございます」

なんと!

そこにあったのはさっきまで住んでいた家と全く同じ建物だった。

「やはり、ご家族みなさんで住まわれるのであれば同じ様式が良いかと。爺のおせっかいでしたかな?」

声の方へ目を向けると2階からあの老紳士が手を振っていた。

ニコニコしていて何だか可愛いな。

ただ、前と同じ間取りなら、そこ私の部屋なんだけど……。



「それでは今日はこれで」

荷物の搬入が終わった。

もう時刻は深夜一時を回っていた。

「さ、今日はもう寝よう」

父の一声で私は自室へと向かった。


ベッドで横になると途端に疲れがやってきた。

あー明日は筋肉痛になるかもと考えながらうとうとしていると……コンコン。

窓を叩く音がした。

まだカーテンを着けていない窓に目をやると、しわくちゃの手がプルプルしているのが見えた。


「いやぁ、助かりました。面目ない」

さっきの老紳士だった。

窓ぶちにぶら下がってプルプルしていたから部屋に引き上げてあげたのだった。

「どうしたんですか?こんな時間に、こんな所に」

「実は、お気づきだったと思いますが、私は今日1日ずっと御2人のおそばに居ました」

ええ、居ましたね。

「御2人のお話も聞かせていただいておりました」

「……それで?」

「そこで若葉様にお願いがあるのです!」

そう言うと老紳士は私の前で土下座をした。

「や、やめてください。頭を上げてください」

大の大人が女子高生に土下座!?

そこまでするお願いって何!?

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