第5章
朝起きて窓を開けると、そこには真っ白な世界が広がっていた。
「雪だ…!」
今日は朝から雪が降っていた。さらに、かなり積もっている。
僕は、早くに家を出て学校へ向かった。
学校へ着くと、校舎の回りをバイクが走っていた。
あれはおそらくアズマさんだ。
「アズマさん!!」
僕は、大声でアズマさんを呼んだ。
「あぁ、南ちゃん。」
いつもと変わらない声のトーンだったが、どこかうきうきしているような表情だった。
放課後、僕たちは近くの公園で雪遊びをしていた。
「見てみて!アズマちゃん!!おっきい雪だるまできたよ!!」
鼻を真っ赤にしながら西はぴょんぴょんして言った。
アズマさんは、
「興味ない。」
と一刀両断。当たり前だ。今時高校生が雪だるまとか。しかも、西の作った雪だるまは一つではなく、五つもあった。
「おーっ!アズマに南ちゃんやないか!!」
公園の外で手を降りながら声をかけてきたのは、大阪さんだ。
「そんなところでなにしてんねーん!!うちも入れてぇやぁ!」
大阪さんは笑顔でずんずん公園の中へ入ってきた。
西の、「ぼ、僕はぁ…?」という呟きは無視して、大阪さんはあることを提案した。
「せや!雪遊びて言うたらやっぱ雪合戦やろ!!」
「おぉぉ!!雪合戦!!やりましょう!」
雪遊びといったらこれだろう。まさに雪遊びの醍醐味だ。
「アタシも雪合戦やりたい。」
アズマさんも小さく手を挙げて言った。
「よしっそんじゃあちょうど四人やでグーとぉパーやぁ!!」
「「グーぅとぉーパっ!!」」
僕とアズマさんと大阪さんがパーで西がグーだ。
「よしっそんじゃあ決まったな!」
大阪さんはさっそく真ん中に線を引き、「こっから向こうに行ったらあかんでぇ」と言った。
「えっちょ、僕一人?二人ずつじゃなくて?」
「誰が2vs2言うた?ええやん、西、男なんやで。」
真顔で返されてしまった西。でも大阪さんが正論の気がする。
「そ…そんな…アッ…アア…」
「よぉーし、南ちゃん、雪玉の準備ええかぁ?」
「ばっちりですっ!!」
せっせと雪玉を作っていた僕は、親指を立てて言った。中に結構大きめの石が入っているなんて誰にも言えない。
「そんじゃあ雪合戦スタートや!!」
大阪さんのかけ声で始まった。相手は西一人。アズマさんや大阪さんにかかれば楽勝だろう。
「わぁぁぁぁぁ!!!!二人でなんてズル…ってなんか入ってる!!」
気のせいだよ、西。雪しかないよ。
「なんやアイツぅ!!結構すばしっこいでぇ。」
「雪玉ももう無くなったしね。」
山のようにあった雪玉は、あっという間に無くなってしまった。
「こ、これは…いよいよ僕のターンだね!!」
調子に乗った西は、雪玉を作ると「えいっ」と言ってアズマさんに投げた。
もちろんあんな玉が当たるわけもなく、アズマさんの足下どころか線の内側でペシャッと落ちた。
だが、西がアズマさんを狙ったせいで…。
「南ちゃん、ヤバイで!アズマが本気モードや!!」
「ほ…本気モード!?」
アズマさんは、どこかへスタスタと歩いていった。戻ってくると、何故かバランスボールほどの大きな雪玉を持ってきた。
アズマさんが向かっていた方向を見てみると、西の雪だるまの頭が一つ無くなっていた。
アズマさんは頭を持ち上げると、西を睨み付けた。
「待って!ちょっとそれ、花子の頭!!」
誰だ花子って。まさか、雪だるまの名前…!?
アズマさんは、勢いをつけて頭を投げた。
だが、勢いをつけすぎたのか、頭は公園を出てしまった。
「痛てぇっっ!!」
そして、公園の前を通りすぎた男性に当たり、そのまま男性は倒れてしまった。
「誰だこんなバカでけぇの投げたヤツ!!!?」
勢いよく起き上がり、こちらを見たその人物は…
「お前ら…!」
ほっくんだ。
「なんだ、ほっくんか。なら大丈夫だな。」
アズマさんは「よし。」と言ってまた頭を取りに行った。
「もう…もうやめてよぉ!!二郎がぁ…!」
西は目をうるうるとさせながら言った。
そこにほっくんが、西の肩をポンッと叩いた。
「大丈夫だ西。俺がついてる。」
「ほっくん…!」
ほっくんが西のチームに入ったことで(おそらくアズマさんへの仕返し)3vs2になったが、対してかわりないだろう。
でも、僕は気づいてしまった。
「ほっくんはさっき当たったからアウトじゃないの?」
「……。」
「西、悪いな。俺はもう…もう、終わりだ…。」
「そんな…!ほっくん!」
西は、雪の上に倒れこむほっくんを抱き上げた。
「お前だけは…残って…あの怪力女を…倒し…て…」
「ほっくん!!そんなこと言わないで!!君がいないと僕は…!!」
「ガクッ」
「ほっくーーーん!!!!」
大声でほっくんを呼ぶ西。なんだこの茶番。
「えいっ」
「うっっ」
大阪さんが空気を読まず、ポイッと投げた雪玉が西に当たり、西はパタリと倒れた。
「よっしゃぁっ!うちらの勝ちやぁ!!」
「じゃあこの死体はこの怪力女が埋めてやろう。」
アズマさん…それやっぱり気にしてたんだ…。雪をかきあげて二人の上にかけようとした瞬間、
「ふざけんなぁぁ!!死者蘇生!!」
ほっくんがガバッと起き上がった。
「うわっゾンビだ!!アズマさん、ゾンビですよ!!」
僕はサッとアズマさんの後ろに隠れた。
「うるせぇ…!」
ほっくんがキッと睨んだが、そんなの知りませーん!僕は、アズマさんの後ろから小さくべーっとした。
「でも、もう服もべちゃべちゃやなぁ。」
大阪さんは、スカートの裾をつかんで言った。
「うん。いっぱい遊んだしね。もう帰ろうか。」
「はぁ…何んだ今日は…。秋兎もさっさと帰るし雪まみれになるし…。」
あっ…またストーカーしてたんだ…。
僕たちは公園を出て、ゆっくり帰った。
公園の雪のなかから、「し…死者蘇生…」という少年の呟きは、次の日学校で新たな都市伝説となった。
なんかひさしぶりです、こんにちは!
前回、次は番外編だよーわーい!といったはずです。
はい、ごめんなさい。本編です!!!
無事、編集長からネタを頂けまして!
そうそう、ちょうど雪が降ってる日だったんですね。
雪にうかれる方位組、かわいいですね(ニッコリ
案外ほっくんも雪遊びしたかったり…。
そうだ!今回はなんとほっくんがね、
死にました。はい、死んでもらいました。
というわけで、次回こそは番外編を!
もう書いてるんだよ!?書いてるんだけどね!?
ネタバレしちゃまずいのでこれだけ…
大阪ちゃんのお話です!わーい!!大阪ー!
書いてて本当に楽しいです大阪は。
今回は妙にあとがきが文字びっしりになりましたが、
それではさようなら~
ちなみに
またまた新作構成中!!




