最終章
大変お久しぶりです。
どうか見納めください。
「アズマさんっ!」
僕は勢いよく扉を開けて叫んだ。
「あ、南ちゃん。どしたの?」
きょとんとするアズマさんを見て、僕は息を吸い込んでもう一度叫んだ。
「方位組が、1周年を迎えました!」
「あっ、そう…。」
「あ、そういえば南ちゃん。これ預かってるんだった。」
「え?なんですかそれ。」
アズマさんは、ポケットから手紙を取り出して僕に手渡した。
「『南ちゃんへ。これ読んで。』は?意味わかんないんですけど。これ読むんですか?めんどくさ…。」
-ガチャッ
封筒を開けようとした瞬間、ドアが開いた。
「アズマちゃーん、南ちゃーん。なにしてるの?」
ドアから入ってきたのはにっしーだ。さらに、あとに続くようにほっくん、秋兎さん、とこちゃんまで入ってきた。
うわ…ますますめんどくさくなってきた…。
「なにそれ!手紙!?読みたい!とこ読みたい!」
とこちゃんが強引に手紙を奪い取ろうとする。
「あ、まってとこちゃん。その手紙は書いた人曰く南ちゃんに読んで貰いたいんだって。」
そんな中、アズマさんがイケメンの如く優しくフォローを入れてくれた。
さすがアズマさん!いっけめーん!
「えー、じゃあ…読みます…ね?」
てかそもそもなんで僕が手紙なんかを…めんどくさいけどアズマさんのお願いだから大人しく聞くことにする。
場が静まり返る。
僕はゆっくりと封筒を開き、小さく深呼吸をしたた。
『みなさん、どうも。作者です。』
「「さ、作者!!!??」」
この場の全員の声が一致した。
「おい!お前何言ってんだよ!」
ほっくんが僕を攻めるように言い寄ってくる。
「え~…だって書いてあるし。僕に言われたって…。」
「嘘つけ!貸してみろよ!」
そう言ってほっくんは僕から手紙を奪い取った。
「あ、ちょっとー…。」
ほっくんは誇らしげに便箋を開いた。
「ったく…最初っから俺に読ませろよな…ん?」
「どしたのほっくん?」
訝しげな表情をするほっくんを見て、にっしーが便箋をのぞき込んだ。
「内容が…書き変わってる?」
「ほんとだ…。」
にっしーに続くように秋兎さんも便箋をのぞき込んだ。
「なんてかいてあんだ?えー、『ほっくんはいや。南ちゃんがいい。』…?」
うわ、指名されちゃったよ…。
ちらっとほっくんの方を見ると、くやしそうな顔でうつむいていた。
「あのー、ほっくん?」
何故か少し申し訳ない気がして、ほっくんに話しかけた。が、ほっくんは僕をキッと睨んで叫んだ。
「解せぬ!!」
あっ、そうですか…。
「じゃあ…気を取り直して…」
『みなさん、どうも。作者です。
なんと、方位組が1周年ということで、いやー、早いなー、としか言えませんね。
なんともおめでたいことなのですが、ここでさらにもう一つお知らせがあります。
南ちゃん、とこちゃん、1年生が入学し、進級しようとしていますが、はい、3年生は卒業します。
そこで、1周年、そして3年生の卒業に合わせて「方位組」は今回で最終回となります。
別にネタが尽きたとかじゃないし、編集長が忙しくてなかなか書けなかったとか全然そんなんじゃないです。あえて言うならほっくんのキャラが薄いのが悪いと思います!
というわけで、南ちゃんあとはよろしく。
いい感じにしめてね。』
「「……。」」
「あー…えーと…とりあえず、どうします…?」
なにこの丸投げされた感じ…。
なにこの「はやくなんとかしろよ」オーラ…。
「ぅえ〜…アズマさぁん!どーしよー!」
とりあえずアズマさんに助けを求める。どさくさに紛れて抱きついた。
「うーん…。」
「ねぇねぇねぇねぇほんとに終わるの?」
うんうん唸るアズマさんの隣でにっしーが言った。
「多分、本当に終わるんだと思う。」
「アズマさん…。」
空気が一気に重くなった。おそらくにっしーのせい。そう、にっしーのせい。
そんな中、とある勇者がある一言を発した。
「てかさ、これ終わんのって北のせいじゃね?」
「は!?秋兎!?おま…な…裏切り者!!」
愛すべき(?)秋兎さんに言われたことが相当ショックだったのか、しゃがんでふさぎこんでしまった。
「なんなんだよ、キャラが薄いって!知らねぇよんなもん!」
さらには逆ギレまで始める始末だ。
「もう…誰のせいとかいいから。」
アズマさんの一言によって、また場が静まり返った。
アズマさんがそういうなら…にっしーのせいとか言ってごめんねにっしー、そんなこと思ってないけど。
「まぁ、何を言おうと終わるんだよ。」
「なんか、寂しいなー…。」
それぞれが思い思いのことを口に出す。
僕は、どうすればいいのか全くわからなくなってしまった。
あの作者とかいうやつが僕に丸投げするから…。
とにかく、ここは僕がしめなくてはいけない、それは分かっていた。
「えーと…しめてねとのことなんで…あのー…。」
どういえばいいのか分からず、言葉に詰まってしまう。
「ねーねー、しめるって、どーゆーこと?」
そんな僕に横で、とこちゃんが楽しそうに言いながらぴょんぴょんと跳ねた。
「あれかな、「俺達の冒険はまだまだこれから!」みたいなあれかな!?」
「言いたいことは分かるけど、多分違うと思う!」
「そっかー。」
それでもなお、とこちゃんはニコニコと楽しそうにした。
なんだか少し、緊張が溶けた気がした。とこちゃんはそんなこと、全く思っていないのだろうけど。
「やっぱりあれじゃない、スピーチみたいな。みんなの前でスピーチ言えばいいんじゃない。」
「なんでスピーチなんですか!これ式典とかじゃないんですよ!?」
もう何がなんだか、という感じだった。
僕はどうすればいいんだ。
あの手紙を読んでから、おそらくそうとうな時間がたっただろう。場は完全に静まり返ってしまった。
「あのさ、南ちゃん。原稿書いてみたんだけど…。」
アズマさんがぼそっと呟いて、原稿用紙を僕に差し出した。
「ほんとに書いちゃったんですか!?結局スピーチなんですか!?」
「いやー…だってなんか積んでる感じだったし…。」
積んでるって!言い方!他になかったの!?
そんな脳内ツッコミは抑えつつ、とりあえずしぶしぶ原稿用紙を受け取った。
「アタシ、結構いいこと書いたから。ね。」
「あ、はい…。」
アズマさんに渡された原稿用紙を見た。内容は読んでいないが、アズマさんのなら大丈夫だろう。
「んー…じゃあ、スピーチしますね。」
ほんとに読むのかー、と内心思った。
正直超めんどくさいし、なんで僕が…とか思ってた。
でも、任されたからには、こんな誰かに書いてもらったスピーチを読んでいいものか。
でも、みんな待ってる。僕が話し出すのを。
読まなきゃ、そう思って口を開いた。
『僕は、1年生の春、アズマさんに出会いました。』
アズマさんは、驚いた顔をしたが、優しく笑ってくれた。
『あの時、初めてアズマさんに会って、僕の人生は変わりました。
クラスで初めて友達になったとこちゃん。気がつけば、いつも隣にいた。何度も助けられた。そばに居てくれるだけで、心が暖かくなった。
そんなとこちゃんのおかげで、ほっくんにも出会えた。最初は、ほんとによくわかんない人だなって思ってました。だって、ホモだし、ストーカーだし、結構ひ弱だし。でも、やるときはやる。そんな人。
そんなふたりをいつも支えてくれてる秋兎さん。
なんだかんだで、結局いつもいっしょにいたにっしー。
僕は、本当にいろんな人に囲まれて、毎日がほんとに幸せでした。感謝してもしきれない。
入学当初は、こんなこと全く思ってなかった。
もっともっと、いつまでも続けばいいと思ってしまう。
僕は、みんなのことが大好きです。』
誰かが書いた原稿なんて必要ない。
全て自分の言葉で言い切った。
またいつか、どこかで出会えることを願って。
終わり
みなさんどうも、大変お久しぶりです。
今回、なんと最終回です。
前置きもなく、急な最終回になってしまったのですが、自分的には、方位組それなりに満足している作品です。
ちなみに、推しキャラはとこちゃんです。
かわいいかわいい
じゃなくてですね、作中のほうでほとんど言ってしまったのですが、どうしましょうねー笑
せっかくなんで、方位組用の没ネタでも言っていきましょうか。
1 バレンタインデー
2 お昼の放送その2
3 にっしーのお誕生日パーリィ
4 卒業式
そんなとこですかね。
本当は、最終回は3年生の卒業に合わせて春に投稿しようと思ってたのですが、少し早まってしまいました。
ずいぶんと長くなってしまいましたが、方位組は私の人生初の作品でして、実にとんでもない内容なうえ、文もぐっちゃぐちゃだっただし、誤字脱字の数も半端ないのですが、キャラは実にお気に入りです。
とこちゃんね、かわいいんですよ。
みんなわが子のように愛でてます。
方位組はこれで終了となりますが、小説はこれからもじゃんじゃん書いていくつもりなので、次回作等、そちらの方もよろしくお願いします。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
まさに感謝してもしきれないです。
ありがとうございました。




