超えられない壁
結果から言おうか。
魔法は発動しなかった、原因は分かっている、だが今の俺には超えられない壁だった。
詠唱ができないのだ、舌足らずだからな、忘れてたが、ヴァロとしての年齢はまだ一歳だ。
因みに詠唱内容は言いたくない。
ならば、無詠唱だ、まずは水球からだ、水の玉をだしゃいいんだから楽勝。
だとよかったんだが。
出してもその場でとどまる、空中でだ、勿論出した後は重力に逆らえず墜ち…落ちるだけ、水飛沫が飛んで少し濡れた。
言い忘れてたが、本来なら三属性が限界で、それ以上持つと大変なことになるらしい、何故かって?
火属性魔法が使えるということは、火の精霊に好かれていると言う事、だが火の精霊は水の精霊と仲が悪いから、同じ人を好く事はしたくないそうだ。
だから火属性が使えたら、水属性は使えない。
同じように、風と土、聖と闇がこの関係にある、そうなると、必然的に三属性までしか使えないそうだ。
あ俺は火と風と闇を使う事にした、さっき水を出したのは、建物、書斎の中だからだ。
ギィ…
扉が開く音がした。
「ここにいたのか、ヴァロ…マリーが探してたぞ、部屋に戻りなさい。」
「はい…」
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マリーside
ヴァロは、産まれた時少し泣いただけで、この1年と少しの間全く泣かなかった、それに物分かりが良く、聞き分けも良かった。
それに、六属性全部が使える|(今は)ヴァロが大きくなったら、自分たちと同じ失敗をするのだろうか、それはそれで親子だといえるだろうが、そのせいで、森の奥で、誰にも見つからないような暮らしをしているのだから、自分たちがいつか死んでしまった時、彼女はどうなってしまうのだろうか、森を出ていくかもしれない、だから、その時のために、精一杯自分が教えられる事を教えるしかない。
マリーはそう思った。
暇があんまない。
暇がたっぷりあるときにかくです