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エピローグになります。
エピローグ
あれ以来、俺の周りから何かが抜け落ちたような、物足りない日々が何日か続いた。
夏休みだっていうのに、勉強にまるで身が入らない。そんな日々だ。
でも、閉鎖的になった訳じゃない。
それに、あの事件がただの思い出になったわけでもない。
俺は、あの事件であらゆる物を失い、あらゆる物を得た。
友達が信じられなくなったとか、そんなことは断じてない。
中村は最後まで沙枝の友達だっただろうし、谷崎も最後まで俺の親友だった。
もちろん俺だって、「出会わなければよかった」なんてことは考えていない。
もう俺の手元には、その身体のビスの一本も残されちゃいないが、それよりも大事なものが残ったと思う。
それが何なのかは、今の俺にはよく分からない。
しかし、それはとても価値のあるものだということは確かだ。
俺はそう信じたい。
沙枝の未来が見える能力だって、前は欲しがってさえいたが、今の俺にはいらない。
無駄な能力というか、見えてしまったら人生、面白くないだろう。
見たくない未来を見ることにもなるかもしれない。
そういう意味では、沙枝は不運だと思う。
どうして改造されたのが沙枝だったのかは、俺には知る由もない。
しかし、沙枝はこれから、その不運を乗り越えるように生きていくだろう。
今どこで沙枝が何をしているのかは分からないし、沙枝もきっと、俺がこうして自分のことを考えているとは思いもしないだろう。
もしかしたら、俺のことを忘れているかもしれない。
もしそうなら、俺はそれでいいと思う。
無かったことにはならないとしても、それで沙枝が楽になるのなら、俺はそれでいい。
俺は一人になった訳じゃない。
今は別の友達と仲良くやってる。
多分、そう谷崎や沙枝は望んでいるだろうから。
沙枝があの時言った言葉もしっかり覚えてる。
あのバカみたいに明るい笑顔で、
「大好きだったよ」
と。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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