無題
掲載日:2026/01/05
指先が
空っぽになっていく
時間に見つめられながら
誰にも触れられなかった感情
骨の奥から
蒸発して
皮膚の内側に
沈んでいく
やわらかい弔辞
窓が送りだす
透過した呼吸
わたしは降りていく
グルグルと回りながら
錆びついた螺旋階段
故郷の海が見える
故郷の山も見える
あるいはモノクロの切手
名前を呼ばれる度に
手首は白く
遠くの屋根は赤い
心臓は濡れて
遺書は愛
重力は
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