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完璧な星

みんな動けない石ころ。

みんな歌が大好き!

でもテレパシーでしか会話できない。


けどけど。

みんなが50音の中,べつべつの一音だけ

音として発することができる。

だからみんな一緒になって歌を歌う。


都合のいいことに。

この星には50個体しかいないから。

誰もあぶれない。

みんなみんな必要なのです。


正確には神様が,

50個体ずつ分けているのだが,

動けないからそれを知ることもない。

自らが下等だということもわからない。


足らないことを知らない世界で,

自分の置かれた場所から聴こえる,見えるものを,仲間と共有して,想像して,

楽しくなって,歌う世界。



✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️


はるか未来。

歌う石を一目見ようと

宇宙旅行に来た1人の地球人。


宇宙旅行が夢なんて昔のはなし。

我々は超高等生物である。

宇宙の果てまでを調査し尽くし,片道170円でどこへだって行けるのだ。


さらに、すごい超高等な科学的なあれで不可視,無気配、環境適応スーツを誰しもが持っており,危険なく星の探索ができるのだ。


しかし、せっかくの日曜日に片道3時間もかけてくるような星ではなかった。

なんてことのない、下等な生物であった。


我々は超高等生物である。

今や誰しもが宇宙統一言語、5万音を駆使して会話をしているのだ。それがこの星では50音。

陳腐な表現。もはや歌でもなんでもない。

不協和音。ごみ。

耳が腐った。


まるで自分のようで陰鬱な気持ちになった。

先日、地球でリストラに遭い、愛すべき妻子とも縁を切られ、明日からは単身、トテモブラック星という星で働くことになるのだ。


呻くだけで何の役にも立たない。

誰からも必要とされない。


不幸、、。


「×××××××××××××××××××××.........」

(もっと楽しい星にくればよかった)



一言そうつぶやくと、地球人は

トテモブラック星に向かうのでした。



✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️

✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️✖️



「あ」、「あ」


「な」、「ん」、「て」


「う」、「れ」、「し」、「い」


「た」、「の」、「し」、「い」


「せ」、「か」、「い」


「せ」、「か」、「い」

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