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魔法使いザラッラ  作者: 浅賀ソルト
“評価不定”の2つの自立
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自分が尊敬される大先輩なのを忘れてた

 こういうときに思うのは、男の好みってみんな違うけど、グループで似た傾向があって、それでもさらに男の好みってみんな違うんだなあということ。

 あと、先に聞いておいて欲しいんだけど、私が生んだ子供の父親は3人とも全部ネゾネズユターダ君だけど、気になった男とはネゾネズユターダ君と付き合っている間にもちゃんと寝てる。年間だと50人から100人くらいは寝てるんじゃないだろうか。

 というわけで現在のレシレカシ魔法学校のいい男ランキングの話には大体ついていける。一方でそのランキングには個性が出てくるので満場一致の一位というものはあまりない。

 ただはっきり分かるのは私以外の女の子は必ず貴族生徒がランキングに入るんだけど、私は貴族生徒をほぼ確実に除外するということである。これは女生徒の側が貴族かそうでないかに関係ない。で、こういう会話をしているときに、貴族生徒の中にもいい男がいると気づく。あの先輩よくないですか?と言われて初めて、「そういえば確かに」と見直す感じ。貴族生徒についてはそういうことが多い。初手ではチェックから漏れる。

 そしてこの卒業を控えた時期は、卒業記念でお願いされることが多く、こっちも卒業前に誘うことが多いので、頻繁にセックスすることになる。年間の数の多くがこの時期と入学直後の時期に集中している。そこで私の選考から漏れた貴族生徒を誘ったりしている。

 みんなは顔とか声とか、そのほか色々なフェチを語るけど、私は完全にエッチの技術が審査基準になるので話が盛り上がる。「そんなこと言うけど、彼はうまい。一度試す価値はある」と私がフォローするとみんなも耳を傾ける。逆に男の顔について熱く語られても私はぴんとこない。顔がいいからって寝たいかというと、必ずしもそういうわけではない。だからスルーしてしまう。これまでも見た目に裏切られたことがたくさんあるので、そこはあてにならないと思っている。

 ネゾネズユターダ君の女生徒の間での評価はやはりあまり高くない。私の目が曇っているのか、それともその魅力にみんなが気づいてないのか判断がつかないところである。今年の彼は9年生の最終学年で先輩として後輩女子から一番モテる年だと思うんだけど、そういうわけでもない。

 一応、客観的に擁護すると、そもそも私がいつも横にいるのでみんながネゾネズユターダ君を無意識に選外にしたり除外している可能性もある。あと、彼は貴族生徒ではないので社会的なハシゴが無い。そして見た目で分かる南西蛮族なので、偏見に負けてしまっている可能性は否めない。

 一方で、私が横にいることでネゾネズユターダ君の注目度やいい男っぷりの評価にバフがかかることもあるだろうし、成績は普通に優秀なので将来性はあるし、南西蛮族であることも、そういう異物であることが男判定においていい方向に働くことも多いので、低評価に納得いかないというかもっと評価されてもいいんじゃないかという気はする。何よりエッチはうまい。一晩中でもイキっぱなしだ。しかし「寝れば分かる」と私が熱く語ったところで生徒たちは微妙な顔しかしない。この反応の理由は、私への遠慮以外に別の理由もあったと後日判明するのだけど。

 いつの間にか食事の手も止めて、女生徒6人に私を入れた7人での、進級前卒業前のこの時期の注目男子の話を大声でしていた。笑い声が非情に下品だったと今になって思う。周囲のみんなには申し訳なかった。

 しかし、あいつ下手そう、あいつ上手そうという話はいつになっても盛り上がるもんである。あと、寝たことのある女子からの実体験報告も差し込まれるので盛り上がらないわけがない。私も気がついたら腹を抱えて大口開けて笑っていた。笑いすぎて涙が出た。「ぎゃはははは!」


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