10 始祖3
始祖3 舞踊拳
雅雄が迷いの森から抜け出て森の外れに立つ。
今回は奥義書の一つ、舞踊拳の発祥の地を探るためだ。
この拳法も謎が多い拳法だ。
拳法の名前から判るように舞を踊るように戦う独特の拳法だった。
創始者は女性らしい。
狼拳の奥義書にはその程度しか書かれていなかったからだ。
雅雄はその記述を参考にこの場所に現れたのだ。
ここが、発祥の地に一番近い森だからだ。
虎拳を創始してから入ったので、その前後数年と思われた。
ここで、舞踊拳について調査して、正確な年代に飛ぶつもりでいた。
迷いの森はこの世界の移動装置も兼ねている。
ただ本体周辺に時空間のゆがみが発生している。
中の一日が外で数年ということもあった。
連続して生活している者には神隠しとかになるので使えないものだ。
雅雄にとって大きく移動するときは気にしない。
そのため、そこそこ便利なものだ。
特に今回のように時代も設定していないと誤差は大きくなる。
ただ森を出た後、近くに人里があることはほとんど無い。
運が良ければ街道があるぐらいなものだ。
三差路の町はそういった意味で特殊なケースだった。
今回は運が良かったようで近くに街道があった。
街道といっても馬車が通れる程度だ。
事故に遭えばそのまま死につながる。
周辺にはなにもないから危険なのだ。
山賊におそわれることもある。
ただ馬車が通れるだけの広さの道だ。
街道にそって森の中を歩いていく。
やがて森は切れて崖沿いの道にさしかかる。
ここを過ぎればまた道は少し広くなりくだりの道が続いている。
しかし山を回ったところで突然道がふさがれた。
崖が崩れていたからだ。
昭雄が見渡すと、大きな石も露出していない。
次の村なり町に報告しておけば直すだろうと考える。
そう軽く考え脇を抜けていこうとした。
もし大きな石があれば人間には手間なので砕いておこうとも思った程度だ。
幸い大きな石はなかった。
大した崖崩れではないので人の力でなんとなると考えた。
そのとき、馬のいななきが聞こえた。
音の主を探していくと下のほうから聞こえてくる。
そして、崖下に馬車が落ちていた。
馬が一頭、瀕死で生きてるからにはまだそんなに時間がたっていない。
面倒だと考えるが馬に罪は無い。
助けられるなら助けようと下に降りていく。
直接降りる道は無かったが川沿いに楽に降りれるところがあった。
馬でも登れるかなと考えながら現場に近づく。
下に着いて思ったのは面倒なことになったということだ。
馬は落下の衝撃で骨折しているだけだった。
すぐに治療して元に戻した。
問題は二人の人間の死体とまだ息のある子供だ。
子供は重傷だが何とか息がある。
もちろん、瀕死だった。
これも縁なので気を注入して助けた。
子供に気を注ぐと反応して気の器ともいうものが出来る。
一郎と大輔の例でそのことが判ってきた。
助けるためにはそれしかなかったので、これも成り行きだ。
器があれば、当然気をためることができた。
気をためるといろいろなことができるようになる。
ただ、普通にしていては気はたまらない。
武術をたしなむ、他人から気を入れる、奥義書の近くにいる。
そういうことで気はたまっていく。
その程度のことは調査済みだった。
子供を治したが、不思議なのは崖から落ちたにしてはおかしな傷があった。
矢の様なものがかすった後だ。
馬車を調べても山賊に襲われたわけではなさそうだ。
馬車に不自然な矢傷は無かったからだ。
事故は単なるがけ崩れだ。
馬が驚いて、暴走して崖下に落ちたように見えた。
二人の死体の身許を調べたがわからなかった。
旅人の中には出身地を隠す者もいる。
そういう者たちなのだろう。
政治亡命のようなものだ。
それなりの身分を感じさせる馬車と荷物だった。
不思議なことはもう一つ、
子供連れなのに子供の服、持ち物が一切見つからないことだ。
子供は5歳の女の子、梓という名前しかわからなかった。
夫婦の子供らしい。
子供は放心していた。
泣き疲れと、空腹のようだ。
当然だ、ついさっきまで重傷で動けなかったのだから。
身許も苗字も不明のまま放っおくわけにもいかない。
馬を連れ子供を抱いてそこを離れる。
死体は気の毒だがこのままにしておいた。
気の保護だけは掛けておくので動物にあらされることは無いはずだ。
この場合、対象は無いので凶暴な獣の殺気と思えばいい。
人間は鈍感なので気づかないものだ。
後で道を直しに来た者達に葬ってもらうのが筋だろう。
今は子供の保護の方が優先だ。
途中で木の実を取って食べさせ空腹を少し緩和させる。
次の村なり町に向かって歩き出した。
そして子供には両親が事故で死んだことをつたえた。
そして財産は馬が一頭だけ、身許は不明なことを教えた。
だが子供は意外なことを言った。
『馬車に乗せられたのはすぐ前だ』というのだ。
あそこにいたのは両親じゃないという。
そして、兄が一人いること、
両親は目の前で殺されたこと、
そして森に入り迷った後拾われたことを言う。
兄が殺される寸前だったので助けてほしいと泣かれた。
とりあえず助けることを約束してその場は納める。
今はこの子の方が優先だった。
雅雄は理解した。
この子は時間流に飲み込まれ出現した直後だった。
出現した場所は雅雄が出てきた森だ。
たまたま助けてくれた人が、事故にあったのだ。
それで馬車にこの子の消息に関してなにも無かったこと。
服さえなかったことの意味がわかった。
今、村か町に向かっていると説明したら素直にしたがう。
半日歩いてようやく村に着いた。
子供は疲れたのか、ぐったりしていた。
ろくな食事もせず丸一日に近い放置状態だったのだ。
いや時間流に巻き込まれる前ならもっとだ。
そして目の前で人が死んでいるのを見ていた。
その影響は計り知れないものがあった。
宿屋に入り部屋を注文すると最初に子供への食事を頼む。
まず子供の腹ごしらえをしないと。
半日どころか昨日の夜から何も食べていないはずだ。
途中の木の実は無いに等しいのだから。
お腹に何かを入れておかないとすぐに活動できないための方便程度だった。
宿の主人に街道の事故のことを説明する。
そして、二人の埋葬をお願いした。
主人には申し訳ないが死んだのはこの子の両親ということにした。
本当のことを言っても信じないだろう。
主人はすぐに村長に知らせるといって出かけていった。
街道は村にとって命綱のようだ、何度も礼を言っていた。
村には良いことをしたようだった。
人がよく通る道でなければそういう情報はなかなか入らない。
こちらから出かけて引き返してきたものしか教えてくれないのだ。
向こうから来る人はいないから当然だ。
だから貴重な情報だった。
宿の女将さんに、この街道がどこへ通じるか聞いた。
驚いたような表情で、峠を越えて聞いたことのある町に通じていた。
常識知らずと思われたようだ。
街道を歩いてきて知らないのだから当然だ。
その町は、あの一郎のいた町だ。
この時代まだはっきり統一した名前がないらしく三叉路の町と呼ばれている。
10年前英雄が町を掃除して住みよい町になったということだ。
最近言われるのは狼道場町と呼ばれていた。
あれから10年たっていた。
そこを出身の狼拳を覚えた用心棒があちこち活躍して名を上げてるとのこと。
そういう雑談をしているうちに子供は雅雄にもたれかかる様に眠っていた。
子供はいつのまにか雅雄になついていた。
女将さんも初めて見たとき孫だと思ったらしい。
事故のことを聞くと同情はするが、この村に余裕はない。
先の町に連れて行ったほうがいいと勧めてくれた。
雅雄はこの世界の人間の暮らしというのが良くわかっていないのを痛感した。
今後を考えるなら人として、しばらく暮らして研究したほうがいいと考えた。
子供を預けて旅を続けるより、子供を育てて研究した方がいいとかんじた。
それと、意外なことを知った。
この村の名前は舞踊拳発祥の町の名前だった。
だから、目の前の子どもは、その創始者だ。
少なくとも、村から町に発展するまでここにいることになることが予想できた。
雅雄はこれも何かの縁だろうと考えて子供の成長を待つつもりだった。
子育てをしながら、地域に溶け込んで行くことを検討する。
それをうまくやらなければ、今後も物事の解決方法が過激になる気がした。
あの三叉路の町の解決法は一郎に言わせるとむちゃくちゃだったらしい。
その判断は正しいと思うのだ。
問題はどうやって地域に溶け込むかだ。
一郎がやったような木の実ではとても生きていけない
それなら手に職を持つことが重要だ。
そこで、女将さんにこの村で足りないものは何か聞いてみた。
ほとんどは自給自足だ。
強いていうなら治療師がいればいいということだった。
この国の治療師はどういう風になるか聞くが知らないという。
力のあるものが、御祈りで直すのが一般的だ。
祈祷師を頼むのはかなりの金持ちしかいない。
それ以外は傷の上に薬草?のような物を張り付けるのが一般的だ。
中にはそういうものを生業とする薬師もいるという。
治療を専門で行う医者というのは存在していなかった。
『その辺を詳しく知っている人があるか』と尋ねる。
村長なら知っているかもしれないと返事があった。
雅雄は子供を預けて村長に会いに行く。
村長は街道のことを知らせてくれた雅雄に対して、感謝していた。
そして気軽に会ってくれた。
医者のことを相談すると、この国では治療師は自由開業とのこと。
逆に『医者とは何か』と言われてしまう。
今までの治療師と一線を画した治療専門家という意味だと伝える。
でも治療師の優遇制度がないという。
患者とのトラブル、薬の入手などは自前でやるということだった。
医者に関して、どうやらまだ国としての組織が確立していない。
どこも自由にやっているらしいのだ。
地方の力のあるものが強引にその地方をまとめているようだ。
だから、怪しい集団も存在していた。
詐欺師のような者たちのことだ。
雅雄はその場で村長に医者を開業したいと申し出た。
そして、村に住まわしてもらう許可をお願いする。
医者が村にいれば助かるのか、村長は喜んで許可を出した。
宿に帰ると子供は目を覚ましていた。
不安だったらしく、雅雄の顔を見ると喜んで迎えてくれる。
宿の主人と女将さんに医者を開業することを伝えた。
雅雄が医者だというと驚いたぐらいだ。
この時代、治療師と言うのは馬車で移動するらしい。
治療が失敗すれば、逃げ出すためだ。
徒歩で来たので単なる旅人だと思っていたようだ。
そこでしばらく、宿を貸してほしいと頼む。
すると主人は家が建つまで宿代は半分でいいと言ってくれる。
そのうえ、ここで開業しても文句は言わないとも提案してくれた。
こうして医者雅雄が誕生、そして雅雄医院が片田舎で始まった。
医者という言葉が本格的に広まり始めた時だ。
梓は雅雄の子供として育てられることになった。
宿の主人が計算違いをしたのは、医者というものだった。
すぐに宿の宿泊施設が医院の入院施設に変ってしまう。
宿代はしっかり取ったので損ではないけど、忙しさが今までの十数倍だ。
月に十人程度だったのが、毎日満室という状態。
忙しさに目が回るという状態になってしまう。
患者の面倒を見るため近所の主婦を雇うまでになった。
雅雄の治療は人の治る速度の半分ほどに力を抑え使用していったことだ。
もちろんそれだけでなく、科学的な根拠のある治療も並行した。
それでも噂は広がり遠くの町からも患者が訪れるようになった。
再起不能といわれた患者が治るのだから当然だ。
貴族といわれる地方の豪族が専属で雇うから来てくれないかという話もあった。
反面、怪しい治療師達からは目の敵にされる嫌がらせもあったが・・・・
弟子になるか?死ぬか?を選ばせたらみんな弟子を選択した。
素直なものだ。
3年後には村が後押しして大きな建物を建ててくれたぐらいだ。
宿の夫婦はそこの管理人としてやってくれることになった。
それと共に雅雄に医術を教えてほしいという人もたくさん現れる。
その間に梓は雅雄の指導で健康法の踊りを覚えていく。
医者を始めてから10年後には白国で一番有名な医者になっていた。
雅雄の医療技術は白国の医療を変えていった。
決して気の治療だけではなく科学的根拠もあるものだ。
王室からも打診はあったが、老人なので勘弁してほしいと断った。
そのころには梓は踊りから気の習得が出来るようになっていた。
雅雄は梓に舞踊拳の奥義書を渡した。
15年後には梓は独立して舞踊拳というものを始める。
梓は美人で優しい道場主ということで特に女性が多かった。
梓が目当てで男も増えていった。
雅雄の指導で開業した医者は白国に30人だ。
そして他国にまで達するほどになる。
その頃には医院は弟子の一人が見ており梓とは特に仲がよかった。
二人が会ってうれしそうに話しているのを良く見かける。
雅雄の外観は70才を過ぎていたので引退を勧められていた。
二人からそのように言われていたからだ。
15年の間に小さな村は様変わりして町といっても良かった。
雅雄はその都度外観をごまかしていたが、梓に見破られるときが来た。
梓の道場は過激な練習をしなくても健康で強くなれるというので人気だ。
それでも中には激しく動かさないと練習にならないと勘違いするものもいた。
誤解して無茶をする者もいる。
いつもなら梓が軽くたしなめていた。
舞踊拳は接触してからの捌きが主流なので早く動かなくていいのだ。
触った時点から攻撃が始まると思えばいい。
たとえ、それが相手からの攻撃でも力を受け流す技を使うだけだった。
その日は不在で練習生しかいなかった。
まだ未熟な練習生が強引に練習相手をさせられる。
強引な技は勢いが付いて相手に襲い掛かった。
仕掛けられたものは力をさばけないまま、二人はからまって場外に倒れる。
その倒れ方が悪かった。
近くで練習していた子供の手の骨を折ってしまう。
梓は、出先で事故のことを聞いた。
付き人としていた少女に雅雄の所に連絡を入れるよう頼む。
この時点すでに雅雄には連絡がわずかな差で入っていた。
梓本人は現場に向かって走る。
すでに気を内包している梓の走りは常人の域をこしていた。
梓は一人で町を歩くときは穏行をかけているので驚かれることはない。
ただ『大変だ』ということで異常な速度で動いていた。
それは雅雄の一般人の常識を超えていたのだ。
開業当初、一部屋しか無いので雅雄は梓の前で患者の治療をしていた。
患部を撫ぜるようにしていた。
その後、いかにも治療らしいことをしてごまかしていたのだが・・・・・
梓にはなんとなく最初の撫ぜる行為だけで、患者の顔が変っているのを見てい
た。
子供の素直な目は先入観が無いので事実だけを見る。
それが治療だったので真実を見抜いていた。
そしていま練習生が事故にあった現場に着く。
梓は、無意識に雅雄と同じことをした。
なんとか治ってほしいと願う気持ちが雅雄と同じことをしていた。
だが最大の違いは雅雄のように力を加減しなかったことだ。
骨が折れて気絶している患者の周りには、同情者と野次馬が居る。
加害者の二人も心配そうに見ていた。
その目の前で折れた骨が復元しまったのだ。
奇跡に対する騒ぎは一気に広がる寸前で周りの人が固まる。
だが力に目覚めた梓には効かない。
なぜ人々が動かないのか疑問に思う。
そこに見たことの無い男の人が入って来た。
恐怖が梓の全身を捕らえる。
気の力に目覚めた梓には、相手の気の大きさが感じられた。
梓など簡単に殺すことが出来る化け物のようなものが近づいてくる。
見たこと無い顔、それも人間離れした美しい顔だ。
ここに居る全員を簡単に殺せる存在。
それは、本能的な力に対する恐怖だった。
男は患者の子供を見る。
骨が完治していることに不審な顔をする。
そして梓の顔を見る。
梓は雅雄がいつも見せている外観を見抜いて雅雄の本体を見ていたのだ。
雅雄は事故の連絡を受けた。
時間は10分前。
梓がいない間の事故だ。
梓は買い物に行ってるので少し遅れるだろう。
いっそ事故がなかったことにしてしまえば穏便にすむと考えた。
当然、梓もこちらに向かうから急がないといけない。
連絡は梓の方が遅れるから処置して暗示をかければ間に合うと考えた。
時間的にはぎりぎりだ。
いそいで現場に向かう。
やはり騒ぎが大きくなっていた。
すでに騒ぎが大きくなっていてはいまさら遅い。
とりあえず、騒ぐのを抑えるため。
『気の開放!』を行う。
そうして、全員を停めた。
子どもが無傷は無理でも捻挫程度にごまかせばまだなんとかなる。
子どもは?
無傷?なぜだ?。
「梓!」
なぜここにいるのだ?
男の態度、しぐさ、そういうものと父親が重なる。
梓の中の恐怖が膨れ上がる。
「梓」と呼ぶ口調はいつもの父親の口調だ。忘れるわけがない。
だが呼ばれた梓はそのギャップに耐えられなかった。
無意識に叫んでいた。
「お父さんはどこ」
雅雄の顔に翳りが浮かぶ。
桜はその変化に簡単に対応していた。
しかし、梓は変化に耐えられなかった。
現実は、桜は自分の力が雅雄から与えられたことを知っていた。
だから恐れなかっただけ。
だが梓は気づいたら知らない怪物が近くにいた。
だから本能的な恐怖を感じただけなのだ。
雅雄は人間界から離れることを決意する。
梓の方は付き合っている恋人が慰めてくれることを期待する。
道場ににいる人間全員に偽の記憶を与え姿を消す。
その後暗示をかけられた全員は怪我がたいしたことではないと知る。
子供が必要以上に騒いだと記憶されていた。
だが梓には効かなかった。
すでに自力で暗示を破る実力を持っていたからだ。
梓は父親のいる医院に顔を出す。
その頃には落ち着いていた。
あの男が自分を育ててくれた人だと認めた。
謝るつもりで、いつもいる場所に顔をだす。
しかし、そこには梓宛の書置きあるだけだ。
本人はすでにいなかった。
傍目には『旅に出るからよろしく』と書かれていた。
気の文字でこれまでのいきさつなど簡単に書かれてある。
さらに『奥義書に気の操作法なども書かれてある』と書かれていた。
あまり全力で力を使わないように注意書きもあった。
それを読む梓の目には涙が出ていた。
自分がなぜあのとき父親を怪物を見るようにみたのか?
恐怖の目で見てしまったのか?
後悔するばかりだ。
数日後、落胆する梓に兄が現れる。
死んだと思っていた兄が現れたのだ。
一つ上の兄が中年になっていた。
そして事情を説明されるが信じられない内容だった。
そして渡された封書。
それには父親と過ごした思い出などがしっかり書き込まれていた。
兄がこれを渡されたのが、二十一年前だということ。
梓は雅雄が人外の神様だと思うしかなかった。
その後、梓はその医院を任されていた恋人と結婚する。
扇 梓と名前を変える。
梓の道場は舞踊拳として医者からの健康法で紹介された。
そして、広く伝わっていった。