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094.闇夜を照らし

 サイアル王国全土で発生した反和国派による一斉蜂起は後に『暁の一撃』と呼ばれる事になる。

 深夜に始まった戦闘は各地で夜が明ける前に次々と勝利を収め、多くの和国人がサイアル人の手にかかり命を落とした。


 また作戦における最重要目的は無事に完遂された。

 王都バーリエンに於けるクアイ・ロン国王陛下救出作戦は、王国政府にわずかに残っていた反和国派の者達の働きもあって、王城から脱出させることに成功した。


 しかし国王陛下が王城から脱出して直ぐの時。

 王都が面する世界最大の湖レイクマンデドゴサの中央、最も深い場所で、突如として爆発が起きた。


 湖から浮上する巨大なそれは、凄まじい熱を放ちながらあっという間に湖を干上がらせ、湖底の岩塊を吹き飛ばした。


 溶岩のごとく燃え上がる紅蓮の岩塊はレイクマンデドゴサの周囲に飛散し、次々と街を襲っていった。

 深夜、という時間帯に襲いかかる天変地異。

 炎はたちまち街に燃え広がり、多くの命を奪っていった。

 和国人も、サイアル人も、罪ある者も、罪なき者も、老若男女、分け隔てすることなく、平等に……。


 それはまるで、エイベルク王国における七竜・山剴竜(さんがいりゅう)復活における悪夢の再来だった。

 犠牲者の数で言えばそれ以上とも言える地獄絵図は、三日三晩続いた。


 なお、犠牲者の一人に、クアイ・ロン国王陛下の実弟、レアイ・ルン王弟陛下がいた。

 今回の騒動の発端とも言える王弟陛下の死によってサイアル王国における和国勢力は急速に力を失っていくことになる。



 一方、湖から浮上した草漠竜は、全身は薄緑色に発光しており、草原がなびくような体毛があった。

 一見すると獣のようにも、鳥のようにも見えた。


 闇に覆われた深夜にも関わらず熱を放って煌々と輝く姿は湖周辺一帯で目撃された。


 そして翼を大きく展開させると、咆哮を上げた。

 空間震わせたそれは遠くエイベルク王国やキチジュ王国にも届いた。


 多くの者が恐怖で身を強張らせ、世の終末を予感するには十分だった。

 それから草漠竜はゆっくりと上空に舞い上がり、王都近くの山奥に着陸したのだった。



 伝説の七竜・草漠竜の復活とそれによる惨劇。

 その事件はまたたく間に世界中へと広まっていくことになる。


 その強化外殻の中、草漠竜(そうばくりゅう)核体(コアボディ)であるアーレスがパチン、と指を鳴らし、得意げに鼻をツン、と上向きに胸を張った。


「ちょっと脅かしてやったぞっ。えへっ☆」

「脅かすって……」


 モニターで惨事を目撃していたゼトラは膝を落とした。

 頭を抱え、青ざめる顔を覆い、涙を零した。


 ――何が勇者だ。これじゃあ……。


「これじゃあ、まるで世界を破滅に招く悪魔じゃないか……」

「ゼトラ……」


 アイビスは言いかけた「仕方ないよ。ゼトラのせいじゃない」という言葉を飲み込んだ。

 しかしそれ以上の、かける言葉は見つからかった。

 共に涙を流し、その肩を抱いて悲しみを共有することしかできなかった。

 フィオリーナもまた涙を零しゼトラを抱きしめる。

 そうする以外、ショックを受けるゼトラを癒やすことはできないと思い……。


 マーカスとメルキュールもまた、ゼトラの姿を沈痛な面持ちで見ていた。


 それ以外にも和国政府の七人委員会、ジドゥ・リェンのことも気にかかる。


 マーカスでさえ敵わない恐るべき相手。

 この世界で一体何が起ころうとしているのか。

 それを思うと言葉は出てこず、ただ唇を噛みしめるしかなかった。


「そうだ、この子を診てよ」

「うーん? どしたどした~?」


 メルキュールが不意に思い出したように、アーレスに声をかけた。

 フィオリーナを指差して、事情を説明した。


 フィオリーナの魔力枯渇体質はその精神魂(アストラルソウル)に寄生する七竜の魂の欠片の影響らしい。

 その寄生する魂がもしアーレスのものなら、それを吸収してフィオリーナの体質は解消されるはずである。


 ふむ?と可愛らしく小首を傾げたアーレスはフィオリーナを見たが、小さく首を振る。


「違うんじゃな~い?」

「はい。そのヒトの発するシグナルとアーレスは一致しません」

「きゃはっ。ごめんね☆」


 言葉のわりに全く悪びれない態度にメルキュールはかすかに苛ついて、自分を落ち着けるようにため息をついた。


「じゃあ、やっぱり……花帖竜(かじょうりゅう)なんだ。フィオリーナに寄生してる魂の欠片って」

「でも既に復活してるんだろ?」

「そうらしいんだけど……なにか分かる?」


 しかしアーレスとカーリーは首を振った。


「妙です。強化外殻は復活していません。その核体も復活したシグナルを発していません」

「どういうこと?」

「クトメさんが言っていた桃色の少女は、自分を花帖竜だって言っていたらしいぜ」

「ふむ……」


 カーリーが何か考えるような仕草をして首を傾げる。


「対応マニュアルにこのようなケースは想定されていないようで、存在しません。ひょっとしたら極めてイレギュラーなアクシデントがあったのかもしれません」

「そっか……。じゃあ結局はユングスタインにいかなくちゃいけないわね、封印石のある地に……」

「ああ、それとアリス様の救出もな……」


 マーカスとメルキュールが頷き合う。

 だがその二つの目的を達するにはゼトラが再び立ち上がる必要がある。

 ゼトラには惨事を引き起こしてなお、立ち上がる勇気はまだ残っているのか。


 自然とゼトラに注目が集まった。


「……行こう。それでも……行かなくちゃ……」


 少女たちを支えにして、ゆっくりと立ち上がったゼトラの瞳は濡れていた。

 歯を食いしばり、それでも、という思いを込めて一歩前に踏み出す。


「あんま無理すんな。少しはゆっくりしようぜ」


 マーカスが気遣って、モニターを指差す。


「幸い、ヌグアイ・ダンキエムの近くみたいだぜ」


 モニターには昨夜まで滞在していた山と森の境界の街が映っていた。




 夜が明けて、常夏の国の山地にも暖かな光が差し込んできた。

 しかし『明けの明星』が泊まる宿の一室、ベッドの上で、ゼトラはただ目を瞑り、惨劇を思い出していた。


 あれを止めることはできなかったのか。

 何度もそう自答して、止めなくちゃいけなかったんだ、という答えを出す。


 でもどうすれば?という次の疑問には答えを出せずまた最初に戻る、という事を繰り返していた。


 そんなゼトラの横でアイビスとフィオリーナと寄り添っていた。

 何も言わず、何も聞かず。


 昨夜は早い時間に眠りについたものの、緊張のあまりあまり寝付けなかった。

 宿に戻ってからもすぐに夜が明けたが、やはりウトウトとして寝付けていない。


 ゼトラに寄り添い、微睡む心地よさに身を委ねていた。



 いつもの朝食の時間になって、くぅ、とお腹があげる小さな悲鳴。

 フィオリーナがソワと動きと舌を出した。


「お腹すいちゃったね」


 首をすくめるフィオリーナに、アイビスが微笑んだ。


「何かもらってくるね……」

「うん、ありがとー」


 アイビスがいそいそと食堂に向かうのを見送ったが、ゼトラは反応することなく、ぼんやりと天井を見上げながら朝の光に目を瞑るのだった。



 アイビスが用意してくれたサンドイッチと野菜ジュースにモソモソと手を付けたが、会話はなかった。

 ゼトラの心ここあらず、と口に手を運ぶ姿を見ても、フィオリーナに掛ける言葉は見つからない。


「ありがとう、ごちそうさま。美味しかったよ」

「うん……」


 そうこうしているうちに食べ終わり、ニコリとゼトラは笑った。だがそれはあまりにも痛々しく、アイビスは思わず涙ぐんだ。


「ソース、ついてるよ……」


 そう言ってゼトラの口元に唇を押し当てた。


「あ、ここにもー」


 今度はフィオリーナが頬に唇を押し当てる。


「……」

「……」

「……」

「……そんなにソースべったりだった?」


 随分と長い時間そうしていている内に、ゼトラがクスクスと笑い出し、二人を引き剥がす。

 ようやく戻ってきた笑顔にアイビスは頬に伝う涙を拭いて笑い返す。


「少し元気でてきた?」

「うん、ありがとね」

「よかった!」


 フィオリーナも笑って、涙を拭う。


 ふぅ、と大きく息を吐いて外を見るゼトラ。

 朝の光は次第に熱を増し、高地帯にあっても常夏の国に相応しい暑さが差し込んでくる。

 むわっと熱気が甘いフルーツの匂いを伴って部屋に漂ってきた。

 それを邪魔するようにアイビスが断つと、視線を遮った。


「ね」

「うん?」

「大丈夫? おっぱい揉む?」

「えっ……」


 ゼトラはキョトンとしてアイビスを見上げた。

 その頬は恥ずかしさに赤くなり、少し視線を外していたが、自分で胸を持ち上げて、どう?と尋ねる。


「くくく……」


 ゼトラが我慢しきれず笑い出した。


「あはは!」


 笑い声はさらに大きくなって、腹を抱える。


「うー……」


 恥ずかしさのあまりアイビスは顔を紅潮させて、口を尖らせる。

 フィオリーナもゼトラに釣られて笑い声を上げた。


「ありがとう、でもこうさせて」


 そう言うとアイビスをベッドに押し倒し胸に顔を埋める。


「フィオも……いい?」

「うん!」


 フィオの腰を抱き寄せてその胸に耳を押し当てた。

 両耳に二人の高鳴る心臓の音がトクトクと聞こえてきて、目を閉じた。

 眼前に失われていく生命を思い出すかのように。


 もし母アリスだったなら「もう、しょうがない子ね」など言うだろうか。

 その温もりの中で思い出していた。


 ゼトラは五歳の時、アリスと別れた。

 その時もアリスの胸に抱かれて「ごめんね」と何度も頭を撫でられた。


 ゼトラは泣いた。

 泣きに泣いた。


 母の背中を追ったが、転送の祠の中で消えていくのを見送るだけだった。


 アリスの代わりに、と母親代わりを買って出たヒト族の女性がいて、実の子のように可愛がってくれた。

 それで一時は寂しさは紛らわせてくれたが、やはり一人で寝る夜は寂しかった。


 それはそれから二年経ち……七歳の頃に異変となって現れる。

 それまでどこにでもいるような普通の子だったゼトラは人外の力を発揮し始めた。


 くしゃみ一つで屋根が吹き飛び、駆ければ空を飛び、撫でただけで岩を砕く恐るべき力にゼトラは戸惑った。

 一番の問題は、力が制御できない事だった。


 寂しさで零した涙は大雨となり、母を呼ぶ声は大気を震わし、放った魔力は生まれ育った山を穿ち、砕けた岩塊は隕石となって降り注いだ。


 シニキヒルの大人たちは懸命になだめた。文字通り、命を懸けて。


「お母さんを探しにいきたいなら、その力を制御できるようになりなさい」


 母親代わりの女性の言葉を信じてゼトラは己と向き合い『内なる自分』に眩い輝きを見つけたのはそれからすぐのことである。


 ――今にして思えば、あの時もみんなをヒドい目に合わせたんだ。


 幼い頃の記憶を思い出し、また落ち込むようにため息をつく。

 そんなゼトラを胸元に押し込めてアイビスとフィオリーナは愛おしそうに頭を撫でた。


 頭を撫でる感触に、心地ようさそうに目を閉じてゼトラは頷いた。


 ――そうだ。母さんを助けにいくんだ。


 アリスは和国に囚われたと言う。

 場所も分かっている。秀和魔法研究所と言うらしい。


 花帖竜の事もある。

 和国に連れ去られたのが本当に核体(コアボディ)の少女なのかは分からない。

 それを確かめるためにはユングスタインに行かねばならない。

 花帖竜とフィオリーナを引き合わせれば、魔力枯渇体質が治るはずだ。

 いつまでも愛する女の子を苦しませることはしたくない、という思いを改めて強くした。


 サイアルを襲った悲劇はゼトラの責任と問いつめる声はあるだろう。

 それを罪と言うなら、いつか償わなければならない。

 だが今はその時ではない。


 今はただ、一歩だけ前に。

 ゼトラを愛してくれる二人の少女と、かけがえのない仲間と共に。


「よし!」


 やおら立ち上がり、ゼトラは気合を入れて自らの頬を叩いた。


「ありがとう! 元気でた!」

「うん!」

「うん……!」


 頬に咲いた紅葉にアイビスとフィオリーナは少しびっくりして、笑って頷く。


「マーカスとメルキュールは?」

「まだ寝てるみたい」

「そっか。じゃあ僕たちも少し寝とこうか」

「あ、じゃあ……お風呂入らない?」


 おずおずとアイビスが顔を赤らめながら上目遣いで見る。

 そう言えばあれから汗まみれのままだった。


「そうだね!」


 少女たちの手を取ってバスルームに飛び込むのだった。




 夕刻になってようやく一同介したところに、ミヒャエルも顔を出した。


「ミヒャエル! 怪我はないかい?」

「ハッ、この通り、いささかも」


 ニッと笑ってミヒャエルが頷く。

 ミヒャエルもまたピオルパィエ奪還作戦に参加して多くの和国兵と戦った。


 かつてアリスと共に戦った歴戦の勇士の活躍は目覚ましく、その活躍もあって街を守る和国兵の多くの戦力を割かざるを得なかった。

 そのおかげでゼトラたちは封印石の所まで難なくたどり着けたとも言える。


「そうか。苦労をかけたな」

「いえ。ゼトラ様の御為ならこの程度は」

「これからも頼む」

「ハッ!」


 すっかり乗り越えたゼトラを見てマーカスとメルキュールは視線を合わせて微笑む。

 そんなゼトラを誇らしげに見上げて頬を染める少女の目を見れば、きっとゼトラを立ち直らせたのはアイビスとフィオリーナのおかげなのだろう、と直ぐに想像がついた。


「何やら、国王陛下もこの街に逃げてきたらしいぜ」

「へぇ?」

「もしよろしければ夕食をご一緒に、だと」

「そっか……わかった」


 復活の惨事について何か言われるだろうか、と心はチクリと痛んだがそれもまた正面から受け止めなければならないこと。

 ゼトラは力強く頷いて会食の場へと案内されたのだった。


 クアイ・ロン・サイアル国王陛下は年は四十代後半の顔つきで黒い髪に白髪が混じり始めていた。

 身なりは着の身着のままながら上品な普段着で多少薄汚れてはいたが、威圧感を損なうものではなかった。


 ここ最近の和国派との政治闘争でかなり焦燥したようで、その顔つきには多少疲れは見えた。

 だがその瞳は決して枯れておらず活力を漲らせてゼトラと握手を交わした。


「お初にお目にかかる、ゼトラ殿下」

「国王陛下もよくぞご無事で」

「うむ。あの混乱の中で余も城下に残ると言ったのだが、今はとにかく安全な場所にと、皆に背中を押されてここにいる次第だ。数日待って落ち着いた頃には王都に戻るつもりでいる」

「それがよろしいかと存じます」

「ああ。さて、件の七竜だが……」

「はい……」


 何を言われるのか、と少し警戒しつつゼトラは背筋を伸ばす。

 いかなる誹りを受けようとも、それを全て受け入れようと。


 しかし意外にもクアイ・ロン国王陛下は満面の笑みを浮かべてゼトラの肩を叩いた。


「いや見事である。あのような人知を超えた存在を目の前にする機会があろうとはな」


 そう言って窓の外に視線を向けて、夕日に照らされた待機状態の草漠竜を見上げた。

 山の頂上を寝床に座して、薄緑色の体表が風に吹かれて草原のようになびく美しい姿に、惚れ惚れとして満足そうに頷いた。


「ですが……復活したせいで多くの方が命を落としました。街を襲った炎はなお収まっていないと聞いています」


 ゼトラは俯いて、唇を噛みしめる。

 だがクアイ・ロン国王陛下は首を振り、またゼトラの肩に手を置いた。


「気にするな、とは言うまい。しかしゼトラ殿下のせいではない。これもまた一つの運命なのだと余は思う。人類が『極めて深刻な(カタストロフィック)脅威(ディザスター)』と立ち向かうための、な」

「しかし……」

「無論、余とて心は痛む。よくよく国民の声に耳を傾け、心を安んじなければならぬ」

「はい……」

「それは余の仕事である。ゼトラ殿下は気に病むなとは言わぬ。しかし囚われてはならぬ。ただ前を征け。我ら人類を導く光たれ。勇者たれ。それがゼトラ殿下に課せられた、宿命(さだめ)なのだ」


 クアイ・ロン国王陛下の言葉に、ゼトラは胸を打たれた。

 心を大きく揺さぶられた。


 瞳を潤ませて、しかし力強く頷いた。


「はい!」

「うむ! よき返事だ。若者はいつまでも立ち止まってはならぬ。脇目も振らず前に進むこそ若者の特権ぞ!」


 勇気づけるようにゼトラと握手を交わすと用意された食卓に手を伸ばしたのだった。




 食事が終わり、明日からどうするべきか。『明けの明星』は議論を重ねていた。

 アリスを救出するため和国へ乗り込むか、ユングスタインに行くべきか、いくつもの可能性を考えながら激論を重ねていた時、通信が入った。


 どうやらリンクドスネイルの通信は和国によって妨害されていたようで、昨日の襲撃で妨害していた施設を破壊したらしい。


 ようやく復活した通信の主は、レイモンド・フォークだった。


「ゼトラ様、ご無事でございましたか」

「うん。仔細ない。無事に草漠竜は復活したよ。あとはユングスタインに眠る花帖竜を残すだけになった」

「おおっ、それはようございました……」


 レイモンドの声は喜ぶようにも聞こえたが、すぼむような言葉尻にゼトラが首を傾げる。


「なにかあったか?」

「はッ……。一度エイベルクまでお戻りできませんか?」


 その言葉の深刻さに、ゼトラの表情が曇る。


「民衆が暴発間近となっており、ゼトラ様に合わせろ、と」


 エイベルクにはレイモンドだけではなく、オリバー・レクツァトやダニエル・アルベルトにも結集するユングスタイン人を抑えるように依頼していたが、それでも収まりがつかなくなっているらしい。

 再興する気はあるのか、といきり立っていると言う。


「……わかった。明日朝には向かう、と伝えてくれ」

「畏まりました」


 飛空艇がグランマリナ城に着艇することを連絡しておくように、と申し付けて通信を切った。


 ふぅ、と息を吐きマーカスとメルキュール、そして心配そうに見守る両脇の少女に目を向ける。


「大丈夫」


 それだけ言って安心させるようにアイビスとフィオリーナを抱き寄せた。



 五人の旅は、いよいよ終着に向けて動き出す。

 向かう先はこれまで影に日向に関わりのあった因縁の国、秀和神民調和国。

予告。

勇者は再び立ち上がる。

人類を、世界を救うために。

暴走するユングスタインの再興を求める声に、どう応えるのか。



次回、最終章 和国編「095.再興軍結成」

お楽しみに。


ブクマ、評価をつけて頂き御礼申し上げます。

本当にありがとうございます。

ブクマ、評価、感想などいただけると嬉しいです。

次回更新は2020年12月7日お昼頃の予定です。

よろしくお願いいたします。

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