表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/120

088.赤道下の混乱

 サイアル王国の北の端。

 海峡を挟んで北に和国と接するレイバリ島という大きな島があった。

 島の海岸、砂浜に乗り上げた小型の船から黒の集団が続々と上陸していた。


 その出で立ちは全身黒装束に、黒のフェイスマスク。

 目元以外は隠されてその腰元には抜身の片刃のナイフが二本。

 和国の隠密部隊だった。


「とまれッ! これは侵略行為だぞッ!」


 サイアル王国の何人かの国境警備兵がそれを食い止めようと、物理遮断結界を発動させたが、結界に触れた和国兵によって強制解除された。


「この……ッ!」


 抜刀して隊列を組んだ和国兵が、無言でただ進み来るのを食い止めようと、サイアル王国兵がシックルと呼ばれる湾曲した剣を振りかぶった。

 だがその勢いを止めることはできず、ただ一刀の元に突き伏せられた。


 和国兵がサイアル王国の島に侵犯行為をしてまで強行上陸し、向かう先。

 そこは和国の反体制派が集う小さな集落があった。


 和国兵を迎え撃とうと、集落から慌ただしく武装した民が飛び出してきて、バリケードを築く。


 そして集落の一角、白亜の宮殿のごとく、一際目立つ屋敷があった。

 その一室にはヒトの自毛としてはありえない桃色の髪をツインテールに揺らす少女。

 窓から覗く外の喧騒を見て、口角をニッと上げた。


「ファジァ様、お逃げください。和国の手の者が、すぐそこまで……ッ!」


 その一室に、一人の老人が駆け込んできた。

 老人を一瞥して、ファジャと呼ばれた少女が肩をすくめる。


「あらっ。どこに逃げるっていうの? こんな島の中じゃ、すぐに捕まっちゃうわ」


 身に危険が及んでいるというのに、まるで緊張感がない様子に老人が苛立ってその手を掴む。

 しかしそれを振り払うと、腕組した。


「いいじゃない。いよいよ勇者様が迫っていてあいつらも焦ってるんでしょう? 私の力が欲しくってたまらないんだわ。ウフフ」

「これは遊びではないのです! 和国と対抗するためには、御身が無事なればこそ……!」

「触るなッ! ヒト風情が穢らわしい!」

「しかし……ッ!」


 押し問答をしているうちに、部屋の扉が乱暴に開かれた。

 足音も立てずに、和国の兵が忍び入る。

 殺気を放つこともせず、冷淡に両手に片刃のナイフを携えた所を見るに、部屋の主を目的の者と認めたようである。


「くッ……早い……!」

「あらっ、騒がしいわねー」


 老人が腰元からダガーナイフを構え、その刃を和国の兵に向けようとした。

 だがその瞬間に、膝をついて血を吐く。


「お逃げください……」


 胸元に深々と突きたてられたナイフを抜こうと、一瞬、手を空に泳がせたが、床に臥して絶命した。


「あーあ。せっかくの可愛いお洋服に、血がついちゃったじゃない。もっと丁重に扱ってほしいわ」

「……」


 可愛らしく抗議するファジャに、和国兵はただ沈黙を保ち、その背後に回った。


「別に、抵抗しやしないわ」


 突きつけられたナイフに促されて、取り囲まれたファジャが平然とした表情で連行されていく。


「ねね。私どこに連れていかれちゃうのかしら?」

「……」

「ったく無愛想ねー」

「知る必要はない」


 ただ一言、ボソリと応えた和国兵。ファジャがニコリと笑い、大げさな仕草で腰をくねらせた。


「あぁっ、勇者様~! あなたのヒロインが拐われそうです~! 助けにいらして~!」

「黙れ」


 (すご)むような声に、おどけたようにクスクスと笑うファジャは、和国兵に囲まれて集落を後にしたのだった。


 船底の一室にファジャを閉じ込めた船が、北へ、和国へと戻っていく。

 その船上、一人の和国兵が船頭に耳打ちした。


「シャング様、かの娘『明けの明星』の一人に似ています」

「ほう?」

「この娘……フィオリーナ・ルシフェルドに」


 胸元から取り出した、一枚の写真。

 そこには街なかを笑顔で旅する『明けの明星』五人の姿が映っていた。

 桃色の髪以外、顔つきはほぼそのまま、と言っていいほどにファジャとフィオリーナはよく似ていた。


「よく気づいたな。褒美をやろう」

「え? あ……」


 シャング、と呼ばれた男が目にも留まらぬ手付きで和国兵の腹に突き立てたナイフ。

 急所を貫き、急激に失われていく血液。

 和国兵が膝を付き、そのまま昏倒した。

 その和国兵は薄れゆく意識の中で、和国隠密部隊『闇の爪』の鉄則に、気づいてはいけないこと、気づいたとしても、それを誰にも漏らしてはいけないことがある、というものを思い出していた。


 ――これがそうだったのか。


 それがその男が途絶える意識の中で呟いた、最後の言葉だった。


「片付けておけ。秀和の輝きの元、天に召されるだろう」

「……ハッ」


 胸に手を添えて天に祈るような仕草で仰ぐシャング。

 それを見ていた他の者が、黙々と死体から服装を始め何から何まで全て剥ぎ取ると、波打つ海に投げ棄てた。




 それから数時間後のレイバリ島。

 火をつけられて燃え盛る集落の煙を、サイアル王国兵たちが呆然としながら見上げていた。

 肉と木が焼ける匂いは吐き気を催す生臭さとなってあたりに立ち込めた。

 島の住人たちが野次馬となってその凄惨な現場に恐怖で顔を引きつらせていた。


 集落の惨状を確認した一人の王国兵が、兵隊長の元に駆け寄る。


「生存者は?」

「いません。いずれもナイフらしきもので一突きです」


 力なく首を振る王国兵。

 舌打ちした兵隊長が、拳を震わせ地団駄を踏んだ。


「和国の暗殺部隊か……ッ! おのれ……平然と侵犯してくる横暴……。何故、王国政府はまともに抗しないのか……!」

「やられました……。まさか侵犯してまで拐いにくるとは」

「我々の切り札が……クソッ」


 怨嗟の声を絞り出し、鎮火作業へと移るのだった。

 その様子を島の住人、野次馬たちに混じって見つめる、一人の男がいた。


「……遅かったか……」


 ボソリと呟き、野次馬の輪から外れる。


 身なりこそ絹布で出来たヴァイマトと呼ばれるサイアル王国伝統衣装に身にまとって民衆に溶け込んでいるが、その顔つきはいわゆる北国系のもの。


 その人こそ、ミヒャエル・アインホルンである。

 カールウェルズ魔創公国でゼトラと別れを告げたミヒャエルは、国境都市ニアベルクでオリバー・レクツァトと、王都グランマリナでダニエル・アルベルトと旧交を深めた後、東へ。和国とサイアル王国を目指した。

 その目的はゼトラの母であり行方不明となっている主、アリスの姿を探すことである。

 和国を経由してから無事にサイアル王国へと入国した後、冒険者ギルドに入り込み、噂好きの現地の冒険者と懇意になっていくつかの情報を入手した。


 一つはアリスと思しき北国系の勇敢な女性冒険者の活躍。

 そしてもう一つの情報が、ミヒャエルを慌てさせた。


 サイアル王国の北、レイバリと呼ばれる島に、密かに匿まわれている女がいるらしい。

 同時に、和国がその女を拐おうと計画しているらしい。


 まさか、と思い、早速駆けつけたが、既に和国の兵の襲撃に遭ったようである。


「あの集落、何故襲われたんだ?」

「さてな?」


 野次馬の一人、島の男を捕まえて、聞き出そうとした。

 だがミヒャエルを渡来の者と見て、明らかにぞんざいに扱うように、はぐらかされた。


 ――何か知っている。


 そう勘付いたミヒャエルは、男の手を取って、銀貨十枚を握らせた。

 銀貨を数えて、男はニヤリと笑い小声で耳元に囁く。


「あの集落には桃色の髪の女がいたんだ。現地の人間じゃねぇ。狙いは多分その女だろうな」

「桃色の……そうか、ありがとう」


 アリスは当然、桃色の髪ではない。

 そもそも、あのような襲撃など返り討ちにしてしまうような人だ。


 ――人違いだったか……。


 腕組して、ひと目のつかない物陰に隠れると、リンクドスネールを起動させて、ゼトラを喚び出した。



「ミヒャエルか。久しいな、息災だったか」


 カールウェルズ魔創公国で別れを告げて以来、久しぶりに聞いたゼトラの声に、ミヒャエルは図らずも一瞬、言葉を詰まらせた。

 やはり、ミヒャエルにとってもゼトラの存在は大きくなっているようである。

 アリスに永遠の忠義を誓いはしたが、事実上、ゼトラを自らの新たな主君と定めていたことを思わぬ形で自覚した。


「ありがたきお言葉。ゼトラ様は、今どちらに?」

「サイアル王国に向かっているところだ」


 その答えに、思わず「おぉ」と歓喜の声を漏らした。


「……実は私めもサイアル王国におります。和国と北に接する、レイバリと呼ばれる島に」

「そうだったか! 何か分かったのか?」

「はい。アリス様の足跡をいくつか見つけました」


 ミヒャエルの報告に、リンクドスネールの向こうからゼトラだけではなく、マーカスやメルキュールの喜び、驚く声が微かに聞こえた。


「そうか……! それで?」

「お話は直接がよろしいかと存じます。合流するのは如何でしょう」

「分かった。今から王都バーリエンに向かうところだが……」

「王都ですか……」


 サイアル王国王都バーリエン。

 サイアル王国を南北に貫く大河を遡上すると、海と見紛うほどの大きな湖がある。

 赤道化、世界最大の湖、レイクマンデドゴサと呼ばれていた。

 その南の湖岸に、王都バーリエンが築かれていた。


 ミヒャエルも当初、サイアル王国の北の街ヴィエトに上陸した後、王都バーリエンに向かうことを考えていた。

 だが、ヴィエトの冒険者ギルドで情報を集めている内に、王都は和国の者であふれ、政府諸大臣のほとんどが和国に与していると知って、潜入することに躊躇した。

 政府の人間ですらそうなのだから、城下の民など言わずもがな。


 ほぼ間違いなく、ゼトラは和国に目をつけられている。

 拘束される、とまでは言わないまでもその身を案じた。万が一のことを考えて、それを止めようと思うのは当然のことだった。


「恐れながら、それはよしておいた方がよいかもしれません」

「どういうことだ?」

「政府内に相当和国の毒が回っているようです。誰が敵で、誰が味方かわかりづらく……。危険かと」

「……」


 返ってきたのは沈黙だった。

 ゼトラなりにミヒャエルの進言した意味を理解しているのだろう。

 その沈黙には、それでも、という思いが伝わってくるのがミヒャエルにも感じ取れた。


「……いかれるのですね」

「そうだな……。避けてはいけないと思う」


 通信の向こうで頷くゼトラの姿を想像できて、ミヒャエルも頷き返す。


「畏まりました。どうかお気をつけて……。では王都の冒険者ギルドにてお会いしましょう」

「わかった」


 王都も、その城下町も和国の目が張ってあり、何かと動きづらいだろう。

 だが政治的中立を保つ冒険者ギルドであれば、まだ救いはあるはずだ。

 安全であるはずだ。


 世界各地の冒険者ギルドにゼトラのことは伝わっているはずである。


 何かあれば保護してくれるはずだ。

 そう信じるしかなかった。


 そこで通信を切って、無茶をする新たな主君の無事を祈り、天を仰ぐのだった。



 その時、背後の草むらに気配を察したミヒャエルが、身をかがめて腰元のダガーナイフを抜いた。

 振り向いて、鋭い眼光を飛ばす。


「誰だ」

「おっと、驚かすつもりじゃなかったんだ」


 茂みから両手を上げて顔を出すと、ニカッと白い歯を見せながら人懐っこい笑顔で笑いかける。


「尾行ならもっと上手くやるんだな」

「そう脅かすなよ。あんた、ユングスタイン人だろ?」

「……」


 その瞳には敵意は感じられない。

 あくまでミヒャエルの様子を伺っていただけなのだろう。


 だが問われた所でそれを肯定するほど、ミヒャエルは警戒心を緩めていない。

 最大限に警戒を高めながら、人懐こそうな笑顔を浮かべる男を睨みつける。


 顔立ちこそサイアル王国の現地人に近いか。

 太い眉とホリの深い目はいわゆる中東系、アルアリル地方の人間にも見える。

 いわゆるハーフ、ミックス系なのだろう。


 警戒するミヒャエルを解きほぐそうと、なおも笑顔を見せながら、その男が肩をすくめる。


「ここらじゃ目立つ顔立ちでそんなに睨みつけられてもな」

「何の用だ」

「……多分、俺はあんたの味方だぜ」


 意外、という程ではないが、その言葉にミヒャエルの心は一瞬動いた。

 何故この男は自分の味方だ、というのか、興味が湧いたのは事実である。


 それだけに何故ミヒャエルの信を得ようとする言葉を発してきたのか、ますます警戒を深める結果にはなった。


「どういうことだ?」


 なおも警戒を緩めないミヒャエルに、男はニヤリとほくそ笑んだ。

 その笑顔はどこか作り笑いのようにも見えて、ミヒャエルはわずかに目を細めて周囲の様子を密かに探る。


 どうやら取り囲まれている気配は感じない。

 単独行動だろうか。


 ミヒャエルをユングスタイン人と見た上で、あえて接触を図ってきた、という事か。

 その意図の裏に何があるのか慎重に見定めようと、ミヒャエルは構えたダガーナイフの刃を揺らし、発言を促す。


「アリス・ユングスタインを探してるんだろう?」

「……」


 ミヒャエルは自分の考えていることを悟られないように、ギリギリの所でポーカーフェースを保てたが、心臓はドキリと一際大きく高鳴った。


 この男は、ミヒャエルが探し求める主、アリスアトラ・ユングスタインの居場所を知っていると言うのか。

 或いは別の意図を持って、心を惑わそうとしているだけなのか。


 ミヒャエルは警戒を解こうとせず、また表情も変えず、睨みつけた。


 ――この男、何を考えている?


 何故ミヒャエルの目的を言い当てたのか。

 それを探る必要もある。


 到底その男の問いにも答えることはできず、どうやってそれを聞き出そうか、と考えを張り巡らせながらその瞳を見据えた。


 だが男は、その視線に耐えきれない、といった様子でおどけるように肩をすくめた。


「分かった、分かった。自己紹介といこうじゃないか」

「……」


 トントン、と胸を指差してニカッと白い歯を見せた。


「俺の名前はジョエル・クラージュ。和国政府反体制派の端くれさ。」

「反体制派……?」


 ジョエル・クラージュ。

 ゼトラたち『明けの明星』がエイベルク王国からカールウェルズ魔創公国へ向かう旅路の途中、陰からつきまとい、ゼトラの正体を密かに探ろうとしていた冒険者である。

 二度起きた魔獣氾濫騒動に、二度とも居合わせたことでメルキュールに騒動を起こした張本人ではないか、と疑われた。

 だがジョエルの下手な尾行に嫌気がさしたマーカスに脅され、その正体を和国政府反体制派、と懸命に弁明した。

 マーカスに詰問されて、本国へ召還されるだろうと言っていたが、その男は今、サイアル王国にいた。

 ジョエルはサイアル王国の北の島、レイバリ島で何をしていたのか。


 それは反和国派のスカウトである。


 サイアル王国は現在、表立った動きこそ見えないが、極めて危機的な状況にあった。

 政府内部はほぼ全てが和国の意を汲む者で占められていた。


 サイアル王国はもはや和国の従属国同然の位置にまで自ら成り下がろうとしている。

 その事を危惧した憂国の士が、反和国派を結成した。

 和国に立ち向かう力を結集するため、戦力になりそうな者を反和国派へ導くため、王国各地にジョエルのような自由に動ける者を放っていた。


 そして同時に、召還されたジョエルがもたらしたゼトラの情報。

 やはりゼトラ・ユーベルクはユングスタイン亡王国の王子だった。


 絶後の活躍を見せるゼトラには、なんとしても反和国の旗印として先頭に立ってもらいたい。

 ユングスタイン王国の再興と共に、和国の勢いを削ぎたい。

 その思惑を前提として、特にユングスタイン人を反和国派へ引き込むことに熱心だった。


 またゼトラは密かに母、アリス・ユングスタインを探しているらしい。


 もし、どうしてここにユングスタイン人が、と思える場所で見かけたら、それは恐らくアリス・ユングスタインを探っている可能性が高い。


「我々はアリス・ユングスタインの足跡を追っている。その情報を餌に、反和国派(こちらがわ)へ引き込むのだ」


 反和国派の会合で与えられた任を忠実に果たすため、ジョエルはレイバリ島を訪れていた。


 その目的はレイバリ島に於ける反和国派との打ち合わせである。

 和国が襲撃する可能性がある。早々に移動した方がいい、という内容だったがわずかに遅かった。


 だが幸か不幸か、その集落に入る前に、和国隠密部隊の襲撃の現場に遭遇した。


 顔を青ざめさせて森の中からそれを見つめていたジョエルは、次第に集まる野次馬の中にミヒャエルの姿を見つけた。


 もしや、と思いその後を追った。


「サイアル王国は和国に乗っ取られようとしている。だから今は、一人でも多く駒が欲しい。俺たちはアリス・ユングスタインが囚われているらしい、とされる場所を知っている。その情報を提供する代わりに、力を貸してくれ」

「囚われている……ッ!?」

「ああ、そうだ」


 ジョエルの口から飛び出したアリスが囚われている、という情報にはさすがのミヒャエルも驚きを隠せなかった。

 アリスの剣の冴えも、魔法技術の高さも世界でも屈指の実力であることは、自らその剣の技術を教えたミヒャエルが何よりも知っている。

 そのアリスを以て囚えられたとは、ただ事ではない。

 その言葉が真であるか、偽であるか、それを確かめるためにもジョエルの提案に乗る以外に選択肢はなかった。


「……代わりに何をやらせるつもりだ」

「間もなく、ゼトラってやつが、とある場所に行かなくちゃいけなくなる。だがそこは和国に占領されちまってて近づけねぇんだ。その場所を襲撃するための戦力。そいつを期待してる」


 ――このジョエルという男は、ゼトラ様を知っている。


 それを察したミヒャエルは、考え込んだ。

 ジョエルの言うことが真であるならば……。


 ――とある場所……。七竜の封印石のことか?


 七竜や封印石の情報は王国政府が一手に握っていて明かされることはない。

 その情報をジョエルたち反和国派が知っているということは、王国政府内部、中枢に近い所にも反和国派の協力者が居るということだろう。

 だが、封印石を和国に占領されている、とは一体どういうことか。

 そしてそれを排除することなく、そのままにしているという事は……。


 つまりサイアル王国はゼトラに協力する気は一切ない、という事だ。

 サイアル王国内部は、既に和国の手に落ちていると見るべきだ。

 そこに現れる、煙たい存在であるゼトラ。


 ――だとしたら、ゼトラ様が危ない……!


 ミヒャエルは焦燥を隠さず、リンクドスネールを起動させた。

 だがその通信は何かに妨害されたように反応することはなかった。

予告。

サイアル王国を訪れた『明けの明星』

向けられる殺意の前に困惑を隠せない。

辛うじて脱出した『明けの明星』が向かう先にあったものとは。



次回「089.反和国派の結集」

お楽しみに。


ブクマ、評価をつけて頂き御礼申し上げます。

本当にありがとうございます。

ブクマ、評価、感想などいただけると嬉しいです。

次回更新は2020年12月1日お昼頃の予定です。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ