035.森の試練を超えて
森へ一歩踏み入っただけで発動するエルフ族の幻覚魔法に動揺したものの、メルキュールが展開した対幻覚魔法特化結界は有効に働いているようである。
先は深い木々に覆われて判然としないものの、幻覚魔法の作用がないことを確認した一行は、慎重に一歩づつ歩みを進めていく。
だが先を進む度に、かかる幻覚魔法の強度が跳ね上がっているのも事実だった。
気を抜けば自分がどこいいるのか、前を歩いているのか後ろ向きに歩いているのか、横に曲がったのか、わからなくなるような感覚に襲われた。
……ゼトラ以外の四人は、であるが。
「ふぅ……恐ろしくレベルの高い幻覚魔法だわ。正直ここまでとは思ってなかったわ」
脂汗がねっとりと流れるのを感じて、メルキュールが立ち止まって頬を伝う汗を拭った。
幻覚魔法の強度が増す度に、メルキュールは対幻覚魔法特化結界の強度を増して張り直し、という作業を繰り返していた。
嫌な予感がしたのか、マーカスも立ち止まって振り返る。
「大丈夫だろうな?なんかお前の声が聞こえる距離感がおかしいぞ」
「そう?」
「ああ。すぐ後ろに気配を感じるのに、声はかなり後ろから聞こえる」
「わかった。また張り直すわ」
メルキュールが結界を張り直すと、その姿を見て安心したのかまた前を向いた。
「ゼトラ……なんか怖い……」
「うん。すごいプレッシャーを感じる……」
ゼトラも全身を覆うような強いプレッシャーを感じる初めての体験に、険しい表情でマーカスとメルキュールの背中を見つめる。
その左手にはフィオリーナを、そして右手には自然とアイビスの手を握っていた。
アイビスも最初手を握られた時には一瞬戸惑ってモジ、としたようだが、大人しくその手を握り返した。
そしてまた一歩、と進んだ時である。
どこからともなく、空気を斬り裂く音が聞こえて、本能的にマーカスとメルキュールが横っ飛びに跳ねた。
ゼトラもまたフィオリーナとアイビスをかばうように地面に伏せる。
ビィン!と矢柄が震えて木の幹に突き刺さり、第二射の襲撃に備えてマーカスがタガーナイフを逆手に構えた。メルキュールも魔法の杖を取り出し、その先端にいつでも打ち出せるように火球魔法をまとわせる。
「……」
長い沈黙を経て、第二射が来ないことを疑問を抱きつつ、ため息をついた。
「警告か」
「みたいね」
「うぅ……怖いよぅ……」
カタカタと震えるフィオリーナをアイビスがあやすように肩を抱き、ゼトラもゆっくり立ち上がる。
「そうは言っても今更引き返すわけにはいかんからな。行くぞ」
「もちろん」
そう言ってマーカスとメルキュールも先程の居た場所に戻り、歩き出す。
それぞれ別の方向に。
「ちょ、ちょっと待って!二人とも!どこにいくの!?」
「なに!?」
「えっ!?」
慌ててゼトラが呼び止めると、マーカスとメルキュールがその場で立ち止まり、振り返る。
「こ、これは……おいッ!近くにいるんだよな!?」
「いるはずよ!そっちこそ、一体どこにいったのよッ!?」
距離としては二メートルも離れていないはずなのに、遠く離れたお互いを探すように大声を出す。
キョロキョロと不安げに見渡すマーカスとメルキュールの元に駆けつけ、ゼトラが手を取った。
マーカスがビクリと身体を震わせて構えたダガーナイフの刃先を一瞬ゼトラに向け、ピタリと止めた。
「お、おぉ、ゼトラか。急に姿が見えて流石に少しビビったぜ……」
「これって……あの警告の一射の瞬間に幻覚魔法のレベルを上げたんだわ!やられた……ッ!」
メルキュールも胸をなでおろし、急にクリアになった視界に慣れないのか、目頭を押さえた。
だが、ゼトラがマーカスとメルキュールの連れ戻すためにフィオリーナと手を離した事で、今度はフィオリーナがその幻覚魔法が強く作用したようである。
「ゼトラ……?ねぇ、ゼトラ!?どこにいったのっ!?」
これもすぐ目の前にいるはずなのに、フィオリーナが辺りを見渡しながら、今にも泣きそうな表情でフラフラと歩き出そうとするのを、アイビスが力付くでそれを引き止めていた。
「マーカスもメルキュールも、そこを絶対に動いちゃダメだよ!」
「おう」
「わかったわ」
マーカスとメルキュールの手を繋がせると、今度はフィオリーナとアイビスの元に駆け戻って二人を抱きすくめた。
「大丈夫、ボクはここだよ!」
「ゼトラァ!」
フィオリーナがその温もりを確かめるようにその胸に顔をうずめる。
アイビスもまた、その力強い腕の力に安堵したようにホッと一息ついた。
「絶対に離れないでね」
「うん!」
「わかった……」
ゼトラが二人の腰を抱きすくめるようにぴったりと密着させると、ゼトラの腰に手を回すようにアイビスとフィオリーナが手をつないだ。
そうしてまたマーカスとメルキュールの元に戻ったのだった。
ゼトラが二人の手を取ると、それまで目を閉じて沈黙していた二人がふう、と大きく息を吐いた。
「すげぇな。この幻覚魔法。ほんの少しの間だったろうに一時間以上かかっているような……。天地がひっくり返るように振り回される感覚があったぞ。正直生きた心地がしなかったぜ……」
「完敗だわ。あの一瞬の心の隙に結界強度を上回る強烈な幻覚魔法をかけてくるなんて。使い手のレベルは私の想像以上よ……」
その場で動いていなかったのに、二人共大量の汗をかいていた。
一度幻覚魔法に強くかかってしまうと、対幻覚魔法特化結界を張る意味はない。
事実上、その魔力の出力を操作されているも同然であり、まともに機能しなくなるからだ。
魔法体系学に於いて、幻覚魔法はすなわち精神への直接攻撃に類別されるもので、肉体的なダメージを負わずとも精神が傷ついたと判断すれば肉体へのダメージとなって反映される。
この一瞬の間でも、その恐るべき幻覚魔法は二人の精神にかなりのダメージを与えたようである。
そして当然のように生じる疑問は、何故ゼトラにその幻覚魔法が通用していないのか、という事である。
ゼトラの右肩に手を置いたメルキュールが鑑定魔法を走らせてゼトラの姿を見たが、何かに阻まれるように鑑定魔法が強制解除された。
「なにこれ?ゼトラに覆う魔力の膜のようなものが一瞬見えたけど、深く探ろうした瞬間に鑑定が止まったわ……」
肩に手を置いたまま、ふむ、とメルキュールが呟くようにその現象を考察する。
「ゼトラを守る、強力な加護……かしら……それが私たちにもわずかに伝播してるのね……」
「そんな事が可能なのか?」
「わかんないわ。既存の魔法学を超越した何かの現象が、ゼトラを守護っている。そんな印象ね」
「そうか……」
マーカスが納得したような、していないような、そんな表情で、顔をしかめながら辺りを見渡す。
「俺の目は完全につぶれさている。辺りは白い霧のようなものに包まれていて何も見えん。辛うじて脚元くらいしか見えない。他はどうだ?」
「同じよ」
「うん。全然見えない……」
「同じく……」
「そう?ボクにはまだ森の奥まではっきり見えるよ」
ゼトラが不思議そうな顔で皆の顔を見るが、一様に不安げな表情は嘘をついているようにもみえなかった。
「すまん。こうなったらお前が頼りだ」
そう言うと、ゼトラの左肩に手を置いたまま、マーカスが後ろに回る。
同じようにメルキュールもゼトラの右肩に手を置いたまま、後ろに回った。
「ゆっくり進んでくれ。正直、こうしていても本当にゼトラの肩を掴んでいるのか自信がなくなる」
「わかった」
ゼトラは両脇の女の子の腰に手を回すと、両肩を強く掴む震えを感じながら、歩調を合わせるようにゆっくりと歩き出すのだった。
惑わしの森と名付けられた小さな森林はそう大きくないはずなのに、一体どこまで続いているのか、というほどに奥深い。『明けの明星』の一行には一体どこに目的地があるのか全く分かっていなかった。
だが、ゼトラが直感に従って道なき森の中、木々を避けながら確実に目的地に向かっていることに、その幻覚魔法を仕掛けていたエルフ族は恐怖したのだろう。
不意に鋭い声が飛んだ。
「そこで止まれッ!そのまま引き返せば森の外へ帰すッ!もしなおも進むというのなら、二十の毒矢がお前達を貫くぞッ!」
美しい女性の声だった。
ビクリと身体を震わせ、その場で立ち止まったゼトラが、物理防御結界をいつでも発動できるように魔力を微かに集中させた。
その声がどこから聞こえたのかは分からないが、後ろから、左右から、真上から、ギリッと弓の弦が絞る音が聞こえる。
だがその音を遮るように、マーカスが上に向かって叫んだ。
「待ってくれッ!俺たちはエルフ族を襲いに来たんじゃないッ!安全な場所に避難させるためにきたんだッ!」
「なに……ッ!?」
明らかに動揺する声を確かめたメルキュールが指を弾いて幻装魔法を解除した。
「竜角族か……ッ!」
「ご覧の通りよ。私たちは敵じゃない」
「だがヒト族が二人……いや、一人混じっていうようだが……」
「コイツは俺達の仲間。協力者とも言えるな。亜人と人が仲良く暮らす国を再興したいと願う未来の偉大な王様だ」
「はぁ……?」
エルフ族にとっては予想もしていなかった、突拍子もないことをマーカスが言い出したのだろう。
今度は呆れたような声が返ってきた。
ゼトラもまたそんな事を言われるとは思っていなかったのか、一瞬、え?と声を出しかけたが、黙っておくことにした。
動揺する声が相談しているのか、微かな囁きが聞こえる。そして静かに告げた。
「我らが長がお会いになるそうだ。そのまま進め」
幻覚魔法の強度が下がったのか、或いは解除されたのか、一向に重くのしかかっていたプレッシャーが急に軽くなった。
マーカスたちの視界も戻ったのか、不意に白い闇が晴れて本来の森の姿を捉えたようである。
かすかに残る幻覚作用を振り払うように頭を振ると、先程よりも足を早めて歩き始めたのだった。
そこからわずか五十メートルほど進んだところに、エルフ族の集落があった。
ただ、集落というよりは大樹に寄りかかるように備え付けられた何枚かの板敷きの床と、それを隠すような枝葉の屋根があるばかりである。
遥か古より森を住まいとして森を守る森林の覇者、エルフ族の姿がそこにはあった。
絹や綿で織った簡素な服を身にまとい、細く尖った耳は真横に垂れるように長い。
緑がかった髪の色。亜人種は共通して瞳が紅いと言われるが、その眼は白目は少なく、紅色というよりはややオレンジがかった、琥珀色に近い大きな瞳である。
絵本でも語られる神秘的な姿がそのまま目の前にあった。
そして大樹の根元、頬と目尻にわずかにシワの入った女性が目を閉じて座っていた。
見た目だけで言えば、どのエルフ族も若々しく見えるが、この集落の中ではもっとも高齢な女性なのだろう。
その他のエルフ族は木々の上、太く張った枝や幹に寄り添うように腰掛けその様子を見守っている。
或いは弓矢を即座に撃てるようにつがえたまま、警戒した様子で睨む者もいる。
どのエルフ族も美しく整った顔立ちで、男女の区別がかなりつきにくいが、ささやかな胸の膨らみから女性が十三名。男性が八名。それとは別に幼い顔立ちのエルフ族の子供が二人程、といった所である。
「お初にお目にかかる、俺はマーカス・マンハイム。見ての通り竜角族だ。それでこっちがメルキュール、アイビス、フィオリーナ。全員竜角族だ。んで男のコイツはゼトラ。ヒト族だが俺たちの仲間だ。信用してほしい」
「ふふ……。どうもご丁寧に」
穏やかな笑みを浮かべたエルフ族の長は、ウリッフピュリと名乗った。
「それで、幻覚魔法を破ってまでわざわざ何しにこられたのです?」
「さっきも言ったが、征魔大戦に敗れた亜人種たちが『この世界に近しく異なる世界』で安全に暮らしている。そこに案内したい。こうして惑わしの森なんか用意しなくても心安らかに過ごせるはずだ」
「ほほ……噂でそのような世界を作り出して逃げ込んだと聞いておりましたが、本当だったんですねぇ……」
「ああ。その魔界……俺たちは異界と呼んでいるが、そこはこの世界の干渉を受けることはない。もう、こうしてヒト族に見つからないようにコソコソと逃げ隠れる生活はしなくても済むんだ」
「……」
穏やかな笑みを浮かべたままウリッフピュリは沈黙を守るが、それを見守るエルフ族は明らかに動揺しているようである。
本当に?もうヒトと関わらなくてもいいのかしら?という囁く声が微かに聞こえた。
「せっかくの申し出だけど、お断りしときますよ」
その囁きを黙らせるように、ピシャリと声が響く。
その声と同時に、森の中に沈黙が訪れ、鳥の鳴き声だけが遠く聞こえた。
「どうして?私たちのこと、信用できないのかしら?」
メルキュールが堪えきれず一歩進み出たが、ふん、と鼻であしらうように、ウリッフピュリの口角が苦々しげに上がった。
「ああ、信用できないね。まんまとヒト族の挑発に乗って無謀な戦いをしかけた竜角族が……。平穏を望む私たちエルフ族まで巻き込んで……多くの同族の者が死んだよッ!己の犯した罪を省みること無く、また都合のいい話を持ち出して……また我らを利用する気かッ!!」
激昂するウリッフピュリは先程までの穏やかな笑顔からは想像もつかないほど、凶悪な表情を浮かべる。その瞳は紅く灯り、強大な幻覚魔法が発動した。
「う……く……ッ!」
「な、なにこれ……ッ!」
「ゼ、ゼトラ……っ!」
「うあ……ッ」
交渉の場と思っていたマーカスとメルキュールは完全に油断していた。
だが、ウリッフピュリにとってはそうではなかった。その凶悪な幻覚魔法で自ら殺す機会を伺っていたのだ。
手を離していたマーカスとメルキュールはともかく、ゼトラの手を握っていたフィオリーナとアイビスまでも、頭を抱えてその場にうずくまる。
ゼトラには全くわからないことだが、四人の精神には猛毒のような蝕む邪気が襲いかかっていた。
己を見失うほどの凶暴な幻覚魔法に、四人はすぐに顔が青ざめ、今にも息絶えそうな程に呼吸を荒げる。
「み、みんな……!?大丈夫!?」
「あ……、がぁ……ッ」
四人とも必死にそれに抵抗するように苦しむが、自らの喉を潰すようにその手を這わせる。
自らの喉を潰して、自死するとでも言うのか。
ゼトラはそれを見て、焦りを隠せずウリッフピュリに懇願した。
「や、やめてよ!みんなを苦しませるような……!征魔大戦のことはボクも詳しく知らないけど、ここにいるみんなが戦争を起こしたわけじゃないッ!」
「……おかしいね……ヒト族なら即死級の幻覚だが……」
だがそれに答えようともせず、邪悪な表情のままウリッフピュリはゼトラを睨みつける。
「やめて……」
「なに……?」
「やめてって……言ってるだろ……」
「……」
「……やめろッ!!」
ゼトラが初めて見せる怒りの感情と共に、パァン!と弾けるような音が幻覚魔法を強制解除させた。
「な、なん……だと……ッ!?」
「ボクの大切な人たちをこれ以上傷つけるなら……相手が誰であっても許さない……ッ!」
ぜぇぜぇと肩で息をしながら、マーカスが微かな意識の後ろに、今まで見たこともないゼトラを見た気がした。
膨れ上がる膨大な魔力にメルキュールも今にも手放しそうな意識が、本能が、このままじゃヤバい。ゼトラを止めなくちゃ、と警告を鳴らす。だが声も、身体も、意識に全くついてこない。
フィオリーナもアイビスも気を失ってその場で崩れ落ちている。
それを見たゼトラの瞳が、紅く灯った。
ヒト族では絶対にあり得ないという紅色の瞳に。
「ここら一帯を吹き飛ばす気かッ!」
ゼトラの右手に強大な魔力が集まっていくのを感じて、ウリッフピュリは恐怖に慄いた。
それと同時に、四方八方から弓矢が射たれたが、結界も張っていないにも関わらず、その矢はゼトラを避けるように不自然に軌道を変えて地面に突き刺さる。
ゼトラの魔力が今にも爆発しそうになった瞬間、何者かの声が響いた。
「ダメだッ!冷静になるんだッ!」
「えッ!?」
ゼトラは、その声に驚いてその右手に集中していた魔力は強制解除されたかのように四散して消失する。
「な、何が起きた……ッ?」
ウリッフピュリが戦慄の眼差しでゼトラを睨み、周囲のエルフ族たちも言葉を失ってその様子を見守るしかなかった。
我に返ったゼトラが四人全員にヒールをかけると、すぐに意識を取り戻した。
小さくうめいて、その身を起こす。
「ゼトラ……怖かったよぅ……」
フィオリーナがゼトラの胸に飛び込み、ポロポロと涙をこぼして首を振る。
他の三人もわずかに幻覚作用が残っているのか、顔をしかめながら先程までの恐怖の体験に胸を押さえて息を大きくついた。
落ち着きを取り戻したウリッフピュリもまた、顎を伝って落ちる汗を拭い、大きく息を吐く。
「妙な子供だね……最強の幻覚魔法が通用しないなんて……」
ゼトラを守っている加護を鑑定しようとしたのか、キンと小さな魔法の発動音が走った。
「これは……なんだい……?今まで見たこともない……精霊……?いや……妖精……ッ!?」
生唾を飲み込むように大きく頷いたウリッフピュリの目が大きく開かれる。
「違う……ッ!妖精王の加護かッ!!」
「えぇッ!?」
ウリッフピュリの叫びを聞いて、ざわっと大きなざわめきが起きた。
メルキュールとマーカスもまた驚愕の眼差しでゼトラに振り返る。
「妖精王って……神話の……?」
ポカンとしたフィオリーナが呟き、メルキュールが何度も頷く。
「妖精王ヒュイ・ラン・エルド。……歴史上、今の一度だって目撃情報もない、存在も証明されていない、まさに神話上の伝説よ……」
「妖精王が本当に実在するのか眉唾だが……おぬし……妖精王に愛されるなんて……一体何者なんだい……?」
「ヒュイ?ヒュイはボクの生まれ育った村にいる、妖精の友達だよ」
「なんだそりゃ……」
息を呑むような空気の中、ゼトラに視線が集まったが、ゼトラがそれを遮るように、ウリッフピュリに手を差し出した。
「とりあえず、ちゃんと話を聞いてくれないかな。話を聞いてそれでもダメって言うなら諦めるよ」
「……いいよ。話くらいなら聞いてやるさ。まだ死にたくはないからね……」
諦めたように、ウリッフピュリはまた大きく息を吐いたのだった。
予告。
ついに到達したエルフ族の集落。
しかしエルフ族は異界行きを拒み、交渉は難航する。
そこに現れる新たな侵入者。
果たしてエルフ族と『明けの明星』はどう立ち向かうのか。
次回「036.水面光る湖の畔へ」
お楽しみに。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
執筆を続けるモチベーションになりますので、
ブクマ、評価、感想などいただけると嬉しいです。
次回更新は2020年09月30日お昼頃の予定です。
よろしくお願いいたします。




