誘拐事件2
「言われてみればね。でも偶然でしょ」
「相変わらずドライだなー」
「そんなの関係ないでしょ」
「そんなんじゃ彼氏できないぞー」
「うるさいよ」
朱音を尻目に目の前のコーヒーを飲む。こういうのは無視だ。朱音だって私の性格なんて今更だと思ってるはず
気にしてたらこっちが疲れてしまう
あ、ここのコーヒーやっぱり美味しい
「ねー、彼氏欲しいと思わないの?今まだってそんな話麗華から聞いたことないし」
「別に。いなくても生きていけるし」
「好きな人は?」
「いないって」
「えー」
嘘だ―と驚いた表情をしながら興味津々という風に私に質問していくる朱音
正直駄目だこの手の話は
朱音とは長い付き合いだけど、恋バナだけはしたくない
てか、うるさいな。男いなくてもいいでしょうよ、もう!
「麗華綺麗なのにもったいないよ。今度合コン行こう。いい男紹介するから」
「紹介するって、あんた彼氏いるんじゃないの」
「話せばたぶん大丈夫。それで別れるようならそれまででしょ」
「あ、そうですか・・・」
朱音も結構冷たくないか?
そう思うのは私だけ?
「いつがいい?」
「いやいいって。本当今は考えられないし」
「えー、でも」
「気持ちだけ受け取っとく。ありがと」
「んー麗華がそういうなら、仕方ないか」
おそらく私のために一生懸命考えてくれたんだと思う
でも私はどうしても恋愛とは向き合うことができない
朱音には悪いけどこれからもそれは変わらないのかもしれない
「気が向いたら言ってね?いつでもセッティングするから」
「ありがと」
返事だけは一応しておく。適当に返せばまた何言われるか分からないからね
「そろそろ大学戻らないと」
「ほんとだ。ちょっと時間やばいかも」
「マジ?」
時間を確認してすぐに支度をする私たち
そんな私たちを認識する人たちはいない
「・・・っ!」
けれど一瞬、本当に一瞬だったけど、嫌な視線を感じた
周囲を見渡すけれど、特に変わった様子はなく、皆普通にそれぞれで過ごしている
今の何・・・?
「麗華?何してるの遅れるよ!」
「う、うん今行く。・・・気のせいか」
朱音の声に自然と視線は戻される
嫌な感じは未だ感じるが、気のせいと無理やり思い朱音の後を追った
嫌な視線の正体がまだそこにいるとは知らずに・・・
「見-つけた」