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私と労災の1年間  作者: あ
8/19

現場仕事

少し現場が汚いから。少し学校で学んでた安全の法律と違うから。ただそれだけで大工の夢を諦めるわけがない。私はずっと大工になりたくてなったんだ。


現場が汚いなんて建築だし土方みたいなもんだ。汚くて当たり前。考えてみれば綺麗な大工なんてあまり想像つかない。そう自分に言い聞かせる。重要なのは仕事内容だ。


この現場で私が最初に言い渡される仕事はなんだろう。「材木を切るのかな?」「木材をくっつけるのかな?」。正解は「掃除」だ。入ったばっかの下っ端に大事な仕事は任せられるはずがない。最初の数日間私はひたすら掃除だけをしてして一日の仕事を終えていた。


建築業界、その中でも職人と言われる大工や左官等の職業には「見習い」と言われるものがある。私は見習いであったのだろう。「見習いは親方の仕事を見て覚えろ。」これが職人の世界でよく言われる悪しき習慣である。


私の働いていた現場では私以外にも大工がいる。30代の大工歴10年以上のベテランと20代前半の大工歴1年半の2人である。


これは当たり前の事かも知れないが、基本的には年長者が一番偉い。この現場なら30代の先輩が1番の権力者だ。大工では現場を任せられる、その現場を仕切る人のことを親方と呼ぶ。つまりこの現場ではこの30代の方が親方であり、私と20代の方は親方の下についているという図式になる。


最初の数日こそ掃除をしていたが、親方はとてもいい人であった。本来は1年は見習いとしてそれこそ掃除や道具の手入れなどしかやらせてもらえないのが職人の世界だ。だがこの親方は違う。私に早く仕事覚えて欲しいという気持ちがあったのが、私に簡単な仕事だが20代の先輩と一緒にだが色々なことを任せてくれた。


道具の扱い方も教えてくれる。厳しいことも言われるし材木運びなどハードなこともある。だが私はそこに優しさを感じた。そして何より仕事をしてて楽しいと思ったのだ。


辛いこともあったがやはり仕事を楽しいと思えるというのは続ける上で1番重要な事だと私は思う。何よりモチベーションの向上に繋がる。


週2日で通う学校も楽しい。現場仕事も楽しい。だがこれはあくまで4月の間の話だ。


4月の下旬。30代の親方は別の現場に行く事になった。これからこの現場は20代の先輩が親方となり現場を任された。


歳が近いお互い大工になったばっかりの先輩とこれからは二人っきりでこの現場でやっていく。




思い出すのも辛い地獄のような生活が本格的にスタートする。

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