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私と労災の1年間  作者: あ
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進路

高校に上がり大工になりたいという夢もできた。なら次はその夢を実現させるにはどうしたらいいという話だろう。大工になるためにどうすればいいかなど高校上がったばかりのガキにはわからない。ならガキによるガキなりの夢への実現方法を語る。


私の通っていた高校は定時制だ。全日ではない。ただそれが私には都合がよかった。


基本的に定時制は単位制であり、つまり大学と同じような授業方式である。わかりやすく言うと授業を自分で選び自分で時間割を組むのである。必修科目もあるが、卒業するためには必修科目だけの単位では足りない。自分で授業を選択する必要がある。私はここに目をつけた。


私の高校は元工業高校であり、工業系の授業が充実している。他にも大学進学のための難しい数学の授業や介護系の授業もあるが、私はそんなのには目もくれない。建築≒工業という安直な考えがあった私は、大工になるためにとりあえず工業の授業をたくさん取ろうと思ったのだ。


ただ正直に言えばこれらの授業を取ってタメになったかと言われると答えはNOだ。


工業の授業と言っても種類は様々、PC系と技術系に別れており、PC系はExcelやワープロ、技術系は木材工作から機械工作、ちょっとした玩具を作る授業などがある。


私はPCは大工には必要ないと思い、技術系の授業を全部取っていた。これもガキの浅はかな考えかもしれないがそれでいい、私が自分で決めたのだから。


工業の授業をたくさん受け必要かわからない技術を身につけながら部活もし、いよいよ高校三年生。進路活動を本格的にしなければならない。


大工になる手段として3つの手段がある。高卒で働くか大卒で働くか専門卒で働くか。私は悩みに悩んだ、全てメリットがあるからだ。高卒で働けば大卒や専門卒とは違い、数年間先に就職していたという技術面のメリットがある。大学に行けば学問としての大工や建築というものを学ぶこともできるし卒業すれば大卒という略歴も得られる。専門学校に行けば大学よりは短い時間だが仕事場では学べないようなより専門的な技術を学ぶことが出来る。


どれもとても魅力的で私はとても悩んだ。やはり自分の人生を左右する出来事だ。今までのような安直な考えはできない。悩みに悩んだ末私が選んだ選択肢というのが、働きながら学ぶという事だ。


これだけ言っても中々伝わらないだろう。学校名は言えないが、世の中には職業能力開発短期大学校というものがある。簡単に言うと一般的な学校というのは文部科学省が管轄なのだが、大学校というのは厚生労働省や防衛省などが管轄の、勉強ではなく技術を学ぶための学校である。防衛省がやっている防衛大学校などもその1つ。


その職業能力開発短期大学校の中に、大工の学校がある。その学校というのは週4日働いて2日学校にいって1日休むというもの。月曜から木曜まで仕事をし金曜日と土曜日は学校に行くのだ。


正直かなりキツい生活になることは予測できていた。普通に考えて仕事と勉強の両立などキツいのはわかりきっている。だが大学や専門にも行きたいと考えていた私にはこれ以上ない程理想的な学校であった。


私はその学校を受験し無事合格し、その学校に斡旋して貰いながら就職先も決め、大工の道、職人になることを決めた。



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