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私と労災の1年間  作者: あ
19/19

休職

お久しぶりです。

「抑うつ状態」


頭の中は困惑もあったが、大方予想通りなので冷静な部分もあった。


医者は言う。


「貴方の状態はとても酷い。心の病気は我慢すればするほど体の症状として出てくる。」


「診断書に『3ヶ月間の休職』と書いておくのでこれを会社に持っていきなさい。」


診断時間は20分ほどだろうか。あっという間に終わり、私は病院からの帰り道。頭の中で色々な思いが交差し急に動揺し始める。


たった3ヶ月で休職。


親になんと言えばいいのだろう。


応援してくれた高校の先生や友達にはなんと言えばいいのだろう。


マイナスな考えが頭に浮かんでくる。


だが、もう職場に行かなくて済む。


あんなつらいことを味わわなくて済む。


プラスの考えを巡らせ、何とか精神を保たせる。


私は一人暮らしのアパートではなくその足で実家に帰った。


家に帰ると母親が迎えてくれた。


母親に「精神科に行ってきた。抑うつ状態と診断された。」と事情を話す。


母親は特に心配もせず「そっか、じゃゆっくり休みな」と暖かく対応をしてくれた。


甘えたい気持ちも出たが、私にはまだやる事がある。会社に診断書を持っていかなければならないのだ。


社長に電話をかける。社長は何も事情を知らないので「お、○○くんどうしたー?」と気さくに話しかけてくる。


「今病院に行ってきて診断書を貰ったので社長にお渡ししたいのですが、今からお会い出来ますか?」


私は正直に言うと、社長は少し困惑した様子だが「わかった」と受け入れてくれた。


会社に着くと社長ともう1人社員の方が出てきた。


2人の前に座り、病院で受け取った診断書を出す。


2人は診断書の内容を見て驚いた様子だった。


つい数週間前の面談で私は「仕事がとても楽しい」と答えた矢先でこの診断書なのだから当然だろう。


何があったかを聞かれたので


「親方から毎日暴言を言われる。」


「体にも症状が出ていて毎日朝涙を流している」


「あの時は仕事が楽しいと行ったが、本当はとてもつらい」


と、正直に事情を話すと社長達は少し黙り、考え込む。すると信じられないような言葉を私に投げかけてきた。


「わかった。とてもつらかったんだね。気づいてあげられなくてなくてごめん。でも、別に休職する必要は無いんじゃないかな?」


「親方が嫌なら別の親方の現場に行くって手段もあるしね?だから診断書の事はわかったけど、この3ヶ月の休職は無しで来週から別の現場入ってよ。」


何を言っているんだ?この人は。


休職して申し訳ない気持ちもあるが、私はもう限界だ。あの親方がいる会社ではもう働きたくない。


「すみません。私はもう限界なのでそこに書いてあるとおり3ヶ月間休ませてください。」


そう言うと社長達も渋々了承してくれ、私は3ヶ月間の休暇が与えられた。


だがこの休職期間は給料は出なかった。


実家に帰り、親が作ってくれたご飯を食べ、シャワーを浴び、暖かい布団に入る。正直心も体も全くと言っていいほど安心できてない。


頭の中が不安でいっぱいになる。自分はダメな人間だ。3ヶ月で休職なんて。この先どうすればいいのだろう。つらい。眠れない夜を過ごす。

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