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私と労災の1年間  作者: あ
17/19

性格

私は小さい頃から物を作るのが好きだった。叔母や兄が建築士の道に進んだのも影響され大工が夢になった。


そして夢を実現させた。家を作る仕事は楽しいはずなのに。楽しいと思っていたのに。最初は楽しかったのに。


親方から言われる


「お前いい加減にしろよ、ぶっ殺すぞ」


もう死ぬのもありかもしれない。毎日死ねだの殺すだの言われていれば自分への自身もなくなる。こんな事言われて楽しいはずがない。


正直5月の段階では親方に対する怒りもあった。後ろを向いてる親方の頭を金槌で殴ろうかと何回も思った。殺してやりたいと思った。


だが実行できない。私は腰抜けチキンであり凡人である。実行できないまま日々をやり過ごし、ストレスを抱え体を壊していく。



仕事中親方に言われた。


「お前ってさぁ、その性格ほんとウザいよね。お前の性格に似てるやつの事知ってるけどそいつは影でめっちゃ悪口言われてたよ。お前はそいつにほんとにそっくり。まじでその性格ウザいし嫌われるから性格変えろよ。」


人格否定だ。死ねだの殺すとはもはや違うレベルである。でも苦笑いで受け流す。


「そんなにウザいですかね(笑)すみません(笑)」


人間という生き物は簡単に性格は変えられるのだろうか。でも親方に自分自身を否定された。なら変えなければ。やり方がわからない。


具体的に私の性格のなにがウザいのか。仕事が出来ない以外にも要因はあった。



前にも述べたように、私は毎日シャワーを浴びながら


「はい。わかりました。すみません。ありがとうございます。」


と連呼する日課があった。この日課のおかげで私はこの4つの返事に関してはプロフェッショナルと言えるレベルまで成長しただろう。


だが親方から言われた。


「お前の「わかりました」はわかってないのに言っている、ちゃんと理解してからわかりましたと言え。わからないなら聞け」


この文だけ見れば至極当然であろう。だが別の日


「お前は1から10まで説明しないとわからないのか?少しは自分で考えて行動するって事をしろよ。ほんとうぜえな」


わかりましたと言えば聞けと言われ、わからないと言うと考えろと言われる。




ある日私は親方から仕事を任された。正直親方から何を言われたか完全には理解できなかったが、わからないと言うと考えろと言われる私はとりあえずわかりましたと答える。


私は考えた。わからない部分を理解しようとした。自分なりに考えて結論を出して作業を行った。


すると親方からなんと言われたか。



「なんで勝手に行動するの?わからないなら勝手にやんなよめんどくせえな死ねよ」


「お前の悪い所は気味の悪いところは俺が言ったことを間違って理解していて、それを正しいと思っている。だから間違っているという認識がない。」


「もうゲームオーバーだよお前は、終わり終わり」



そして別の日言われた。


「お前のわかりました。は理解して言ってるんじゃない。だからもうすみません。わかりました。は使うんじゃねえうぜえから。」


その後また私は仕事でミスをしてしまった。するといつもの私ならすみません。と謝るが、使うなと言われてしまった。どう返そう。私は何も言えずにいた。


すると親方からは「無視すんじゃねえ!」と怒鳴られた。


私は正直に「先程すみませんを使うなと言われたので、なんと返答すればいいか自分なりに考えていました」と答える。


だが親方は「言い訳をすんじゃねえ。お前のそういうとこもウザいわ。」


理不尽しかないこの状況。限界が近づく。



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