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私と労災の1年間  作者: あ
15/19

当時の私の日課である、シャワーを浴びながらの「はい。わかりました。すみません。ありがとうございます。」


これは言えば自分の意思でやっているものである。だがもはや日課と言っても過言ではないように毎日起きていることが他にもあった。


まずは朝起きた時の倦怠感。疲れなど微塵も取れてない。


「仕事に行きたくない。」


この気持ちだけが感情を支配する。だが行くしかない。正直何もしたくない。だがシャワーを浴びなければ親方に今度は「臭い」等と怒られてしまう。


無理矢理にでも体を動かして仕事に行く準備をする。


起床と同時に発生する倦怠感、仕事に行きたくないという感情、そして吐き気もする。


吐き気があるが仕事は休めない。準備をし自転車で会社まで向かう。向かう途中で涙が出る。


今日も暴言を吐かれる。今日も死ねだの殺すだの言われる。


「今死ねば会社に行かなくて済む。」


「でも死にたくはない。」


「でも会社には行かなければいけない。」


「仕事は休めない。」


「でも行きたくない。」


様々な思考が重なり泣きながら自転車をこぐ。


友達にも親にも言えない。言ったら心配される。我慢しなきゃ。


泣きながら会社に行き、親方の車に乗り現場に行く。


親方はもはや私の事が大嫌いだったのであろう。本当は車にも乗せたくないのだろう。だが乗せるしかない。仕方がないから私を乗せて現場まで走らす。


私はどんなに親方に嫌われようと、どんなに暴言を吐かれようと毎朝必ず親方には「おはようございます!」と挨拶をしていた。完全に無視される。扉を開け車に乗り込む。


現場までの1時間の道のり。会話なんてない。ひたすら無言で走り続ける。気まずい。話しかけようと運転をしている親方の方を向く。仏頂面でいかにも私の事を嫌ってるという顔。


だが私はそれでも勇気を振り絞り会話をしようとする。


「今日曇りですけど現場の方雨降りますかねー」


他愛のない会話でも無言で車を走らせている現状よりはマシだと思う。だが親方は


「知らね」


会話は終わる。親方は私と会話する気などないのだ。さらに気まずくなる。つらい。


そして現場に着く。仕事では当たり前のように暴言暴言暴言。


食欲も失せる。朝飯は食わず昼飯もオニギリ1個だけになり、夜飯は食わない。


そして一番最初の朝の状態に戻る。それの繰り返しだ。




つらい。

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