第一章
第一章
第一話
今日は、日曜日。いつもどおりに朝起きて、リビングへと向かう。
リビングにあるゆういつの机の上には、一通の手紙が置いてある。
昨日の深夜に見つけた、両親からの手紙だった。
私の両親は私と双子の弟が生まれてすぐに交通事故にあって亡くなり、
私達は親戚のおばあさんに引き取られた。
つまり、最初で最後の親からの手紙というわけだ。
本当は昨日読んでもよかったのだが、1時をまわっていたし眠すぎて断念した。
死ぬ予定なんてなかったはずなのに、なぜこうして手紙があるのか。
とても不思議だったが、とりあえず中身を読んでみることにした。
陽葵・雪兎へ
この手紙を読んでるってことは、もう私達は死んでいるってことだね。
もっとあなたたちのことを見守っていたかったな。
まぁ、多分なんで手紙なんて・・・ってなってるよね。
実は、あなたたち二人に絶対伝えなければいけないことがあるの。
口で伝えたら聞かれるかもしれないから手紙で書いたんだけど、実は・・・。
二人は、手をつないで願うだけでそれを叶えることができる能力を持ってるの。
しかも、手を繋いでいる時だけはお互いの考えてることがわかるらしいのよ。
あ、悪用だけは絶対にしちゃだめだからね!!
あ、私達がそういう風になるように悪魔と取引したとかじゃないよ!?(笑)
じゃあなんでそんなこと知ってるのかって不思議に思うのは当然。
だから、教えるね。
実は・・・
お父さんの家系は必ず”何らかの能力”をもって生まれるらしいの。
お父さんも能力があったのよ。
あなたたちの場合、一卵性の双子だから。
二人一緒じゃないと能力にならないらしいのよ(お父さんによると)。
双子は、一つの魂を分け持って生まれるとも言うしね(笑)
もし疑うなら、試してみてね!
能力の使い方は、任せます。いろんなことに巻き込まれるだろうけど頑張ってね!
応援しています。
両親より
!?
なんですと!!?
え!?
私達ってそんな凄い奴だったの!?←
私が一人混乱していると、双子の弟:雪兎が起きてきた。
雪「おはよぉ~お姉ちゃん。どうしたの?そんなとこに突っ立って」
まだ寝ぼけ眼の雪兎に私は凄い勢いで手紙を押しつけた←
雪「なに!?急に」
「いいから読んでみて!!」
・・・熟読(?)中・・・
雪「え!?」
「ね!ね!?そうなるでしょ!!試してみようよ!!」
二人で何を願うか決めて、手をつなぎ声に出してみる。
二人「「ドーナツが食べたい←」」
目を開けると、そこにはおいしそうなドーナツが二つ置いてあった。
二人「「!!!?」」
まじだった!!?
えー!!!?
エイプリールフールに書いた手紙とかじゃなく!?
「ねぇ雪兎、私達ヤバくない・・・?」
雪「言われずとも」
・・・・・・。
ん?それって・・・。
「こんな便利な能力、二人でいればいつでも使えるってこと!?」
雪兎はこくんと頷いて、
雪「これはもういれるときは二人でいるしかないね」
といいきった。
もちろん私も異論はないから、
「うん!!」
と元気に反応しちゃったんだけど。
こうして、ふたりでできるだけ一緒にいることが決まったんだ。
って、ん??
これって、大好きな雪兎と自然と一緒にいられるやつじゃん!?
能力グッチョブ!!←
雪(これで自然に陽葵に近づく男を追い払えるな、能力万歳←)
明日の学校はいろいろと大変そうだなぁ(笑)
でも、楽しみ!
早く来るといいな!!
第二話
一緒にいられることが楽しすぎて、気がついたらもう翌日の朝になっていた。
つまりは、学校。
はぁ。
学校と聞いただけで気分がダウンするのは私だけなんだろうか←
楽しみとかいってた奴が何言ってんだって?
エーナンノコトカナーワタシワカラナーイ←
雪「お姉ちゃん、おはよ!今日も学校頑張ろうね!!」
うん!!頑張ろうね!!!
・・・え?
今現金な奴って思ったでしょ?
そうだよ?←
「おはよう、雪兎!うん!頑張ろうね!!朝ご飯食べよー?」
雪兎は、身長が168cmと比較的高い(?)ので、見上げる形でいつも話さなきゃいけない。
というか。
身長高いくせに可愛いとか反則だと思わない!?
思うよね!ね!?(威圧)←
雪「うん!朝ご飯なに??」
「オムライス!!」
今日はちょっと頑張ってケチャップじゃなくてソースを作ってみました!
え?それぐらいどこでもやってるし得意げに話すなって??
いや声だしてないから”話”てないし(屁理屈)←
「ど??」
私の特性(?)オムライスは雪兎君のお気に召したでしょうか・・・。
雪「おいしい!!」
「ほんとに!?よかったぁ~」
はい、『私達は(俺たちは)なんでこの双子のいちゃいちゃを見せられてるんだ!』って思ったそこのあなた!!
ドンマイ←
雪「お姉ちゃん、そろそろ学校行かないと遅刻するよ?」
え!?
嘘!!?
ほんとだ!?←
・・・移動中・・・
到着!!
雪「ねぇお姉ちゃん。今思ったんだけどさ、手、繋いで学校に瞬間移動できたらって願えばよかったんじゃ?」
!!?
そうだった!!
「そうじゃん!!雪兎天才!?」
雪「大袈裟・・・。階段登んのめんどくさいし、教室まで飛ぼうぜ?」
うん、それでいいんじゃないって、ん?
「それって能力公開ってこと??」
雪「そうなるね。だめ?」
こんな可愛い弟にお願いされたら断れるわけが・・・←
「う・・・いいよ」
雪兎にそっと手を握られる。
そして、私達は願う。
_教室の前のドアのところに瞬間移動できますように_
願うことしょうもないけど←
パッと目を開けるとそこはもう教室で、目を見開いてこちらを見つめるその場の人たちが視界に入った。
私達は手を繋いだまま、
「やっぱスーパーだね私達!」
雪「ああ。席となりがよかったな~」
あーね。
「ん?え、それも願えばいーんじゃん?」
雪「あ、そっか」
とたわいのない会話をしていると、
クラス一同「「「「いやどこから来たんだよお前ら!!!!!!!!」」」」
全員につっこまれた←
おおう(笑)
「いやぁかくかくしかじか・・・・」
・・・説明中・・・
クラス一同「「「「ええええぇえぇえ!!!!!!!!!」」」」
雪「うるさっ」
「それな」
モブ男「え、じゃあ、クラスのみんなで旅行行きたいとかってできるの?」
「もち」
雪「やってみようか?何日行きたい??」
私的には一週間いきたいな~。
モブ男「え、じゃあ一週間・・・?」
モブ男グッチョブ!!←
一週間このクラスだけ学校がなくてに旅行に行けたら_
「ん~最初の行き先は長崎でいい?」
雪「なんで長崎?」
「ん?気分←」
私達は手を繋ぐ。
_一週間このクラスだけ学校がなくて旅行に行けたらで、いいかな?
_それでいいとおもうよ、お姉ちゃん。
私達は目を開ける。
すると、私達は驚きのあまり目を見開き固まるみんなとともに、長崎駅にたっていた。
「さ、一週間楽しもうか、みんな?」
第三話
今日は月曜日!
元気に学校頑張ろう!って教室にテレポートしたはずなのに・・・。
どうしてこうなった?←
今は、モブ男の発言により、成り行きでクラスの奴らと長崎6泊7日にきていた。
はぁ・・・。
ホテルさがさないとな。
陽「雪兎、どこ行きたい?」
「お姉ちゃんは?」
陽葵は、俺が猫かぶっていることに気づいてない。
っというか、この世の誰一人気づいていないだろう。
なんせ俺の演技は完璧だから☆←
まぁ冗談はよしておいて。←
陽「長崎水族館!!」
無邪気に答える陽葵は本当に可愛い。
「お姉ちゃん、て、かして」
といいながら手を取り、願う。
二人「目を開いたときクラスのみんなと一緒に長崎水族館にいたら」
はい到着。
でも、やっぱり俺はクラスのみんなでじゃなくて、”陽葵と二人で”水族館に観光に来たかったし、正直言ってあまり楽しめてなかった。
こんなことを思ってるって知ったら、陽葵は俺のことを嫌いになるかな?
でも、そもそも知るわけがないのだからいらぬ心配なんだけど。
陽「雪兎~?どしたの??」
俺がそんなことを考えてるとも知らず、陽葵は無邪気に明るく話しかけてきた。
「ん?どうもしてないよ、お姉ちゃん。なんで??」
なんにもないよというように装った俺を、陽葵は少し頬を膨らませ、じとーっと睨んできた。
陽「ほんとに~?な~んか雪兎って笑顔でいろんなことかくしてそうだもんな~」
あれ・・・?陽葵って意外と鋭かったりしちゃったり??←
「そんなことないよ~(笑)僕、陽葵には嘘つかないから!(ニコッ)」
ま、まぁ・・・いちお、嘘はついてない・・・はず・・?
猫かぶっているのは嘘ではないし・・・(言い訳)
うん、嘘は言ってない←
陽「はぁ・・。そっか、じゃあ、楽しもうね!」
ん?
今のため息??
「うん、楽しもう!」
陽葵、どうしたんだろう・・・?
まぁ、考えてもどうせわかんないんだから野暮だし、素直に楽しむといきますか!
モブ「陽葵ちゃん、雪兎君、おみあげ見に行こ?」
二人「うん!!」
今日は旅行1日目。
初日からこんな調子じゃ、やることなくなりそうだけどな(笑)
それから俺は、特になにも考えずに1日目を過ごした。