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海賊寓話
海賊新暦五八一年七月十六日
物心ついた頃から、僕は誰かに呼ばれているような、誰かから見られているような気がして、常に周囲に気を配る癖が付いていた。
成長して、僕は人からの視線を常に気にして、常に人からの評価を気にして過ごすようになっていた。
結果的に僕は、僕を評価せず、否定する人間を抹殺し続ける日々を送っていた。魔法具や魔導武具を作る僕は、その威力を試すために、人間を使った。
殺人鬼として日陰で生きる事に後ろめたさは無かった。むしろ邪魔者をひとり殺す毎に快感すら覚えた。僕は殺人鬼として恐れられる日々を心から楽しむ狂人だった。
快楽の日々はそう長くは続かず、僕はついに捕らえられ、牢屋で処刑の時を待つ事になった。後悔などはなく、ただ此処で終わる事がとても悔しかった。まだ、僕は人を殺したい。そう願っていた。
願い、恨みの念に悶え、牢屋で迎えた黄昏の頃。昔話のように、悪が栄え賞賛される王の時に生まれたかったと目を閉じかけた時だ。
僕の目の前に、一匹の獣が現れた。
「お前の知識と技術力が欲しい。俺の相棒としてな。
探したぜ、メーヴォ。
俺の船に来い!」
海賊寓話 終幕




