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全身全霊の一撃
「ヤルじゃない、土間くん」
怪物が怯んだ隙にヒラリと身を翻し、距離を取る。
息を整え、怪物との間合いを瞬時に計算する。
大丈夫
私なら狩れる
私は首借りの姫
この世界の支配者なのだから
短く息を吐き出し、一気に前に出る。
大鎌を振り上げ、今にも土間くんに襲いかからんとしている怪物の首へ目掛けて一気に振り下ろした。
今まで、何百という首を狩りとってきた大鎌の歪な刃がギラリと光り、分厚い筋肉に覆われた怪物の首を見事に両断する。
くるくると宙に舞う怪物の首
吹き出す鮮血
何かを叫ぶ土間くん
―――――――――そして世界は切り替わる――――――――
気がつくと、私達は校舎裏にいた。
二人とも息は洗いが、制服には汚れ一つない
「どういうことなの?」
私は訝しげに、手に持った偽りの怪物の首を睨みつけた。
切断された生首が、少し笑ったように見えたのは気のせいだろうか?
◇