夢の妖精
初めて小説を書いてみます。
きっかけは仕事が忙しく自分の時間を有意義に過ごすため、もし私が書いた物に目を通し何かを感じて頂けたら。と思ってますので、作品として尽力尽くし頑張ります。
ちなみに書いている時は基本的に酔ってます。学も無いので誤字脱字あるかと思いますが、何かありましたら教えて頂けると幸いです。
危機に直面して 人類は初めて共同体として機能するだろう。
しかし朝と夜の様に光と闇も同様切り離すことは出来ない。全てを受け入れ個人に無いモノを取り入れよ。
星の命を守る事が住まう者達の務めである。
【731 - 784】 天体物理学者 ロズヴェルド・フラーレン
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松明がパチパチと燃えている。光が届かず薄暗い空気の悪いこの場所に50人近い人間が真っ黒になりながら汗を流している。
「なぁお前はいつまでこんな仕事続ける気なんだ?」
コイツは三日前に入ってきた新人だ。 ロッソだかロッツだか、そんな名前だったと思う。歳は20にもなってないだろうガキだ。
「シーナ…だったよな?聞いたぜ お前もう6年もここで仕事してんだろ?」
コイツもぺらぺら五月蝿いが周りも周りだ。
ここは炭鉱で他の山より鉱物の埋蔵量が多い、問題は環境が悪いという事だ。至るところからガスが吹き出ている。有毒性であり長時間に渡り吸えば呼吸器や視神経をやられる。体内に毒が周り発病を自覚出来るまでになるには遅効性である事もまたタチが悪い。
訳ありな奴等が集まって毎日壁を堀続けている、こういう人間同士は互いに探らない。
その人間を知ろうとするのは馬鹿か世間知らずな奴等だけ。もしくはガキ。
「さぁな 明日までか死ぬまでだろうな」
「頼むからはぐらかすなよ 金は相当貯まったんだろ?それなのに何で続けるんだよ?」
「金は幾らあっても足りないぞ あの世には持っていけないから稼いだ分はその日に使う。そうしたら次の日はまた稼がないと生きていけない 俺がここで働く理由なんて早く死にたいからだ」
半分嘘で半分本当だ。 ロッソだかロッツは「なんで死にたいんだよ?」「他にやりたい事とかあるだろ?」と、眉を潜めながら疑問の目を向けてくる。ここで働いている大勢は訳ありであり年齢も中年者が多い。 俺くらいの年齢も多からず居るが殆どが今の生活を立て直したいと考えている。
俺以上にコイツの方がマイノリティだ、そもそもが二十歳以下は炭鉱労働(危険特区)が禁止されている。
まぁ何にでも抜け穴は存在するしコイツの置かれている状況も考えもどうだっていい。
「ロッツ君 今日はそろそろ上がろう」
ロッツと呼ぶことにした。
「まだ稼ぎたいかも知れないが先輩として助言すると 日に3時間で止めておけ。その間に時間労働とは別の金やら銀を探し出せ。3時間分の有害物質なら蓄積されずほぼ出すことが出来る」
潜めていた眉の緊張が解かれ真っ黒な顔に白い歯が浮かぶ。他人に干渉しない此処の連中も自分の子供くらいのコイツはやはり可愛いらしい。ガキなんて知識も経験も浅く何も出来ないが、無知で怖いもの知らずであるのはガキの特権でそれこそが力だと思っている。
「隣で死んでほしくないから。不幸な気とか移りそうだからそういう事を避けたい」
「おい!俺は死なねーよ!それに俺の名前は フーリエだ!」
ヘヘッと鼻をこすりながら相変わらず目と歯をきらきらさせている。
つるはしで岩を砕く音 怒鳴る男の声 遠くで爆発する火薬 汗と有毒ガスの混ざった匂い 松明の火に輝く粉塵
炭鉱で働いた経験の無い者からすると現実には存在しない、夢の中の様な世界から俺とロッツは誰よりも早く帰還する。
夢は夢のままにしておかなければならない、長く過ごせば帰れなくなってしまう。
夢と現実をしっかりと区別しろ。
どんなに辛い環境で生きていかなければならないとしても、これが現実だと思うな。夢の中だと楽観もするな。
今 を受け止め 再び 戻れ。
だからこそ此処の連中は他人に干渉しない。
誰かに教わった訳ではないが自然とそうなる、皆心の底で今を脱け出す為に必死だ。
「ロッツ君 町に戻ったら少し付き合え」
夢の世界に留めようとする妖精の話を聞いた事がある。
名前は… 何だったか? 忘れたが何やら苦労や不幸な経験をした人間が造り出す幻の存在で、自分の心が離れたままになる。ソイツは分け隔てなく優しく、全てを受け入れ解ってくれる。自分にとって最高に都合が良く最良の存在らしい。
詳しく知らないが良いはずはない。
完了後記入予定