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私が異世界に流されて…  作者: カルバリン
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第40話 基礎が大切なんですよ


「昨日はお疲れ様、お陰であなた達の実力をある程度把握出来たので実技の内容を伝えるわよ」


次の日、私は教壇に立ってそう皆に伝えた


「一応学校側から仮の日程は貰っていますが…そこに色々と私の方から外部実習や模擬戦闘演習などを組み込むように要請している所なのよね」


「…外部実習に模擬戦闘演習??それは何をするのですか?」


シュノアが私に質問して来たので答える


「まだ許可が下りるか分からないけどまず外部実習は街の外に出て実際に魔物と戦って貰う事になる、まぁ他にもあるんだけどね、模擬戦闘演習はクラス中で数組に別れて模擬戦闘をするんだけど…こちらは普段の授業で学んだ事の成果を試す目的で行います。集団における連携の錬度を高め、実際の戦闘での戦闘指揮能力…つまり統率力を養い、戦場からの帰還率を高める…ということね」


黒板に内容を書きながら説明していく


「へぇ、かなり楽しそうな内容だな?こりゃ楽しみだぜ!」


「さて、楽しいかどうかは別としてあなた達は騎士になるのか冒険者になるのかそれは分からない。だけどその場に合わせて行動する事を学び、それを実現出来るだけの実力を身に付けて貰う…私があなた達に教えたいのはそれよ」




説明を終えた後全員で鍛練場に移動する


「あなた達に今足りないのは基礎身体能力!技術、技量なんて物は基礎が出来てない内は覚えても意味がない…まずは強靭な肉体と精神を作る。さぁ全員私が止めと言うまで走り続けるわよ!」


「まじかよ…」


「あたしはこういう分かりやすいのが良いけどね」


「僕は強くなってあの先生に追いつく為ならなんでもやるさ」


「私は元の世界でも走り込みはやってたなぁ」


それぞれが走る準備の為に身体強化を使おうとするが…


「ちょっと待ちなさい、あなた達はなにをナチュラルに身体強化使おうとしてるのよ?身体強化なんて使ったら体力作りをする意味がないじゃない…身体強化無しで走れ!さぁ、GO!GO!」


「んな無茶苦茶な!身体強化無しなんてヤバすぎだろ!」


ガイがそう言っている中他の生徒はぶつくさ言いながらも走り始め、隣でカレンがガイに話しかける


「ほら、ガイも走りなさいよ!」


「…だけどよ、身体強化無しとか…」


そこまで言いかけてガイは言葉を止める


「つべこべ言わずに走れ、馬鹿者。それとも無理矢理走らされたいのか?ん?」


リンはホルスターからデザートイーグルを取り出しスライドを引いて弾丸を装填する


「なにする気か知らねえが…俺は脅しには屈しねぇぞ…!」


及び腰になりながら叫ぶガイの姿を尻目にカレン達他の生徒は走る


「いいからさっさと走れ…自分から走りたくないなら走りたくなるようにしてやろうか?」


デザートイーグルを構え、ガイの足元に向けて引き金を引くと銃声が響き渡りガイの足元に穴を開ける


それを見たガイは顔を青ざめさせると


「ちょ!?なんの魔道具か知らねぇが当たったら死ぬよな?!それ!」


「そうだな、今は鍛練場の機能は使ってないから死ぬかも知れんな?当たりたく無ければ死ぬ気で走れ!」


次から次へと弾丸を足元に撃ち込んでいくとガイは逃げるように走り出す


「すいませんでした!!!走りますからもうやめてくれぇ!」


悲鳴を上げながら走り続けるガイを見ながら


「「「「「恐えぇ!!」」」」


取り敢えず逆らわないようにしよう…生徒達はそう心の中で決めたのだった



午前中の授業が終わりに近づく頃、鍛練場ではそこかしこに力尽きた生徒達が倒れ伏していた


「さて、午前中の授業をこれにて終了にする!また昼から鍛練場に集合するように!」


ちなみにリンも生徒と一緒に走っていたのだが…


「僕達よりもかなり速いペースで走ってた筈だが…ここまで差があるともう文句を言う気力もなくなるというものだね…」


オルトの視線の先には今まで一緒に走っていたリンが他の生徒に手を差し伸べて立ち上がらせているのが見えた


「あれで身体強化してないってんだから本当化け物だよな、しかも…美人だし、スタイル良いし。恐えぇけど…」


「「確かに…」」


主に上着の間から見える汗でタンクトップに張り付いた胸元とお尻に視線を向けているガイの言葉にシュノア、オルトらが頷きながらリンを眺めていると


「厭らしい…、どこを見て言ってるのよ」


「最低ね。これだから男子は…馬鹿ばっかね」


「シュノア君まで…」


『若いっていいねぇ』


カレン、アディ、カオリ達女子3人に冷ややかな視線を浴びせられた男子3人は慌てて言い訳を始めるのを1人?は楽しげに眺める


『おい、シュノア?向こうを見てみな、面白いもんが見えるぜ?』


シュノアはガルに言われた方を見ると…


「…うーん、やっぱりこの位の重さじゃ全然駄目ね…バドじぃに作り直してもらおうかしら?」


そこには上着を脱いでタンクトップ姿になったリンが腕と腰回りに着けていたウエイトを外して地面に放り投げている所だった。ズンっと鈍い音をたてながら地面にウエイトが落ちるのを見てシュノアは驚く


「あれを着けて走っていたのか…?!」


『みてぇだな、にしてもつくづく良い女だな…乳もでけぇし』


ガルの言葉は極力無視してその部分を見ないようにしていると


「さぁ、もうお昼だし行くわよ?」


カレン達が食堂に向けて歩き出す


「俺も着けてみるか…?アレ…」


『うはは、無理無理!ありゃ無理だ、今のお前がアレを着けたら腕もあげらんねぇよ。もっと鍛練を積むこった』


これからは毎日やっている自主鍛練をさらに頑張ると心で決めるシュノアだった…

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