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私が異世界に流されて…  作者: カルバリン
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第39話 夜、リビングにて



「へぇ、早速友達が出来たの?すごいじゃない!」


夕食を終えてリビングで煙草を吹かしながら武器の整備をしているとレンが今日の出来事を楽しげに話している


「うん!スタンとシアの二人と仲良くなったんだよ」


学校で出来た二人の友人の話を聞きながら銃を分解してパーツ毎に掃除していく。


「上手く馴染めるか少し心配だったけど大丈夫みたいね、スタンとシアちゃんだっけ?これもなにかの縁だから大切にしないと駄目よ?」


少しレンが首を傾げながら


「ねぇ、母さん?縁ってなに?」


そうか、私には当たり前だったけど日本の事を知らない人からしてみれば意味が通じない単語もあるわよね


「縁っていうのは簡単に言えば人と人の繋がりの事よ、私とレンが今こうしているのもレンと私に縁があったからだし、人はどこでどんな形にしろ他の人々と出会い、触れ合う機会がある。それがきっかけでその人の人生にも自分にも良いことや時には悪い事もあるかもしれない…それも含めて縁が繋がるって事よ」


私なりの解釈な上に説明が下手だからレンにはまだ分からないか…分かるような分からないような…そんな顔をしているし


「今は分からなくても大丈夫よ?その内大人になるにつれて『あぁ、こういう事だったのか』って思える日が来ると思うから。私がレンに分かってて欲しいのは折角出来たお友達を大切にしなさいってこと」


「うん!大丈夫、二人ともすごく優しくて一緒に話したりしてると楽しいよ?二人と縁があって良かったと思うんだ」


今日1日だけだったのに随分と仲良くなったみたいね


「ちゃんと分かってるみたいね、レンは賢くて可愛いわねぇ」


リンは微笑を浮かべてレンの頭を撫で撫でする


「母さん、くすぐったいよ…それじゃ僕は宿題があるから部屋に戻るよ?また後でね!」


レンは耳まで真っ赤にしながら走って自分の部屋に戻っていく。

寝るときは一緒に寝たいらしくまだまだ甘えん坊である


レンが走って行く背中に「あんまり走ると転ぶわよ?」と声をかけて見送った後、煙草の紫煙を吐き出しながら


「そういえばここは異世界だったわね…、元の世界みたいに紅い瞳に銀髪くらいじゃ孤立したりしない…か。」


元の世界での自分の学生時代を思いだしてため息をつく


「よく考えたら私ってホントにロクな学生時代を送ってないわね…一回くらい告白にOK出せば良かったわ…友達も片手で数えるくらいしか居なかったし」


思えば小学生の頃は体力作り、中学では実戦形式の修行や武器の扱い方を教えられてたから学校以外の時間なんてなかった…高校に入ってからは両親もお爺ちゃんも世界を飛び回っていたし、「次は生活能力を鍛える事にする、これから3年間は自分で生活を組み立てて行く術を学べ」ってお爺ちゃんから言われて生活費を稼ぐ為にファミレスでバイトしたりしてたしなぁ…


しかし、私は自分で言うのもあれだし今さら言っても言い訳にしかならないかもしれないけど意外と男子にはモテていた、見た目が外人みたいだったのもあるみたいだけど。


告白をされた事も何度となくある、まぁ大体が下心丸出しの身体目当てだったけどね。あの年頃なら仕方ないのだろうけど私は嫌だったなぁ…


それでも純粋に好意を向けてくる子もいるにはいたんだけど、付き合ったとしても私には時間も無かったから長くは続かないだろうと思って丁重にお断りしていた


思い出に耽っているとくわえていた煙草の灰がテーブルにポトッと落ちた


「あらら、拭くものは…っと」


座っていた椅子から立ち上がろうとしたときにズキっと頭に少し痛みが走る


「…?頭痛なんて久しぶりね。明日は雨でも降るのかしら?」


テーブルに落ちた灰を拭き取り、分解していた銃を組み立て直して動作確認をした後アイテムボックスに仕舞う


リビングの明かりを消して寝室に向かいながら


「明日は生徒になにから教えていこうかしらね…ま、当面は体力作りと基礎の反復練習かな」


と、暫くの間の方針を呟くリンだった……

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