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私が異世界に流されて…  作者: カルバリン
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第36話 リンVSシュノア&ガル

カレンが元の位置に歩いていくとカレンにガイや他の生徒が集まる

「カレン、大丈夫かよ?お前があんなに素直に負けを認めるなんて熱でもあんじゃね?」


カレンはガイの脛を蹴りながら


「うっさいわね!悔しいけど私じゃ勝てないって分かったから素直に認めただけじゃない。事前にかけておいた対物理障壁まで吹き飛ばされたらさー」


肩をすくめお手上げだと言うカレン


「見ていて分かったんだけど…やっぱりあの先生は強化魔法を一切発動させてないよ?それってつまり…」

アディの呟きに全員が顔を見合わせ


「素の身体能力だけであれだけ動けるってか?化けもンじゃねーか…」


ガイが呆れながらそう言う


「あの…、もしかしてだけど…あの先生って『送り人』なんじゃないかな?先生の名前が私と同じ日本人の名前だから…」


その生徒…カオリは自信がなさげに口にする


「…でもよ?『送り人』ってのは黒髪黒目で特徴的な顔立ちなんだろ?カオリみたいな感じのさ」


カオリは日本人からみたらとびきりの美人とまでは行かないまでも美少女と呼ばれる部類である、だがこの世界では一般的な顔立ちとは言えない


「でも、ハーフの人とかも居たから…だけどあんな綺麗な銀髪で顔立ちも日本人って感じじゃ…髪は染めてるのかもしれないから断言は出来ないんだけど」

カオリがそう言うと今まで黙っていたシュノアが口を開く

「それにだ、ずっと《ガル》が俺に言ってきてるんだ…『お前らじゃ勝てねえ。絶対に敵対するな、俺を使ったシュノアでも無理だ』と」


それに皆が驚く


「ウソでしょ?あんたが《ガストルーク》使って勝てないとか…だってそれかなりレアな魔剣なんでしょ?」


カレンはシュノアの腰に提げた長剣を指差す


シュノアが持つ魔剣ガストルークは宝具級の魔剣で、意思を持った剣インテリジェンスソードと言われている剣だ

魔剣には色々な効果を持つ物があるが、《ガストルーク》の所有者の場合自身の身体能力強化に加え、魔剣本人と対話することによって魔剣の性能を引き出す事が出来るようになると言われている


「俺も初めてだ、《ガル》がここまで言う相手なんてな」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


それからもガイ、アディ、オルトと戦って後はシュノアとカオリの二人を残すのみとなる


「次は俺だな」


彼は…確かシュノアだったかしら?彼は少し他の生徒とは雰囲気が違うわね…それにあの剣…ちょっと不思議な気配を感じるな


「あなたはその長剣を使うのね、それじゃ私の武器を選んでどうぞ?」

しかしシュノアは私の予想とは別の言葉を放つ


「いや、勝てないのは分かっているからな…出来れば先生には本気で来てもらいたい。先生も自分の武器で戦ってくれないだろうか?ここなら死ぬ事もない…どうせ勝てないなら少しでも先生がどれだけ強いのかを確認したい…これはクラス全員の意見でもある」


確かにここなら死ぬ事も無いらしいし…シュノアは本気みたいね


「そう、構わないけど…本気でって事は手加減しなくて良いのね?」

言うと同時に村雨をアイテムボックスから念じて取り出すと腰のベルトに吊り下げる


「なんだ?あんな形状の剣見たことねぇ…あんな細いんじゃすぐ折れちまうんじゃね?」


「あたしの剣なら一発で叩き折れるかも…シュノアの魔剣でも打ち合ったら折れるんじゃ…また手加減するとか??武器が折れたから終了、みたいにさ」


「それは無いと思うが…戦ったから皆も分かるだろう?僕らそれぞれが得意な武器で戦ったが、あの先生が使ってた武器が折れたりしたことあったか??僕はレイピアを使うように頼んだのを見てただろう…」


オルトは確かにリンにレイピア…細剣を使うように言っていたし、彼自身はロングソードを使って何度もリンの細剣と刃を打ち合わせたが折れる事は無かった…それは紛れもなくリンの技量が彼らを上回っているからだった


「悔しいが、今の僕達ではあの先生には勝てないのは事実だ…技量が違いすぎる。あの武器が折れるなんて事はあり得ないと思う」


「私もそう思います!!あれは私の故郷…日本の武器で刀…先生が持っているのは尺から見て5尺程ですから大太刀と分類される武器で、あの武器…カタナは鋭い切れ味を持つ日本の伝統的な武器なんです!使い手が使うと鉄をも両断する威力を発揮すると言われ…」


カオリは今まで見たことが無いような勢いであの武器について熱く語り続けている


「あの子ってあれが素なのかしらね…カオリは放っておきましょ、それより始まるみたいよ」

アディが二人の方を指差す


シュノアがガストルークを鞘から引き抜く。

ガストルークの見た目は蒼い刀身は分厚く、剣先は普通は尖っているのに対して突く事を捨てたようにに平たい。


対してリンも村雨を鞘から抜き払うと気持ちを切り替えて本気の殺気を放つ


「どこからでもかかってきなさい」


掌をクイッとあげてかかってこいと言うリンに対してシュノアは


「では行くぞ…!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~


あの剣を取り出した時、彼女からかなりのプレッシャーを感じた…俺は馬鹿な事を提案したのかも知れないな…


『ちげぇねえ!シュノア、ありゃあ相当な化けもンだぞ?今は俺が全力でお前に対してのプレッシャーを緩和してるからわかんねぇだろうが…それがなけりゃすでに気絶してるだろうよ』


ガルの声が頭の中で響く


『しかもだ、あの嬢ちゃんのアレ…魔剣の類いだぜぇ?御同輩の気配がビンビン伝わってくるのさ。ただあれはまだ解放してねぇ…いやそれともちげぇな、上から押さえ込んでるって感じだな』


どういう事だ…魔剣を所持出来ている時点で魔剣からの声を聞いているのではないのか…?


『魔剣ってのはな、元は人間ってのは知ってるな?つっても魔剣の所持者にしか知らされる事は無いが…。だから魔剣って言っても色々な奴が居るし、どんな経緯で魔剣になるかも人それぞれある訳だ…ちなみに俺は魔物の大軍に囲まれる中で…』


その話はもう散々聞いたからいい。なら彼女の魔剣は今はただの剣って言うことか?


『つれねぇなぁ…あぁ、つっても魔剣だ。相応の威力はあるだろうぜ?だがあの嬢ちゃんには魔剣なんて必要なさそうだがな』


どういう事だ?ガル?


『簡単な話だぜ?ステータス視りゃ分かるがあの嬢ちゃんの本当の武器は…ってヤベェ!?全力で防御しろ!!』


言われて咄嗟にガルを構えると次の瞬間凄まじい衝撃がシュノアを襲ったと思った時には目の前にリンの姿があった


「興味深い話をしていたから黙って聞いていたが…人の秘密をベラベラと喋るのは良くないな?《ガル》??」


ギチギチと火花を散らすガルとリンの村雨


「あんた…!ガルの声が聞こえるのか?!」


押し返そうとするがいくら力を込めても微動だにしないリン


『おい!嬢ちゃん!俺の声が聞こえてんのか?!つかシュノア!こいつはヤベェぞ…この嬢ちゃん、さっきまでとは雰囲気が全く別物だ!はやく離れろ!』


やってる!だがいくら力を入れても…!


「離れたいのか?まぁいい…ならば離してやろう」


リンが合わせていた村雨を離すとその直後シュノアは吹き飛ばされ修練場の壁に轟音と共に激突する


「ぐっ…、全く見えなかった…」


『大丈夫か?!』


土煙が晴れるとリンが村雨を肩に担ぐ様に乗せてやや驚いた顔を浮かべていた


「へぇ、結構本気で蹴ったんだけど…やはりその剣のお陰かしら?先程の答えだけど、聞こえている(・・・・・・)。いきなり聞こえてきた時は驚いたけどね」


強すぎる…だがこれはチャンスだ。この人になら教えを請う価値がある


『そうだな、だがよぉ?目の前の嬢ちゃんをまずどうにかしねぇとな、まだヤル気だぜ?』


シュノアはガルを構え直しリンに向き直る


「ガル、頼みがある…もう一段階強化して貰えないか?」


『いいけどよぉ、それ以上は今のお前じゃ耐えれねえからな?シュノア』


全身に力が行き渡るのが分かる


『さぁ、いっちょあの嬢ちゃんに新たな傷でも刻んでやろうや!!』


ガルの叫びと共に地面を抉り走り出すがリンは村雨を鞘に納めたまま動く気配はない


シュノアはそのままの勢いで斜め下からガルを振り上げる。しかしリンはその斬撃を少し身を反らして避けながら

「さっきよりかなり動きが速い…っと」


リンが喋る間に何度も斬撃を繰り出すが全てを村雨で弾かれている


「でもね?連撃を仕掛けるならもっと動きを考えなさい」

最後に村雨でガルを弾くとリンは村雨を構え


「連撃は流れるように次の斬撃に繋いで相手に反撃の隙を与える事無くやらないと駄目。本当の連撃って言うのはこうやるのよ!」


リンは構えた村雨でシュノアに突きを繰り出しガルで防御したシュノアはリンの斬撃の重さに体勢が崩れ、そこにリンが流れる様に村雨で斬撃を繰り返す


シュノアはギリギリ防いでいるが…


『こいつは…!シュノア、もう良いだろ!?降参しろ!嬢ちゃん!これ以上は…』


「ガル!よせ…!俺が全力でと頼んだんだ…!それにまだやれる!」


「闘志は未だ衰えず…か」


リンはそう言うと後ろに飛び退いて村雨を鞘に納める


「……?」


なぜ、あのまま攻めていれば俺は防ぎきる事は出来なかった…それに先程までの刺すような気配が消えた…?


『シュノア、油断すんなよ?ありゃあ殺気を納めたんじゃねぇ…駄々漏れにしてた殺気を研ぎ澄ませてやがるんだ。俺は色んな奴を今まで見てきたがあんなすげぇ女初めてみたぜ…惚れちまいそうだ…!』


「あら、嬉しいわ…ガル。でも残念…剣は恋愛対象にはならないのよね」


リンが笑いながらそう答える


「シュノア、次で私はあなたを倒す。だから1つだけ賭けをしない?」


「賭け…?」


「見たところあなたがクラスのまとめ役でしょう?私はこんなやり方から分かるように教師に向いてるとは思ってないわ…だから私が勝ったらシュノアには私の補佐役を受けて欲しい。もちろんガルもよ?」


シュノアはその条件に驚く


「そんな条件でいいのか?これだけの実力をみたらクラスの奴等は先生の事を認めない奴はいない。補佐役なんて必要ないと思うが…?」


「いいのよそれで。さぁ、賭けなんだしあなたも私に出来る事ならなんでもいいわよ?」


「なら、俺に剣を教えてくれないだろうか?学校以外でもだ」


シュノアの答えに今度はリンが驚いた


「…分かったわ、その条件でやりましょうか」


リンは腰を深く落とし抜刀の構えを取り、シュノアは魔力をガルの刀身に集め始める


『俺が生きてる時に嬢ちゃんとは戦って見たかったぜ…シュノア、こんな経験はそう出来るものじゃねぇぞ?普通は死ぬからな。勝てるとは思ってねぇ…だから負けて自分より上の奴等の実力を知れ、それが分かればお前はまだ強くなれる』


ガルに集めた魔力がキィィンという音を響かせ凝縮していき刀身に紫電を纏う


「行くぞ、《剣気解放…轟雷一閃(ごうらいいっせん)》」


リンに向けてガルを振り抜くと剣に纏っていた紫電がリンへ向け迸る


次の瞬間にはリンに直撃し、轟音と共に爆発を巻き起こす


砂煙で今はなにも見えない、だが轟雷一閃は直撃したように見えた…あれなら当たれば一撃で…

しかしその考えは次の瞬間間違っていたと思い知らされる


砂煙の中から凄まじいスピードでリンが飛び出し、村雨の鯉口を切る。少しだけ鞘から抜けた刀身に夕陽が反射して光を放つ


「早坂流抜刀術奥義…《光刃閃(こうじんせん)》」


村雨が鞘から解き放たれその漆黒の刃が煌めきを放つと気づいた時にはシュノアの背後でリンは村雨を鞘に納めていた。


「…なんともな…い?」

シュノアが驚き呟く声にガルが口を開く


『いんや、おめぇの負けだシュノア…良かったなぁ、結界のお陰でこんなダメージも無効になるんだからな!自分の体を見てみろよ』


言われてシュノアは気付く…ガルを握っていた筈の腕が地面に落ちている事に。


「痛みとかは無いらしいからあれだけど…まだやりたい?」


は、ははは…凄いな。斬られた瞬間が全く分からなかった…


「いえ、参りました。ハヤサカ先生」


シュノアは頭を下げると他の生徒達と共に戻っていった


ちなみに戦わなかったカオリは先程の戦いを見て「私は止めておきます、勝てそうにないですし」と言ってみなと戻っていった…でも彼女、かなりの鍛練を積んでるわね。足運びや挙動が鍛練を積んだそれだったし…




ま、これから中々長い付き合いになりそうだし、後はゆっくりやりましょうかね…



遅くなりました!今回かなり納得が行かなくて書き直しを繰り返してました( ̄▽ ̄;)まだ良いとは言えませんが…(>_<)もっと頑張りますのでこれからも読んでやってください(笑)誤字脱字ありましたら間違ってるぞ馬鹿野郎と叫んでください。直します(笑)

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