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私が異世界に流されて…  作者: カルバリン
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第35話 リンVSカレン

「どう?場所は確保出来たかしら?」


シャルドネに問いかけると


「大丈夫です、学院長からの許可が下りましたので修練場が使用出来ますよ!あと学院長から伝言を預かって来ました…『やり過ぎない程度に』だそうです」


「了解…で、その修練場って言うのは?私はてっきり通って来た広場を使うのかと思ってたんだけど…」


「いえ、さすがに広場で暴れたらダメですよ!修練場とはですね…特殊な術式によって範囲内ならば例え死ぬレベルのダメージを受けても肉体にダメージは有りません。ただし、肉体の欠損などは範囲内にいる間は継続されますが…」


なるほど、要するになにをしても死ぬことは無いって事か…


「とりあえずそこまで本気出す事はないから大丈夫でしょ」


そしてその修練場にたどり着くが…想像してたよりかなり広かった。

修練場は例えるなら円形闘技場に似ているかしら…見渡していると別の入り口から自由選択クラスの面々が入ってくるが一部の生徒は完全武装しているのに対し他の生徒はなにも持っている気配がない


「あら、武器を持っていない生徒はどうしたのかしら?実力を見ると伝えた筈だけど…」


すると一人の生徒が前に出てくる


「こいつらはあんたに戦いを挑む事はない。だから勘弁してやってくれないか?今までの出来事も俺たちが勝手にやってしまった事だ」


……………………。


「駄目だろうか?」


「……そうねぇ、言葉使いはなってないけれど…他の生徒の事を考えてるみたいだしね…私は元々あなた達をどうこうしようとは思ってないわよ?実力が見たいのも本当だから。そうしないとこれからの予定も立てられないのよ」


「分かった、あんた…いや、あなたは今までの教師とは違うようだな」


「ちゃんと話の分かる生徒もいるみたいね、あなた名前は?」


「シュノアだ、俺はハヤサカ先生に挑ませてもらう。後は後ろの奴ら…左からアディ、ガイ、カレン、カオリ…そしてオルトだ」


それぞれ呼ばれた時に軽く会釈をしてくるが…なるほど、彼等は確かに他の生徒よりも実力はあるようね。


「それじゃ、ルールを決めましょうか?順番は誰からでも構わない、あなた達は自分が持てる全てを使って私を攻撃して頂戴。どちらかが降参するか戦闘が困難になった時点で終了よ…武器は自前の物を使って構わないわ、私はあそこに立て掛けてある訓練用の武器の中からあなた達が指定した武器で戦うわ…勿論素手でやれと言われたらそれもアリよ」


そう説明すると


「おい、あんまり俺たちを甘く見すぎじゃねぇか?仮に俺があそこに立て掛けてあるくそ重たいハルバートを使えって言ったらそれで戦えるのかよ?」


「別にあなた達を侮っているわけでは無いのだけど…まぁあれを使えと言うのであれば…」


私はハルバートが置いてある場所まで行くとハルバートを掴む


「馬鹿だろ?お前みたいな女の細腕でんな武器扱える訳……」


ガイがそこまで言った所で私はハルバートを持ち上げるとハルバートを振り回す


頭上で回転させ、右に左に回すと最後に豪快に降り下ろして構えをとると風圧で砂埃が舞い踊る


「先に言っておくけど…どの武器でも私はそれなりに使えるから遠慮は要らないわ。あなた達が相手にしやすい武器を選んでくれればいい」


シュノアが「これは…強化を使った気配がないだと…」

ガイが「おぃ、冗談だろ…」

カレンが「ふん!あのくらい私だって出来るわよ!」

アディが「あれを振り回すってどんだけ馬鹿力よ…」

カオリが「あんな人に勝てるわけ…」

オルトは「…………ふん。」


各々が信じられない物を見るような目を向けるが


「私から行くわ!武器はそのハルバートで良いわよ、私の武器はツーハンデットソードだし力なら負けないわ」


そういって前に出てきたのはカレン…だったかしら?背は私より頭1つ分低く髪は特徴的なライトグリーンの髪をショートにしていて見るからに気が強そうな顔立ちをしている


カレンは大剣を肩に担ぐとこちらに歩いてくる


「私はカレン、ハヤサカ先生…よろしくお願いします」

カレンが大剣を地面へ突き立て頭を下げる


「ちゃんと挨拶出来るじゃない、こちらこそ。全力でかかってきなさい!」


私もハルバートを構え直す


それを見てシャルドネが前に出る


「では、準備は良いですね?ルールはどちらかが戦闘不能になるか、降参するまでとする!両者異議はないですか??」


「ええ、問題ないわ」

「ありません」


「それでは……始め!!!」



シャルドネの合図と共にお互い駆け出す


さて、どうくるのかしら…


カレンは駆け出した勢いそのままに大剣を降り下ろす

「ちぇい!!」

掛け声と共に降り下ろされた大剣をハルバートの柄で受けとめるとガキンと火花を散らしてお互いの武器が激突する


「力はあるみたいね…」


そのままハルバートを握る腕の力を抜いてハルバートを回し刃とは反対側の柄でカレンの脇腹を打ち据える

しかしカレンに当たる直前になにか光る壁に阻まれてしまったがパキンという音が響く


「嘘!?私の全力の障壁が一撃?!」


慌ててバックステップで距離をとるが、リンはそれを許さない


「距離をとるならもう一手打つべきよ?例えば相手に蹴りを打ち込んだ反動を利用したり…ね!」


リンは言いながらハルバートを右手のみで横凪ぎに振り抜くがカレンは大剣を咄嗟にハルバートと自分の間に割り込ませガードする


「くっ!片手で振っているのになんて重たい一撃なの…?!」


自身の手に伝わる衝撃で握った大剣を手放しそうになるが踏ん張って耐える

カレンの脚が地面を削りながら押し込まれていく


「受けるだけじゃ駄目ね…カレン、あなたは受け流す事を覚えなければ致命的な隙を相手に晒す事になるわ。こんな風にね!」


大剣に刃を合わせていたハルバートに込めた力を抜き空いている左手を使って身体ごとカレンが防御している反対側へとハルバートの柄を回し打ち据え、そのまま遠心力を利用してハルバートを振り回す


右に左にステップを踏みながらの連続攻撃は嵐の如く防御するカレンに襲いかかる

必死に防御するも2、3度打ち合わせると大剣は弾かれ、カレン自身もそのまま後ろに尻餅をつく

リンはカレンの首にハルバートの刃を当てる

「……参り、ました…」


カレンが降参するとハルバートを回して肩に担いでカレンに言葉をかける


「大剣を使うなら力で振り回すだけじゃなく大剣自体のリーチの長さや重量、反動をしっかり利用出来るような技量を身につけなければ駄目よ?でもカレン、あなたの反応速度は見事だった」


そう声をかけ手を差し出して立ち上がらせると服についた砂を払い落としてあげる


「あ、ありがとうございます……これからもよろしくお願いします、ハヤサカ先生」


そしてリンに頭を下げて元の位置に戻っていった


さて、次は誰が来るんでしょうね…


そう考えながら手に持ったハルバートを元の場所に立て掛けるリンだった…



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